大盛況のうちに結成50周年の来日ツアーを終えたYES。その極上オリジナル録音が登場です。そんな本作に収められているのは２公演。「2019年２月19日：Zepp Nagoya公演」と「２月20日：あましんアルカイックホール公演」。両日をフル収録した大傑作オーディエンス録音セットです。まずは、本作の構成を終わったばかりの来日スケジュールで確認してみましょう。
・２月19日：Zepp Nagoya 【本作DISC 1】・２月20日：あましんアルカイックホール【本作DISC 2】ー１日オフー・２月22日：東京ドームシティホール・２月23日：東京ドームシティホール・２月24日：東京ドームシティホール
【西日本を極上サウンドでコンプリートする４枚組】
以上、全５公演。後半は東京で３日連続公演だったわけですが、本作はそれ以外の前半２公演をコンプリートした４枚組なのです。日程的にも美しいですが、内容はさらにコレクタブル。実は、両公演を記録したのは同じ人物で、同一録音家による西日本セットなのです。しかも、クオリティが両公演とも絶品。当店ではお馴染みの名手“西日本最強テーパー”氏による作品で、毎度「まるでサウンドボード」「現場よりも良い音」と絶賛されるスゴ腕が全開なのです。特に圧倒的なのは名古屋公演（ディスク１-２）。いつもながら極太にして艶やかな芯は距離をまったく感じさせず密着感たっぷりで、ディテールも超鮮明。もしこれがネット公開マスターであったなら世界中が「サウンドボードが出てきた！」と沸き立つこと間違いなし。演奏の生々しさにしかオーディエンスらしさを感じない超絶サウンドなのです。そして、大阪公演（ディスク３-４）も凄い。名古屋とは違って会場音響が感じられるオーディエンスらしい録音なのですが、それが悪いわけではない。クリスタル・クリアに透き通った空間に響く音響はYESミュージックの“降り注ぎ感”を倍加させ、実に荘厳。もちろん、サウンドが曇ったり籠もっていたら台無しですが、本作の大阪録音は真逆。高音のヌケが異様に素晴らしく、エッジがギラギラに輝くよう。しかも、安定感もバランスも絶品。高音だけが突き抜けているわけではなく、中音域も手応えタップリですし、重低音はベースのアタックも鋭く、ヴァイヴの波形が目に浮かぶほど克明。ことクリアさに関してはサウンドボード・レベルの名古屋（ディスク１-２）さえも凌駕しており、会場音響が曇りではなく、輝きの方に作用する希有な名録音なのです。
【大名盤『危機』を再現する50周年セット】
そんなサウンドで描かれるのは大代表作『危機』の完全再現を軸に、50年の歴史から美味しい曲を選び抜いたショウ。事前アナウンスでは名古屋・大阪共に「ベスト選曲」とされており、『危機』再現は東京初日だけの予定でした。しかし、フタを空けると名古屋・大阪も『危機』再現ショウ。もっとも歴史に輝く大名盤だけに全曲が代表曲でもあり、「これがベスト選曲」と言われても違和感がないのです。そんなショウは大きく３部構成。名古屋・大阪共に同一セットですので、まとめてご紹介していきましょう。
●第一部：フレッシュなベスト選曲セット（ディスク１／３）
第一部は告知通り、各時代の名曲を散りばめた通常スタイル。その内容が素晴らしく、日本ではほとんど演奏されたことのない「Parallels」からスタート。その後も『時間と言葉』の「Sweet Dreams」、『ラダー』の「Nine Voices (Longwalker)」、『トーマト』の「Madrigal」と珍しい曲が次から次へと繰り出されていく。2012年以来久々の「Yours Is No Disgrace」「We Can Fly」でさえ定番に感じられる濃厚ぶりで、新作なしの再来日にも関わらず、えらくフレッシュなのです。そして、そのラスト「Yours Is No Disgrace」で登場するのが今回のもう１つの目玉、トニー・ケイ。スティーヴ・ハウに紹介されて登場するや会場は盛大な盛り上がり。セット以上に50周年の特別感が吹き出すシーンです。
●第二部：『危機』完全再現（ディスク２／４）
続く第二部は、大名盤『危機』再現ライヴ。曲順までアルバム通りの完全形です。クリス・スクワイア最後の来日となった2014年にも再現してくれましたが、出来は今回の方が凄い。その要は、何と言ってもジェイ・シェレンのドラミング。とにかくパワフルでシャープ。単にタイトなだけでなく、テクニカルなフレージングも巧みで、スピード感もたっぷり。ベースのビリー・シャーウッドの呼吸感も完璧で、近年しばらく「緩くなってきた」と言われていたアンサンブルを見事に引き締めている。その堅固なリズム隊のおかげか、ハウやジェフ・サウンズまでもがキビキビして聞こえる。予告なしの『危機』再現も驚きでしたが、その出来映えこそが本当のサプライズ。それを極上サウンドで味わえるのです。そんな第二部では、アラン・ホワイトも登場。最後の「Siberian Khatru」でスツールに座ります。彼の健在自体が嬉しいのですが、第二部はアルバム再現だけに同じメンバーの統一感で通してもらっても良かったような……。
