
ELPの名盤復活! 本作は、「1977年7月22日コボ・アリーナ公演」を収めたオーディエンス・アルバムで、かの「JEMS音源」の傑作中の傑作です。この日付でピン!と来られた方は、熱心なコレクターでいらっしゃる。そう、かつて「DETROIT WORKS」としてリリースされた音源。「DETROIT WORKS」は、3公演を6CDに封入した大作でしたが、その中でも最高音質・全長録音の「7月22日」をリマスターして上でプレス化したアルバムなのです。「だったら『DETROIT WORKS』を丸ごとプレスしてくれよ」というご意見もごもっとも。しかし、「DETROIT WORKS」の他2公演は、若干音質面で難があったり、曲足りなかったり……残念ながら「完璧だ!」とは言えなかったのです。と、言うことは。そう、その通り!本作は堂々と「完璧だ!」と胸を張れるライヴ・アルバムなのです!! 正直なところ、「DETROIT WORKS」は6枚組の大物だっただけに、最後の3公演目たる「7月22日」にたどり着く前にお腹いっぱいになり、集中して聴けなかった方も多かったようです。その最後こそがベスト・サウンド、ベスト・パフォーマンスということに気づかれず、もったいない音源でもあった。その意味でも、本作を独立の作品としてご紹介したいのです。そして、そのサウンドのキメの細かさは抜群中の抜群。ランピンスキー・コレクションの超名作「LEGACY」にも匹敵し、サウンドボードの「DEFINITIVE WORKS LIVE 1977」にさえ肉薄する(どっちも絶対必聴!)素晴らしさなのです。トリオバンドの録音というと、アンサンブルがシンプルだけに音のクリアさ、輪郭の鋭さが勝負になるわけですが、本作はまさに100点満点。同年・同会場でオーケストラ共演も行っているわけですが、言われなければそれだけの大会場とは思えない劇近サウンドでGX-1が芳醇に鳴り響く。さすが「JEMS」というべきか、なんとも恐ろしいというか……。それはそれは美しい録音で奏でられるのは、熟達の極みに達した1977年のELP。「1977年」というと、オーケストラ共演が注目されますが、本作はトリオだけ。オーケストラもスッポリ入る大会場をたった3人で沸かしに沸かしまくるのです。その演奏力たるや半端ではなく、加速装置の付いた「Hoedown」「Tarkus」の凄まじい激走! 巨大なステージを目配せだけでタイミングを取りつつ、複雑な曲で爆走していくトリオ。しかも、道交法に触れそうなハイスピードにもかかわらず、決して乱れないのだから凄い。キースの指さばき、グレッグのブリティッシュ・ヴォイス、カールの隙間ないロール……すべてがどこまでも滑らかで、まるで上等なビロードのよう。そして、「JEMS」が誇る高音質あってこそ、その1音1音のきめ細かさまで存分に味わえるわけです。吹き荒れるニューウェーヴの嵐に挑んでいたのか、大赤字のオーケストラ・ツアーで尻に火が付いたのかは分かりませんが、「プログレ=恐竜ロック」の世相に真っ向から切り込むような鋭さとハイテンション。往年の名バンドたちが苦しみ、迷走していた時代、作品作りではELPも例外ではありませんでしたが、一度ステージに上がってしまえば、微塵のブレもなく突っ走る。たとえバラードであろうとも決してダレない3人のテンションがこれでもか!と炸裂しているのです。演奏だけでなく、ショウの流れも実に楽しい。もともとエンターテインメントにこだわるバンドですが、美味しいパートだけをギュッと詰め込んだ「Tarkus」「Pictures At An Exhibition」の珠玉のアレンジを軸に、名曲・代表曲が次々と繰り出される豪華絢爛のロック絵巻。70年代前半のインプロ乱舞ももちろん素晴らしいのですが、この“オモチャ箱ひっくり返し感”が絶え間なく続くショウも実にELPらしくて最高! ショウのラストは、狂い咲く「Nutrocker」に導かれた「Pirates」と「Fanfare For The Common Man/Rondo」の2連発! 当時リリースから4ヶ月の新曲ながら、ショウをドラマティック締めくくり、堂々のフィナーレを迎える……。エマーソンが「ナイスの思想」でデビューを飾って10年、英国プログレは受難の時代の入り口にありました。しかし、この10年をひた走ってきた英雄たちは、そんな時代にあっても激烈なパッションで大観衆を沸かしていた。あなたはスタジオ・レコードごしに、あるいは年表の向こう側に、これほど生き生きした彼らの姿を想像できていたでしょうか? 今まさに、実演家として熟練の極みに達そうとしている3人の真実を伝えるリアル・オーディエンスの超傑作。
Live at Cobo Arena, Detroit, Michigan, USA 22nd July 1977 PERFECT SOUND
Disc 1(67:15)
1. Karn Evil 9 1st Impression Part 2 2. Hoedown 3. Tarkus 4. Take A Pebble 5. Piano Concerto No.1 1st Movement 6. Still...You Turn Me On 7. Knife Edge 8. Pictures At An Exhibition 9. C'est La Vie
Disc 2(48:27)
1. Lucky Man 2. Tank 3. Drum Solo 4. Nutrocker 5. Pirates 6. Fanfare For The Common Man incl. Rondo