
生涯最後のワールド・ツアーとなった“A REALITY TOUR 2003-2004”。その終盤からレア曲満載の極上サウンドボード・アルバムが登場です。本作が記録されたのは「2004年5月29日:アトランティック・シティ公演」。ボウイにとって最後の全米ツアー、その最終盤にあたるコンサートでした。本作最大のポイントは衝撃のサウンド・クオリティにあるわけですが、その中身も素晴らしい。それをご説明するためにも、まずはショウのポジション。このツアーは公式作品『A REALITY TOUR』が基準となるわけですが、それも含めてワールド・ツアー全体像の中で確かめてみましょう。
●2003年・8月19日:ウォームアップ・ギグ《9月16日『REALITY』発売》・10月7日-12月20日:欧州#1(35公演)←※公式
●2004年・1月7日-2月7日:北米#1(18公演)・2月14日-3月14日:オセアニア/アジア(13公演)・3月29日-6月5日:北米#2(39公演)←★ココ★・6月11日-6月25日:欧州#2(7公演)《6月25日:動脈瘤により緊急搬送》
これがボウイ最後のワールド・ツアー。公式『A REALITY TOUR』が序盤のヨーロッパだったのに対し、本作は終盤の「北米#2」。時間も場所もまるで対照的なのがご理解頂けると思います。しかも、本作のアトランティック・シティ公演はその「北米#2」の34公演目。生涯で最後から13公演目となるフルショウでもありました。
【ツアー終盤を極上クオリティで伝えるサウンドボード】
そんなショウを記録した本作は、目も覚めるような極上のサウンドボード。近年になって登場したもので、その圧倒的なクオリティに世界中のマニアが騒然。実のところ、オーディエンス録音っぽい生々しい歓声もあるため「IEMsと客録のマトリクスではないか」とも言われておりますが、それにしても絶品。似たコンセプトの『PANIC IN NEW JERSEY』『GET ON WITH THE MUSIC: BUFFALO 2004』『KANSAS CITY 2004』といった傑作もありましたが、本作は群を抜いている。もちろん距離などまるでない直球感も隅々まで光り輝くディテールも圧倒的でありつつ、IEMsにありがちな細さがないのが凄い。骨太な芯も肉厚な鳴りも、艶やかな美しさはオフィシャル級。その美感はミックスにも及ぶ。先ほどから繰り返しているように声援・喝采はオーディエンスっぽい生々しさがあるのですが、1曲1曲が始まるとスッと消えていき、超極上の演奏音がすべてを支配。そのアンサンブルも徹底的に整っていて、ヴォーカルにかかる僅かなエコー処理などもすべてクッキリしていながらラフな感触がない。本作の出自がIEMsにしろ、流出サウンドボードにしろ、その次元ではなくこのまま公式リリースできるレベルなのです。
【公式作と対を成すレア曲満載のショウ】
そのサウンド・クオリティだけで圧倒的な1本なのですが、本作はショウの中身まで素晴らしい。ここで重要なのが先ほど書いた「時間も場所もオフィシャル作と対照的」というポイント。ツアー序盤だった公式『A REALITY TOUR』とはセットがかなり異なり、“A REALITY TOUR”でも格別のレア曲がたっぷりなのです。実際、このツアーは頻繁に曲の入れ替えが行われましたが、本作はその比率が異様に高い。当店では、日本公演や各レッグの傑作群をご紹介してきましたが、1回1回のショウを公式『A REALITY TOUR』と比較してみると、おおよそ3曲-7曲程度の違いに止まる。ところが、ツアー終盤の本作はオフィシャルでは聴けない名曲が実に9曲にも及ぶのです。ツアー終盤ならではの「Station To Station」「Diamond Dogs」「Suffragette City」「Pablo Picasso」は『PANIC IN NEW JERSEY』や『KANSAS CITY 2004』でも聴けましたが、さらに最後の日本公演を彷彿とさせる「Looking For Water」や「Quicksand」、“A REALITY TOUR”でも数回止まりだった「Queen Bitch」「Modern Love」も演奏。極めつけは『HUNKY DORY』の「The Bewlay Brothers」でしょう。初披露は2002年でしたが、それを含めても片手で足りるほどの演奏しかない激レア・ナンバー。そんな美味しい曲だらけのショウをオフィシャル級の極上サウンドボードで楽しめてしまうのです。まさに公式作品『A REALITY TOUR』と対を成す超絶なるサウンドボード・アルバムです。ツアー序盤と終盤、ヨーロッパとアメリカというだけでなく、セットもまるで異なる。公式作と本作を併せることで“A REALITY TOUR 2003-2004”の真の姿が見えてくるのです。もちろん、オフィシャル作品に匹敵する大名盤なのですから同じように永久に楽しめなくてはいけない。
Live at Borgata Event Center, Atlantic City, NJ, USA 29th May 2004 SBD
Disc 1(73:51)
1. Intro 2. Rebel, Rebel 3. Cactus 4. Sister Midnight 5. New Killer Star 6. Looking For Water 7. All The Young Dudes 8. China Girl 9. The Loneliest Guy 10. The Man Who Sold The World 11. Battle For Britain 12. Pablo Picasso 13. Heathen 14. Hallo Spaceboy
15. Band Introduction 16. Under Pressure 17. Reality
Disc 2(68:09)
1. Station To Station 2. The Bewlay Brothers 3. Ashes To Ashes 4. Hang On To Yourself 5. Quicksand 6. Modern Love 7. I'm Afraid Of Americans 8. Heroes 9. Diamond Dogs 10. Queen Bitch 11. Suffragette City 12. Ziggy Stardust
SOUNDBOARD RECORDING
David Bowie - vocals, guitars, stylophone, harmonica Earl Slick - guitar Gerry Leonard - guitar, backing vocals Gail Ann Dorsey - bass guitar, vocals Sterling Campbell - drums Mike Garson - keyboards, piano Catherine Russell - keyboards, percussion, guitar, backing vocals