
“ベルリン時代のボウイ”世界を日本に届けてくれた1978年のジャパンツアー。その全世界未公開録音が奇跡の発掘です。本作が録音されたのは、ボウイが初めて日本武道館のステージを踏んだ「1978年12月11日」。その模様を録音家本人から譲られたオリジナル・カセットから直接CD化したオーディエンス・アルバムなのです。1978年のジャパンツアーというと、某公共放送局による映像があまりにも有名ですが、それとは別のライヴ。ここで一度、ツアー日程を整理しておきましょう。
・12月5日:名古屋市公会堂・12月6日:大阪厚生年金会館・12月7日:大阪厚生年金会館・12月9日:大阪万博記念ホール・12月11日:日本武道館 【本作】・12月12日:NHKホール ※テレビ放送「TOKYO 1978」
このように、テレビ放送があったのは最終日のNHKホール。その模様は今週リリースの「TOKYO 1978」で見ることができますが、本作はその直前のライヴアルバムなのです。このツアーはNHKホールのテレビ放送があったために発掘が遅れてきたものの、それも近年になって改善。この日も「BEAUTY」など、いくつかの既発がありますが、本作はそのどれとも違う。もちろん、ネットにもトレードでも出回っていない完全初登場のオリジナル・マスターです。その録音者とは、70年代後半から80年代にかけて日本随一の名録音家として知られた人物。当店では今までもエリック・クラプトンやジェフ・ベック、THE ROLLING STONES等々、無数のタイトルを扱ってきており、恐らくピンと来るお客様も多いのではないでしょうか。本作もまた、そんな名テーパーの腕が冴えに冴えた銘品。そのサウンドは実にクリアで、70年代の武道館とは思えないほどに美しい。正直申し上げて、「トレード音源よりクリア」「超高音質」と絶賛を浴びた話題作「BEAUTY」さえも超えているほどです。「まるでサウンドボード」と呼ぶほどのダイレクト感ではないものの、楽音の輪郭がキリッと切り立っていてボケや滲みがまったくない。「きゃーっ」という嬌声が沸き上がっても、それが遠く囁くように捉えられており、楽音をまったく遮らないのです。現場のPAから自宅のスピーカーまで、歌声と演奏が時間と空間を越えてレーザービームのように真っ直ぐ飛び込んでくるようなサウンドなのです。このクオリティで収める名テーパーの録音技術も相当なものですが、それを現代にまで残し続けたオリジナル・カセットの存在が大きい。現場の空気を吸い込んだまま眠り続け、38年後にやっと吐き出したからこその鮮度があまりにも鮮やか。これはもう、“この日の”ではなく、“1978年ツアーの”ナンバー1録音でしょう。そのサウンドで蘇る“ベルリン時代のボウイ”の鮮やかさこそ、本作最大の魅力。NHKホールのテレビ映像は歴史的な大傑作ですが、あちらは放送枠の関係でショウ全編とはほど遠いスケールでしかありませんでした。それに対し、本作はショウの完全録音。「Beauty And The Beast」の終盤に1分ほどの録音漏れ(楽音部分は約30秒)がありましたが、そこは既発で補填。トラックの4分目辺りで音源が変わるのですが、「ここだよ」と言われても分からないほど自然に繋がれ、ショウをシームレスで楽しめるように仕上がっています。そして、そのサウンドで描かれる“ベルリン時代”のフルショウは、まさに絶品。ツアータイトル“LOW AND HEROES TOUR 1978”の通り、傑作「LOW」「”HEROES”」を連発する前半(ディスク1)は、クラウトロックの先鋭的な感覚を飲み込みながらもキャッチーなメロディが美しく広がる。そして、一転して「ジギー・スターダスト」6連発で沸きに沸かせる後半のコントラストも見事。オフィシャルの名盤「STAGE」でもそれぞれの世界は明確に棲み分けられていたものの、本生100%の流れはさらに自然。後の増補版「STAGE」でも本作同様の流れに変わりましたが、そこでも削られ続けている「Jean Gene」「Suffragette City」「Rebel Rebel」まで聴けるのです。ボウイのキャリアでも異彩を放つ“ベルリン時代”。世間一般には「LODGER」も含めて三部作と呼ばれますが、厳密に言えばベルリン制作だったのは「LOW」「”HEROES”」だけ。しかも、「LODGER」の後にはツアーを行わず、次なるワールドツアーはまるで世界観の変わった「LET'S DANCE」の後でした。つまり、“ベルリン時代”を生演奏で総括したのは“LOW AND HEROES TOUR 1978”に違いなく、集大成は最終レッグの日本だった。そんな日本ツアーの最高峰録音、それこそが本作の正体なのです。本作は、日本のファンにとって思い出深いステージに違いありませんが、ボウイ史上でも特別な輝きを放つ1本でもあるのです。ボウイが去ってしまった2016年、これまでになく彼の足跡に注目が集まる今だからこそ、この唯一無二のライヴアルバムをご紹介したい。ひとりでも多くの方に、この目映い輝きを知っていただきたい。その一念を込めた歴史的大発掘。「DAVID BOWIE」の名が残る限り、“ベルリン時代”が特別と語り継がれる限り、永遠に残るであろう大傑作の誕生です。ぜひ、あなたもこの歴史的な瞬間の立会人になってください。
Live at Budokan, Tokyo, Japan 11th December 1978 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (47:52)
01. Warsawa 02. Heroes 03. What In The World 04. Be My Wife 05. Jean Gene 06. Blackout 07. Sense Of Doubt 08. Breaking Glass 09. Fame 10. Beauty And The Beast
Disc 2 (66:17)
01. Five Years 02. Soul Love 03. Star 04. Hang On To Yourself 05. Ziggy Stardust 06. Suffragette City 07. Art Decade 08. Alabama Song 09. Station To Station 10. TVC 15 11. Stay 12. Rebel Rebel
David Bowie - Vocals, Keyboards Adrian Belew – Guitar Carlos Alomar – Guitar George Murray – Bass Simon House – Violin Sean Mayes – Piano Roger Powell – Keyboards Dennis Davis - Drums