
来日がキャンセルとなったオジー・オズボーンに代わり、日本へ再降臨した我らが鋼鉄神JUDAS PRIEST。その最新オリジナル録音が早くも登場です。そんな本作に刻まれているのは、もちろん「2019年3月21日:幕張メッセ」公演。わずか5日前に行われたばかりのDOWNLOAD JAPANの大トリを務めた際の傑作オーディエンス録音です。つい4ヶ月前に“FIREPOWER JAPAN TOUR”を完遂したばかりでしたが、オジーがインフルエンザと気管支炎の合併症のために入院。来日不能となったところで代わって緊急再来日となりました。まさに漢を上げての再訪となったわけですが、ショウ自体も素晴らしく、先の単独来日を見逃したメタルヘッド達にも「今のプリーストはこんなに凄いのか!」と、方々で大絶賛の嵐が巻き起こっています。
【超・密着感のド級サウンド】
本作は、そんなショウを記録した最新のライヴアルバム。録音家本人から譲られたオリジナル録音なのですが、とにかく凄い!何よりも素晴らしいのはオンで力強い芯。密着感全開で寸部のスキもない。距離がまるで感じられず、PAに耳をくっつけて(いたら一発で鼓膜が破れますが)いるかのよう。幕張メッセの巨大な空間で録音されたというのが信じられません。しかも、生々しい。精緻にトリートメントされた公式ライヴ盤と言うよりは、卓直結サウンドボードやIEMsのような生々しさ。ギター・リフの一発一発がギラギラとしていて、ドラムもベースもゴリッゴリ。そしてもちろん、ロブのヴォーカルも超・密着で「本当は録音じゃないのか?」とさえ言われた超絶好調ヴォイスが耳元で楽しめる(ちなみに、自在に遊びを入れるヴォーカリゼイションが録音のはずがありません。しかし、そう言いたくなるのも分かる凄まじい声です)。5人が脳内で演奏していると言いますか、頭全体がPAシステムの一部になったような猛烈な没入感に襲われるのです。
【奇跡の激レア・ショウ】
そんな超ダイレクト・サウンドで描かれるのは、ただ今絶賛真っ最中の重金属パラダイス。最新ツアーから4ヶ月の再来日だけに同じようなショウになるかと予想されていたものの、フタを空けてビックリ。レア曲に次ぐレア曲の猛攻!序曲を除き全19曲が披露されたわけですが、そのうち8曲が入れ替えという大盤振る舞いだったのです。しかも、その中身が美味しすぎる。そもそも、“FIREPOWER WORLD TOUR”はレア曲の復活が世界中で話題となってきたわけですが、各レッグで入れ替えもされていた。今回の来日では、その入れ替え分を一挙にぶちまけたのです。4ヶ月前と比較し、入れ替え分を整理してみましょう。
《外された曲》●比較的定番の曲 Grinder、Desert Plains、The Green Manalishi、Freewheel Burning、You've Got Another Thing Comin’、Metal Gods●レアな復活曲/新曲 Running Wild 、Night Comes Down、Lightning Strike(新曲)
《入れ替えで演奏された曲》●比較的定番の曲 Devil's Child、Rapid Fire ●レアな復活曲/新曲 Delivering the Goods、Bloodstone、Saints in Hell、Killing Machine、Some Heads Are Gonna Roll、Evil Never Dies(新曲) ……と、このようになっています。比較的定番な曲を思いっきり削り、世界各地に散らされてきたレア曲がたっぷり。その猛攻ぶりがご理解いただけるのではないでしょうか。 特に凄いのは「Delivering the Goods」「Saints in Hell」「Killing Machine」の3曲。「Delivering the Goods」は昨年38年ぶりに復活した曲ですし、「Saints in Hell」も昨年史上初めてライヴ演奏されたびっくり曲。「Killing Machine」も41年ぶりの復活なのですが、70年代には1回分しか音の記録がなく、本作を入れても3公演目という激レア曲。もちろん、これらが一同に会したのは世界広と言えどもDOWNLOAD JAPANだけ。50年に及ぶPRIEST史でも一夜だけの奇跡なのです。
【簡単コンプリートできる姉妹作】
もちろん無論、本作1本だけでも超貴重盤になるわけですが、前回の来日と合わせると“FIREPOWER WORLD TOUR”のほぼ全曲が聴ける(例外は3曲「Tyrant」「Victim of Changes」「Angel」のみ。「Tyrant」は欲しかった!)。そこで再びご紹介しておきたいのが、昨年大好評を賜った傑作『MUSASHINO FOREST ARENA 2018(Shades 997)』。当店では、昨年11月のツアーから5本ものライヴアルバムをお届けしましたが、『MUSASHINO FOREST ARENA 2018』は、その中でも本作の姉妹作となる逸品。実は、同じ録音家コレクションによる作品なのです。しかも、今回は叶わなかったグレン・ティプトンの登場も記録され、西日本では演奏されなかった「Metal Gods」も入っている。本作と『MUSASHINO FOREST ARENA 2018』の2本だけで、2回の来日で演奏されたすべての曲が押さえられるのです。※注:日本では演奏されなかった「Tyrant」「Victim of Changes」は『BLOODSTOCK OPEN AIR 2018』で、「Angel」は『DARIEN 2018』のボーナス・トラックでお楽しみ頂けます。オジーの病により、予期せず実現した鋼鉄神の再降臨。その経緯だけでもドラマティックでしたが、実際に繰り広げられたショウは奇跡の中の奇跡だった。激レア曲満載にして、録音とカン違いされるほどの絶唱。その一部始終を猛烈ダイレクトな極上サウンドで描く、世界に誇る大傑作ライヴアルバム。
Disc 1 (46:39)
1. Intro (War Pigs) 2. Firepower Intro 3. Firepower 4. Delivering the Goods 5. Sinner 6. The Ripper 7. Evil Never Dies 8. Bloodstone 9. Saints in Hell 10. No Surrender 11. Turbo Lover
Disc 2 (52:22)
1. Yeah Yeah Yeah 2. Devil's Child 3. Killing Machine 4. Some Heads Are Gonna Roll 5. Guardians 6. Rising From Ruins 7. Rapid Fire 8. Hell Bent for Leather 9. Painkiller 10. The Hellion 11. Electric Eye 12. Breaking the Law 13. Living After Midnight 14. Outro.
Rob Halford - Vocals Richie Faulkner - Guitar Andy Sneap - Guitar Ian Hill - Bass Scott Travis - Drums