
1971年11月に2週間ほど行った北米ツアー初日、11月12日のボストン・ミュージック・ホール公演を極上オーディエンス録音で収録。この時代の客席録音としては別格の音質で収録されており、そのパフォーマンスの素晴らしさ同様に、音質クオリティに実に驚かされます。この音源は「DOWN TO BOSTON」というタイトルで音盤化されていましたが、今回は既発を上回る鮮度抜群のサウンドで収録されており、おまけに3分ほど長く収録されています。既発に比べ、冒頭からして30秒長く収録されており、その間、緊張感あふれる生々しいドラム、オルガン、ベースの試し弾きを聴く事ができます。「次の新作から」というMCで披露されるHoedownは、まだライブでこなれていない様子で、アルバム同様のスピードで演奏されています。中間奏のムーグプレイもまだ手探りの様子で、その初々しい演奏が新鮮に響きます。Tarkusも、同じくこの時期らしい、飛ばしすぎず、丁寧でがっちりした演奏で聴き手を魅了しますが、見事なオルガンソロを聞かせるStone Of Yearsの後のボーカル・パートで、突如オルガンの電源がオフになってしまいます(5:40)。ひとしきりベースとドラムだけで演奏したあと、演奏がストップ(6:26)。キースは特に動じた様子もなく「電源が落ちたみたいだ・・・おっ、パワーランプがついたね。キーボードを押してみよう、大丈夫だと思うよ。(音が出て)Yeah Good!」と余裕のMC。7:25でちょうどストップした場所から演奏を再スタートするという珍しいシーンを聴くこともできます。アクシデントで水を差されたものの、それを忘れさせるようなダイナミックな演奏を聴かせるバンドの力量に感動します。13分台の狂乱のリボン・コントローラーのプレイも迫力満点。Take A Pebbleのピアノソロ4分台ではBitches Crystalのピアノリフ、Jeremy Benderの編曲のようなプレイ(ボーカル入り)も飛び出します。キースの優雅なピアノソロが炸裂するPiano Improvisations では初期からLadies & Gentlemenへの橋渡しのような、この時期特有の荒々しさと後期のスケールの大きな洗練されたプレイがミックスされたような素晴らしい演奏を聴く事ができます。グレッグのボーカルも70年代初頭らしい瑞々しさが実に最高です。Knife Edgeではカールが果敢に様々なドラム・アクセントを行い、荒っぽいながらも曲に活力を加えています。4:20のシンセの立ちっぷりは見事。この時期らしい暴力的なエンディングからRondoに雪崩れ込む瞬間も最高の一言。オルガンを揺らして、機関車のようなサウンド・ギミックをかましたイントロも、鍵盤を豪快にひっかくグリッサンドも、誰も真似できないオルガンとの格闘プレイも、後期ELPのお定まりプレイとは無縁の、真に迫力ある演奏を聴く事ができます。11分に及ぶカールのドラムソロも、長いキャリアの中で、最も重くハードヒットする渾身のプレイを披露しており、絶頂期の凄まじさを体感させてくれます。既発同様にRondo(Reprise) の1:40で音切れがありますが(おそらくテープチェンジ)、それ以外はコンサートの全貌を収録。音質・演奏の素晴らしさともにトップクラスで、ELPのライブCDとしては大別格と言えるでしょう。
Live at Music Hall, Boston, USA 12th November 1971 TRULY AMAZING SOUND
Disc 1
1. Intro. 2. Hoedown 3. Tarkus 4. Take A Pebble 5. Piano Improvisations 6. Take A Pebble(Reprise)
Disc 2
1. Knife Edge 2. Rondo 3. Drum Solo 4. Rondo(Reprise)
EL & P Emerson,Lake & Palmer/Michigan,USA 1971
ボストン公演3日目の11月15日、デトロイトはイーストタウン・シアター公演を高音質オーディエンス録音で収録。ボストン公演のダイレクト感には及ばないものの、この時代としては十分にクリアーな音質で収録された初登場音源です。セットは同じですが、こちらはアンコールのA Time And A Placeを収録。丁寧な演奏のオープニングHoedownはボストン公演同様に初期ライブアレンジが楽しめます。Tarkusは前半、部分的に音が遠くなったりするパートがありますが、暫くすると元に戻ります。この夜のリボン・コントローラーのプレイは絶品!Manticoreのオルガンソロパートでも凄い弾きっぷりを楽しめます。音質はこの時代としては平均的ですが、十分に良好であり、ファンは間違いなく必聴です。Tarkusは30分近く録音されていますが、Aquatarkus後半でカットあり。しかしこの日のAquatarkusも最高で、キースのやりたい放題のインプロが迫力満点で聴き応えあります。若干スロウな演奏のTake A Pebbleは珍しくグレッグのボーカルの入りが遅れます。ピアノソロは非常に独創的なプレイを聞かせてくれますが、見事なPiano Improvisationsの途中で無常にもテープチェンジのカット。しかし以降のドラムソロを含むRondoとレアなA Time And A Placeは完璧に収録されています。A Time And A Placeのスピード感溢れるオルガンソロは必聴! 間違いなく全ELP必携の非常に優秀な録音テイクです。
Live at Easttown Theatre, Detroit, MI. USA 15th November 1971
1. Intro. 2. Hoedown 3. Tarkus 4. Take A Pebble 5. Rondo incl Drum Solo 6. A Time And A Place