結成50周年を祝う来日公演も無事完了したYES。その中でも最大の注目を集めたハイライト公演のオリジナル録音が登場です。そのハイライト公演とは、ワールドツアー千秋楽でもあった「2019年２月24日：東京ドームシティホール」公演。その傑作オーディエンス録音です。東京ドームシティホールでは３日間連続だったわけですが、なぜこの日がハイライトなのか。それはセットリストにあります。今回はYESの来日史でも初となる大胆な日替わりセットでした。当初の告知と実際には違いもありましたので、まずは各日のコンセプトを確認してみましょう。
・２月19日（名古屋）：『危機』完全再現・２月20日（尼崎）：『危機』完全再現・２月22日（東京）：『危機』完全再現・２月23日（東京）：ベスト選曲セット ・２月24日（東京）：『サード・アルバム』完全再現 ←★本作★
以上、全５公演。前半３公演は『危機』完全再現を軸とした同一セットでしたが、残り２公演は日替わり。特に最終日は日本初となる『サード・アルバム』完全再現が実現したのです。しかも、これは世界的にも激レア。『危機』再現は日本公演直前の船上ライヴでも行っていましたが、『サード・アルバム』は2014年以来のこと。５年ぶりに、この日１回だけ特別に行われたのです。もちろん、ビリー・シャーウッド＆ジェイ・シェレンになってからも初ですし、さらにオリジネイター：トニー・ケイまで参加しているのです。もはや聴けるだけでもありがたい激レア・ショウなわけですが、本作のクオリティはそれどころではない極上レベルの大傑作。録音家本人から譲られた本作だけのオリジナル・マスターなのですが、とにかく空気感はクリアに透き通り、芯はオンで手触りレベル、そして鳴りはどこまでも端正。さらに安定感まで絶品と来ている。ヘッドフォンで耳を澄ませば会場音響も感じられはしますが、それさえも距離感や濁りにならない。今回一番の注目ショウだけに１人でも多くの方に触れていただきたくギフトでご紹介しておりますが、ちょっと早まったかな……と迷いが浮かんでしまうほど絶品サウンドのライヴアルバムなのです。そんなサウンドで描かれるショウは50周年ツアー全体でも特別中の特別。ショウは他公演と同じく「２部構成+アンコール」で、第一部ヒストリカルな通常セット、第二部が『サード・アルバム』再現。3rdはライヴの定番曲ぞろいではありますが、それでも「A Venture」のレア度には目眩がする。ここで今回の来日公演を総括する意味でも、全公演の演奏曲を整理しておきましょう。
●全５公演共通 「Sweet Dreams」「Clap」「Close to the Edge」「Parallels」「Madrigal」「Nine Voices (Longwalker)」「We Can Fly」★トニー・ケイ参加 「No Opportunity Necessary, No Experience Needed」「Yours Is No Disgrace」
★トニー・ケイ＆アラン・ホワイト参加 「Starship Trooper」「Roundabout」●名古屋・大阪・東京初日のみ「And You and I」「Siberian Khatru（アラン・ホワイト参加）」●東京２日目のみ「Soon」「Does It Really Happen?」
●東京２-３日目のみ「Heart of the Sunrise」「Perpetual Change」●東京３日目のみ「I’ve Seen All Good People」「A Venture」……と、このようになっています。「A Venture」のレア度が際立っていますが、それ以上に『サード・アルバム』丸ごとが重要。しかも、その第二部はスタートからしてグッと来る。スティーヴ・ハウが「YESのオリジナル・キーボード！」のコールでトニー・ケイが登場し、「Yours Is No Disgrace」がスタートする。このままトニーが出ずっぱりで再現されるかとも思いましたが、さすがにそれはなく他公演と同じ２曲のみでした。そして、演奏も素晴らしい。１回だけなので鉄壁レベルまでは望めませんが、ほとんどの曲がライヴの大定番だけに不慣れ感もない。『危機』再現でも活躍していたシェレンのドラミングはここでも素晴らしく、ワールドツアーのハイライト公演に相応しい熱演をたっぷりと聴かせてくれるのです。今回の来日公演に限らず、全世界で１回限りだった「2019年のサード・アルバム」。その一期一会の夜を極上サウンドで真空パックした大傑作です。
Live at Tokyo Dome City Hall, Tokyo, Japan 24th February 2019 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (60:30)
1. The Firebird Suite 2. Close to the Edge 3. Nine Voices (Longwalker) 4. Parallels 5. Madrigal 6. Fly From Here, Part I: We Can Fly 7. Sweet Dreams 8. Heart of the Sunrise
Disc 2 (67:27)
1. Intro. 2. Yours Is No Disgrace 3. Clap 4. Starship Trooper 5. I've Seen All Good People 6. A Venture 7. Perpetual Change 8. No Opportunity Necessary, No Experience Needed 9. Band Introductions 10. Roundabout
Steve Howe - guitar, vocals Alan White - drums Geoff Downes - keyboards, vocals Jon Davison - vocals, acoustic guitar, percussion Billy Sherwood - bass, vocals Jay Schellen - drums Tony Kaye - keyboards (Special Guest)
