1965年12月にリリースされたTHE WHOのファースト・アルバム「MY GENERATION」を海外のマニアが、イギリス Brunswickレーベル原盤オリジナルから復刻した奇跡の一枚がコレ。ロック史のエポックとも言える名盤中の名盤。今、聴いても古さを全く感じさせない高品質かつモダンなサウンド・プロダクションは、ストーンズ、ビートルズの更に上を行っていたといっても過言ではない素晴らしさ。この海外マニアのレコード原盤落としディスク化の凄いところは、毎度お馴染みの説明になっていますが、「質的に最良の一枚」「奇跡的コンディションを誇る原盤」を「究極な状態に洗浄・クリーンアップした針パチ皆無なあり得ないサウンド」でCD化している点で、意図的な作為性が全く感じられないのは勿論、「マスターそのもの」と感じざるを得ない鮮度抜群・ミントな音像を楽しめることです。既に、上記のタイトル一群を聴かれた方ならお判りと思いますが、これは単なる「原盤レコード落とし」ではありません。「最良のディスクをハイエンドな機材で再生する」ただそれだけのことですが、ここまで極めた(といっても前述の通り作為性が感じられないのですが)音の再現プロジェクトというのもかつて無かったレベルと言いきってよいのではないでしょうか。このWHOのファーストは内容の良さもさることながら、時代性・歴史性といった観点から見ても非常に魅力的な企画であることは、ロック・ファンならご存知の通りです。つまり、これだけの内容をもったアルバムに関わらず、発売元のBrunswickが1967年に閉鎖されたことと原盤権を持つプロデューサーとのトラブルにより短期間で英国では廃盤となりました。つまり当時2年間程流通しておらず、そのまま「幻の一枚」化され、原盤そのものがマニア間で高値取引されていたという、これだけのビッグバンドの1stにしては珍しい経緯を辿ってきたわけです。ただしジャケ違い、曲順違い、擬似ステレオのUS盤は廃盤にはなりませんでした。1980年に英国でVirginからようやくオリジナルと同じ内容でモノ盤が再発盤されるまで約10年以上世界的に廃盤だったこともあって、当時、意外に聴くチャンスを逃してしまったロック・ファンも多いと聞きます。CD時代になってもLP同様、ジャケ違い、曲順違い、疑似ステレオ盤のUS盤CDしか発売されていなかったのですが、2002年には遂にデラックス・エディションとしてオリジナル・マスターテープからリアルステレオのミキシングが行われ(リアルステレオの発売はこれが初めて。ただし一部楽曲はここでも疑似ステレオ)オリジナルの曲順での(待望の)発売となりました。ただモノ盤はこのときに再発されることがなかったのですが、突如2008年になって日本のレコード会社主導による日本盤でようやくオリジナルフォーマットでのCD化されたという、これだけの名盤でありながら数奇な運命をたどって、ようやくあるべき形に落ち着いたという感のあるアルバムなのです。長年に渡り奇妙なリイシューを重ねてきたTHE WHOのファーストが1965年のリアルな音色で蘇ります。原盤そのままのモノラル・サウンド。屈指の名盤を、最良の音でお楽しみ下さい!
Taken from the original UK Mono LP(Brunswick Record, LAT 8616)(36:05)
1. Out in the Street 2. I Don't Mind 3. The Good's Gone 4. La-La-La-Lies 5. Much Too Much 6. My Generation 7. The Kids Are Alright 8. Please, Please, Please 9. It's Not True 10. I'm a Man 11. A Legal Matter 12. The Ox