●アンコール：ゲスト参加の大団円（ディスク２／４）
大名盤の再現でショウは一度幕を閉じ、アンコールは全曲ゲスト参加。３曲が演奏され、これまたレアな「No Opportunity Necessary, No Experience Needed」でスタートし、「Roundabout」「Starship Trooper」を披露する。トニー・ケイは３曲すべてで演奏し、「Roundabout」「Starship Trooper」ではアランも参加します。こうしたお祭り感にゲストはピッタリです。ノリの良い曲の３連発で大いに盛り上がるわけですが、意外な収穫はやはり「No Opportunity Necessary, No Experience Needed」。単に珍しくて新鮮なだけでなく、非常に楽しくアップな曲想がアンコールに最適。なぜこれまでやってこなかったのかが不思議になるほどです。企画的なツアーも回を重ねてきましたが、それでも今まで以上にフレッシュなショウで驚かせてくれたYES。単に珍しい曲をやってもつまらなければ意味がありませんが、幾多の名曲を生み続けてきたYESだからこそ、驚きつつ聴き込んでしまう。そして、さらにグレードアップした大名盤『危機』……。そのすべてを極上サウンドで２公演丸ごと楽しめる大傑作です。50周年の特別感たっぷりな西日本コンプリート・セット。
Zepp Nagoya, Nagoya, Japan 19th February 2019 TRULY PEREFCT SOUND(from Original Masters) Amashin Archaic Hall, Amagasaki, Japan 20th February 2019 PEREFCT SOUND(from Original Masters)
Live at Zepp Nagoya, Nagoya, Japan 19th February 2019
Disc 1 (46:55)
1. The Firebird Suite 2. Parallels 3. Sweet Dreams 4. Fly From Here, Part I: We Can Fly 5. Nine Voices (Longwalker) 6. Clap 7. Madrigal 8. Yours Is No Disgrace
Disc 2 (71:48)
1. Close to the Edge 2. And You and I 3. Siberian Khatru 4. No Opportunity Necessary, No Experience Needed 5. Roundabout 6. Band Introductions 7. Starship Trooper
Live at Amashin Archaic Hall, Amagasaki, Japan 20th February 2019
Disc 3 (47:44)
1. The Firebird Suite 2. Parallels 3. Sweet Dreams 4. Fly From Here, Part I: We Can Fly 5. Nine Voices (Longwalker) 6. Clap 7. Madrigal 8. Yours Is No Disgrace
Disc 4 (72:43)
1. Close to the Edge 2. And You and I 3. Siberian Khatru 4. No Opportunity Necessary, No Experience Needed 5. Roundabout 6. Band Introductions 7. Starship Trooper
Steve Howe - guitar, vocals Alan White - drums Geoff Downes - keyboards, vocals Jon Davison - vocals, acoustic guitar, percussion Billy Sherwood - bass, vocals Jay Schellen - drums Tony Kaye - keyboards (Special Guest)
