1975年のジャパンツアーは、ジェフの来日史上でも類を見ない波乱で幕を開けました。その初日を極上サウンドで蘇らせた「SAPPORO 1975」の誕生を記念し、来日直前のハワイ公演をお贈りします。本作は「1975年7月30日ホノルル公演」を収めたオーディエンス・アルバムです。ジェフが風邪をこじらせたのは、7月26日ニューオーリンズで、次の7月28日アトランタ公演はキャンセル。このホノルル公演は、体調の回復を図りながらも強行されたステージで、長年「さぞや厳しいライヴだったんだろう」と思われてきたライヴなのです。そんな半ば定説じみていた認識をひっくり返したのが、本作なのです。「IN HAWAII 1975」として初めて世に出た録音で、なによりもオリジナル・マスター(夏期ハワイ研修に参加した日本人学生の録音、テープとチケットの写真付き!)からダイレクトにCD化したクリアでビビッドなサウンドが大きな話題となりましたが、そのサウンドで刻まれたライヴそのものも凄かった。数ある「BLOW BY BLOW」時代の録音でも最高峰とさえ言える絶好調パフォーマンスが吹き出してきたのです。札幌公演も十分に素晴らしい演奏でしたが、ことテンションで言えば、本作の方が上。札幌では演奏されなかったオープニングの「Constipated Duck」からしてキレにキレ、冴えに冴えまくるギター。1音1音が切っ先鋭く、ピッキングニュアンスまでも国名に伝えるサウンドで繰り広げられる。これが体調不良に悩む人間が奏でる音だとは……。さらに、やはり札幌では演奏されなかった「Power」「Got The Feeling」「Diamond Dust/Jeff's Jam」もたっぷりと披露されるフルセット。特にスタンリー・クラークのカバー「Power」や「Jeff's Jam」はこのツアーでしか演奏されていない貴重なテイク。そのサウンドと名演ぶりに、後にCD化も果たした名録音ですが、本作ではオリジナル・カセットが現場で吸い込んだ通り、トレブルのキレも良い生音のままに封入しました。これだけの熱演と引き替えに体調を悪化させてしまったジェフ。その身を削るような演奏ぶりを、最高のクリアサウンドで収めた逸品です。
Live at NBC Arena, Honolulu, Hawaii 30th July 1975 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) (67:50)
1. Constipated Duck 2. She's A Woman 3. Freeway Jam 4. Definitely Maybe 5. Superstition 6. Air Blower 7. Keyboard Solo 8. 'Cause We've Ended As Lovers 9. Power 10. Got The Feeling 11. You Know What I Mean 12. Diamond Dust/Jeff's Jam
Jeff Beck - Guitar Wilber Bascomb - Bass Bernard Purdie - Drums Max Middleton – Keyboards