
約2年のブランクを超えてロードに戻ってきた1984年のQUEEN。その再始動間もない母国ショウを伝える傑作ライヴアルバムが登場です。そんな本作に収められているのは「1984年9月8日ウェンブリー公演」。“LIVE AID”のウェンブリー・スタジアム……ではなく、そのすぐ側にあるウェンブリー・アリーナでのライヴアルバムです。ちなみに、QUEENがウェンブリー・スタジアムに立ったのは“LIVE AID”+“MAGIC TOUR”の2公演の計3回。一方、ウェンブリー・アリーナでは10回ショウを行っており、特に“THE WORKS TOUR”では4連続公演。本作はその最後の一夜となります。そんなショウは、ワールドツアーでどんなポジションだったのか。いつものように全景から確認してみましょう。
●1984年《2月27日『THE WORKS』発売》・8月24日-9月30日:欧州(23公演)←★ココ★・10月5日-20日:南アフリカ(9公演)●1985年・1月11日+18日:ROCK IN RIO(2公演)・4月13日-29日:オセアニア(9公演)・5月8日-15日:日本(5公演)・7月13日:LIVE AID
これが“THE WORKS TOUR 1984-1985”の全体像。本作のウェンブリー公演は、その10公演目にしてUKツアーの最終公演。つまり、母国イギリスのファンにとっては、あの“LIVE AID”の1つ前にあたるコンサートでもありました。このショウは以前から録音が知られており、特に2006年には素晴らしいマスターが発掘。当店でも『TRUST IN ONE ANOTHER(の一部)』として好評を博しました。本作は、あの名作のアップグレード盤でもある。実は同じ録音でありつつ、さらに長くサウンドも良い新発掘マスターなのです。わずかですが、カットポイントで既発にはないパートが記録されており、終演後も30秒ほど長い。しかし、それはあくまで新マスターの証拠にすぎない。肝心なのは全体を貫くサウンド。とにかく瑞々しく、クリアなサウンドが絶品。ウェンブリー・アリーナはスタジアムと違って屋内会場(代々木第一体育館くらいの規模です)なのでホール鳴りもあるわけですが、それが透き通っていて演奏が真っ直ぐ届く。QUEEN特有のコーラスが雄々しくもぶ厚く感じられるものの、骨太な演奏音がそのド真ん中をズバッと貫いてくる。特に大ボリュームにすると芯の極太感が絶大で、それに伴って機微までハッキリと綺麗に伝わってくるのです。しかも、本作はそんな新マスターをさらに細心マスタリング。狂っていたピッチを正常に整えたのは当然としてサウンドも補正。もちろん無闇矢鱈な音圧稼ぎではなく、自然で端正な原音の味わいを大切にしつつ、各音域ごとに鳴りを整理。クリアさと鮮やかさをグッと引き上げ、原音の持っていた可能性を最大限に引き出しました。そんなサウンドで描かれるのは、母国のファンに帰還を告げる熱演。“THE WORKS TOUR”は後半行くほど疲れが溜まっていくような印象ですが、この英国ツアーはまだまだ序盤で疲れがどうこうと言うより、どんどんエンジンがかかってきた感じ。フレディの歌声も力強く、好調にかっ飛ばすショウが楽しめるのです。そして、序盤ならではのセットも美味しい。“THE WORKS TOUR”は初期曲の復活も特徴でしたが、本作ではツアー最終盤の日本公演ではやっていない「Staying Power」「Stone Cold Crazy」「Great King Rat」も演奏。さらに集大成感が強いのです。どれも「欧州」レッグまでの曲でその後の復活はなかったわけですが、特に「Staying Power」は貴重。これがラスト・パフォーマンスではないものの、ほぼそれに近く、スパイク・エドニー入りのアンサンブルも「Dragon Attack」に雪崩れ込むアレンジもこの時期ならではです。また、ちょっと面白いのが「Love Of My Life」前のMC。ブライアンが12弦をつま弾きながら「この曲をすべての子ども達に捧げたい。実は、今夜はロジャーの息子が来ているんだ。彼の初めてのコンサートでね。彼はきっとドラマーになるよ」と語る。ドラマーになる息子……おぉ、ルーファスか。と思いきや、実はフェリックス・テイラーの方。1984年にはまだルーファスは産まれておらず、フェリックスは4歳だった。ブライアンの予言は微妙に外れてしまったわけです。新発掘マスターで甦った1984年の名録音。2年ぶりにロードに戻り、英国から再び世界へ飛び出そうとしているQUEENを真空パックしたライヴアルバムの大傑作です。★カットポイントで既発より少し長く収録されており、特に終演後が30秒程度長く収録されています。
Live at Wembley Arena, London, UK 8th September 1984 TRULY AMAZING SOUND(UPGRADE)
Disc 1 (44:21)
1. Machines Intro 2. Tear It Up 3. Tie Your Mother Down 4. Under Pressure 5. Somebody To Love Intro. 6. Somebody To Love 7. Killer Queen 8. Seven Seas Of Rhye 9. Keep Yourself Alive 10. Liar 11. Improvisation 12. It's A Hard Life 13. Staying Power
14. Dragon Attack 15. Now I'm Here
Disc 2 (64:49)
1. Is This The World We Created? 2. Love Of My Life 3. Stone Cold Crazy 4. Great King Rat 5. Keyboard Solo 6. Guitar Solo 7. Brighton Rock Finale 8. Another One Bites The Dust 9. Hammer To Fall 10. Crazy Little Thing Called Love 11. Saturday's Allright For Fighting
12. Bohemian Rhapsody 13. Radio Ga Ga 14. I Want To Break Free 15. Jailhouse Rock 16. We Will Rock You 17. We Are The Champions 18. God Save The Queen