元DEEP PURPLE2人によるデュエットHRプロジェクト、HUGHES TURNER PROJECT(以後、HTP)。その極上フル・ライヴアルバムが登場です。そんな本作に収められているのは「2002年5月13日:大阪BIGCAT」公演。その大傑作オーディエンス録音です。HTPのライヴアルバムと言えば、オフィシャル作品『LIVE IN TOKYO』が思い浮かぶわけですが、あのライヴアルバムと同じツアーの別公演です。まずは、そのショウのポジションを当時の日程で確認してみましょう。
・5月11日:福岡Drum LOGOS・5月12日:広島CLUB QUATTRO・5月13日:大阪BIGCAT ←★ココ★・5月15日:名古屋BOTTOM LINE・5月16日:長野CLUB JUNK BOX・5月17日:渋谷CLUB QUATTRO・5月18日:渋谷CLUB QUATTRO
以上、全7公演。そもそも2000年に行われたジョー・リン・ターナーのソロ来日にグレン・ヒューズが同行した事がHTP結成の端緒となったわけですが、その時はわずか4公演。話題の新プロジェクトにグッと公演数も増えての再来日だったわけです。そんなショウを記録した本作は、まさに絶品のオーディエンス録音。90年代末から2000年代初頭の大阪で活躍した名手のコレクションで、RAINBOWの超傑作タイトル『OSAKA 1995 1ST NIGHT』を筆頭に、その傑作群は枚挙に暇がありません。しかし、本作をご紹介する上で避けて通れないのがJOE LYNN TURNER with GLENN HUGHESの名作『OSAKA 2000』でしょう。そう、本作はあの大傑作と同録音家による姉妹作であり、文字どおりの続編なのです。実際、本作のサウンドは『OSAKA 2000』にも酷似。とにかく狭いクラブ規模の密室感が圧倒的で、その空気感もクリスタル・クリア。そのド真ん中を貫いてくる芯も極太ならディテールも超鮮明。相変わらずギターの線が細いのはプレイヤーの個性なので仕方ないところですが、それを忘れさせてくれるのが素晴らしすぎるヴォーカル。ソウルフルな歌声が絡みながらも綺麗に分離しており、どんなに声が被っても機微までクッキリ。単に鮮やかなだけでなく、伸びに伸びる歌声の消えゆく刹那まで美しく、絶叫レベルのシャウトでも微塵もビビらない安定感も見事。2000年よりも現場ミックスのバランスも良く、まさに対等のコンビネーション。歌い上げで醸し出される高揚感がハンパじゃなく、オフィシャル盤『LIVE IN TOKYO』よりも美しく感じられるほどです。そして、何よりフルショウ完全収録が嬉しい。オフィシャル盤はCD1枚に押し込むためかカットされていましたが、本作は一気貫通のフル録音。公式盤では聴けない「Challenge Them All」やアンコールの「Burn」「Highway Star」もたっぷり楽しめるのです。DEEP PURPLEの名曲に注目が集まりそうですが、実は「Challenge Them All」ももの凄く美味しい。ビールのCMソングだけに日本でしか歌っていないと思いますが、ここで聴かせるグレンのコーラスワークが絶品。もちろん、メインはジョーでデュエットとまではいきませんが、あの存在感の強い声と絡むとメロディの高揚感が数倍増。元DEEP PURPLEという経歴だけでなく、音楽的にも2人の相性がバツグンだったと分かる素晴らしいテイクです。DEEP PURPLEが生み出した“デュエットHR”スタイルを進化、アップデートさせていたHTP。第3期・第4期PURPLEと同じくアルバム3枚で終わってしまいました(3枚目の『MADE IN MOSCOW』も当店で取り扱っております)が、ライヴアルバムはさらに貴重。そのフルショウを極上サウンドで堪能できる大傑作。
Live at BIGCAT, Osaka, Japan 13th May 2002 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1(55:12)
1. Intro 2. Devil's Road 3. Can't Stop Rock 'n Roll 4. Death Alley Driver 5. I Surrender 6. Stormbringer 7. Challenge Them All 8. Dark Days 9. Mistreated 10. No Stranger To Love
Disc 2(52:46)
1. Can't Stop the Flood 2. Better Man 3. Ride the Storm 4. King of Dreams 5. Street of Dreams 6. Spotlight Kid 7. Burn 8. Highway Star