
貴重な“SHEER HEART ATTACK TOUR”の初日となった「1974年10月30日マンチェスター公演」のライヴ・アルバムです。この日は、ひとつの録音から数種類のブートレッグが生まれており、それぞれに一長一短でした。今回登場したのは、その中でも良好な2種を海外マニアが組み合わせ、ショウの全体像を最良の形にパッチしたものです。具体的には、オープニングの「Procession」から「Son And Doughter」の5分21秒までがソース(1)、5分22秒からラストの「Modern Times Rock 'n' Roll」までがソース(2)です。さすがに切り替えの瞬間こそ「あ、替わった」と分かりますが、元々が同一録音から出発したマスターですので、違和感はほとんどありません。さて、ライヴ・アルバムの内容に入る前に、一度この頃のスケジュールを整理しておきましょう。前作「QUEEN II TOUR」の最終日が1974年5月11日であり、その後7月から9月にかけて「SHEER HEART ATTACK」が制作されました。そして、翌10月21日に先行シングル「Killer Queen/Flick of the Wrist」がリリース。「SHEER HEART ATTACK」がリリースされるのは11月8日ですので、ツアー初日となる、この「10月30日」は、先行シングルから9日後、アルバム発売の9日前というタイミングなのです。そんな状況でショウは、上り調子まっただ中の熱さと、初日のテンションがたっぷりです。新曲では演奏に少々堅さも感じられ、観客も聞き入る雰囲気。バンドもオーディエンスも、新曲を通して確かめ合うような初々しいライヴなのですが、そんな中でもシングルでリリースされていた「Flick Of The Wrist」には歓声が上がり、「Killer Queen」のイントロには、どよめきが巻き起こる。そう、ここにいる観客は新曲に戸惑っているのではない。QUEENの新曲を楽しみに待っていたファンが集っており、“次は、どんな曲が飛び出すのか”というワクワク感が充満しているのです。サウンド的にはくぐもった感じもあり、「SHEFFIELD 1974」のような万人対応型ではなく、“初日の記録”が先行するタイプ。しかし、決してノイズまみれなのではなく、そんなショウのニュアンスはばっちり聴き取れます。成功の階段を駆け上がり始めたQUEENと、そんな彼らのアルバムを待ちきれない期待感。「SHEFFIELD 1974」でも感じられた独特なムードですが、初日は、さらにそれが強く現れている。この時期のイギリスでしか嗅げない雰囲気をたっぷりと吸い込んだライヴ・アルバム。
Live at Palace, Manchester, UK 30th October 1974 AMAZING/TRULY AMAZING SOUND (69;57)
1. Procession 2. Now I'm Here 3. Ogre Battle 4. Father To Son 5. White Queen 6. Flick Of The Wrist 7. In The Lap Of The Gods 8. Killer Queen 9. The March Of The Black Queen 10. Bring Back That The Leroy Brown 11. Son And Daughter 12. Keep Yourself Alive 13. Seven Seas Of Rhye 14. Liar 15. Stone Cold Crazy
16. In The Lap Of The Gods... Revisited 17. Big Spender 18. Modern Times Rock 'n' Roll