
今回は何と1971年のZEP初来日におけるレア・オーディエンス録音を一挙三タイトルもリリースいたします。まずは9月23日の武道館、来日公演の初日となったライブです。日本におけるZEP伝説は正にこの日の驚異的な演奏と1990年代から続々と発掘された音源によってオーディエンス録音によって確固たる地位を確立しました。実のところ、LPの時代に71年来日公演の凄まじさを伝えてくれたのは929こと大阪二日目のサウンドボード録音であって、その他の公演に関してはリリースされてもアイテムが広まらず、あるいは収録内容自体がライブの全貌を掴むのに乏しい内容だったことから、今ほどマニアの間で929以外のライブの内容が認識されていなかったように思います。こと武道館初日に関しては「FRONT ROW」音源の発掘によって一気に知名度が上がり、さらに時間を経過してここ十年の間に登場した「FIRST ATTACK OF THE RISING OF THE SUN」あるいは「TIMLESS ROCK」音源、そして「ROCK CARNIVAL」音源がこの日の三大レコーディングとして君臨している感があります。これらの音源のどれかを持たれているマニアの方も多いのではないでしょうか。どの音源に関しても共通して言えることは、1971年のオーディエンス録音としては驚異的にオンな音像を誇っていることだと言えるでしょう。そして以前当店がリリースした「THE CALM AND THE STORM」がその最たる例でしたが、先に挙げた武道館初日の三大音源以外にも、この日は多数の音源が存在し、またリリースされてきました。ところが、今回また当店が武道館初日の新たなオーディエンス録音を発掘しました!いったいこの日はどれだけの音源が残されているのでしょうか?それは一重に「日本のファンはLed Zeppelin大好き」であり、待ちに待った来日公演の初日だったことが反映された結果でしょう。ただし、最初に断わっておきますと、今回の音源は先に挙げた三大音源の域には及びません。それらのような音像のオンな度合こそ、71年当時において別格なクオリティとステレオ音質を誇ります。さらに録音状態の傾向としては、初めてこのライブの全長版をリリースしてみせた「TALES OF STORMS」(あるいは「TOKYO TAPES」)や当店の「THE CALM AND THE STORM」の系列と呼べるモノラル音質であり、これぞアナログチックな質感と呼べるもの。しかしこれらの音源よりもオンな音像で捉えられている点が大きな魅力なのです。いかにも武道館のロック・コンサート的な臨場感を捉えてくれている点も同様でしょう。その臨場感が独特なのもこの音源の新鮮な魅力です。例えば「TALES OF STORMS」ではライブ序盤において、イントロが始まる度に「やった、やった!」という歓喜の様子が捉えられていましたが、こちらでは同様の瞬間になると「フー!」という歓声が飛び交います。その点では日本でのライブらしかぬように映るかもしれません。これがまた面白いのです。そして演奏が進むにつれて日本の観客を熱狂の渦へと巻き込んでみせるZEPの様子も他の音源同様にキャッチされています。何しろハワイで幕を閉じたアメリカ・ツアーから一週間の休暇がプラントに与えた効用は計り知れないものがあります。例えばLAフォーラムや当店がリリースした「GOING TO CALIFORNIA」バークレーなど、アメリカの終盤では若いプラントもさすがに喉の疲労具合が隠せない様子でしたが、ここ武道館でプラントは強烈な復活を見せました。71年までのプラントだからこそ見せてくれた強烈なスクリーム・ボイス。ただでさえ71年ライブ活動のピークとなり、それがまたZEP伝説を誕生させた初来日公演でしたが、その中でも東京二日間におけるプラントのスクリームにはただ唖然とさせられるばかり。特にアルバム「VI」収録曲は1971年だけが、アルバムのアレンジに遜色ない状態でプラントが歌い切っていた時期。ここでも「Black Dog」や「Stairway To Heaven」において絶品のスクリームを聴かせてくれます。それにペイジのプレイもフレーズが豊か。そうした要素が合わさり、ここで聴かれるZEPの演奏はもはや芸術品と言っても過言ではないほど見事なものでした。そして日本ツアー初日から異様なテンションかつ展開で繰り広げられた「Whole Lotta Medley」があまりに壮絶!しかも今回の音源ですが、ここで音像がさらに近くなる(恐らく前の方へ向かったのでしょう)ことで、さらにこの壮絶なメドレーの切れ味が存分に味わえるのが素晴らしいのです。中でも「Tobacco Road」と日本で高い人気を誇っていた「Good Times Bad Times」辺りでは間違いなく会場の興奮がピークに達しました。この凄まじい熱狂こそ、日本におけるZEP伝説が誕生した瞬間だと言えるでしょう!確かにこの日のライブの三大音源と比べるとマニア向けな側面は否めません。しかも「Celebration Day」は未収録なのです。今回のリリースに当たっては、敢えて別音源を補てんするような編集は加えず、ピッチのアジャスト程度にとどめました。しかし武道館初日の熱狂をアナザー・サイドから伝えてくれるこの初登場音源も実に魅力的。聴いていく内に引き込まれてしまうのはやはり初来日公演ならではのマジック。
Live at Budokan, Tokyo, Japan 23rd September 1971
Disc 1 (74:37)
1. Intro 2. Immigrant Song 3. Heartbreaker 4. Since I've Been Loving You 5. Black Dog 6. Dazed And Confused 7. Stairway To Heaven 8. Bron-Y-Aur Stomp 9. That's The Way 10. Going To California
Disc 2 (65:34)
1. MC 2. What Is And What Should Never Be 3. Moby Dick 4. Whole Lotta Love 5. Communication Breakdown