
2009年に突如、世界中を席巻したランピンスキー・コレクション。その中でも、格別のサウンドで広大なスペース・オペラを捉えきった2CDの「HEMISPHERES IN BOSTON」は傑作中の傑作でした。本作は、その丁度1年前となる“DRIVE 'TIL YOU DIE TOUR 1977-1978”の「1978年1月12日プロヴィデンス公演」を収めたオーディエンス・アルバムで
す(本編は1979年1月11日)。もちろん、記録したのは本編と同じくダン・ランピンスキー。彼のコレクションのRUSH第2弾として世に出た音源で、登場当時にも「PROVIDENCE 1978」として通常リリースされ、「ランピンスキーはどこまで凄いんだ……」とマニア筋を唸らせました。そこまで話題になっただけあり、本作のサウンドもまた超絶レベル。さすがに、“ランピンスキー・サウンドの極み”とも言うべき本編「HEMISPHERES IN BOSTON」に比べると距離感で半歩譲りますが、「1979年と合わせて3枚組にすべきか?」と議論になったほどです。もうひとつ、ラスト「2112」のコーダ手前でフェードアウトしてしまう欠点もあり、プレス3枚組の案は実現しませんでした。残念ながら“DRIVE 'TIL YOU DIE TOUR 1977-1978”は録音自体が少なく、本作を補完できるほどのクオリティのものがなかった(つまり、本作こそがナンバー1録音!!)。3枚組は逃しましたが、こうして1CDでお届けする運びとなったのです。 また、本作はRUSHでも珍しい前座公演。当時はすでにメインアクトとしての成功を手にしていましたが、この「1月12日プロヴィデンス」を筆頭にして「1月13日ユニオンデール」「1月14日ニューヘヴン」の3日間だけは例外的にBLUE OYSTER CULTのオープニングであり、これがRUSH最後の前座コンサートとなりました。当時のRUSHは、歴史上もっとも精力的な時期で、“DRIVE 'TIL YOU DIE TOUR”でも“TOUR OF THE HEMISPHERES”でも約140公演の日程で毎晩1時間半ー2時間のフルセットを演奏していました。本作の収録時間は約50分ほどですが、その50分は全長ライブの切り抜きではなく、全盛のバンド・ポテンシャルを凝縮された50分。そのその集中力と密度たるや、歴史上でも類がない凄まじいパフォーマンスなのです。その密度が意外な形で現れるのが「By-Tor And The Snow Dog」のエンディングで起きる機材トラブル。ゲディ・リーのペダル・ベースが鳴ったまま「Xanadu」に続くはずが、途切れてしまうのです。そのままアレックス・ライフソンとニール・パートの2人だけで「Xanadu」が始まってしまうのですが、ゲディとクルーが大慌てでトラブル解消していたのか、ベースギターでのフォローもない。このままベースペダル抜きの演奏になるかと思いきや、すんでのところでイントロの盛り上がりに間に合うのです。通常であれば、そこで演奏を止めてトラブルを解消するところですが、この日は前座で時間がなく、セットも短くできない大作曲が軸。前座公演だからこその極めて珍しいスリリングなシーンが聴けるのです。SF超大作の大充実期ビッグショウを余すことなく網羅した「HEMISPHERES IN BOSTON」と、その濃度を極限まで圧縮した重力特異点「A FAREWELL TO PROVIDENCE」。いずれも名匠ダン・ランピンスキーの手によるツアーベストの超傑作セットです。ぜひ、併せて存分にお楽しみください!
Live at Civic Center, Providence, Rhode Island, USA 12th January 1978 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND
1. Introduction 2. Bastille Day 3. By-Tor And The Snow Dog 4. Xanadu5. A Farewell To Kings 6. 2112
Geddy Lee - Bass, Keyboards, Vocals Alex Lifeson - Guitars Neil Peart - Drums, Percussion