いよいよ伝記映画『ザ・ダート: モトリー・クルー自伝』の公開が迫り、久々の新曲「The Dirt (Est. 1981)」や「Like A Virgin」のカバーも話題を振りまいているMOTLEY CRUE。そんな今週は彼らが一大全盛に向けてフルスロットルで突っ走っていた1986年の超・極上ライヴアルバムも登場します!本作に収められているのは「1986年2月13日シェフィールド公演」。そう『WELCOME TO THE THEATRE OF PAIN』がアップグレードした超傑作です。本作最大のポイントは奇跡のような極上サウンドにあるわけですが、まずはショウのポジション。全世界を揺るがした“THEATRE OF PAIN TOUR 1985/1986”の全体像から確認してみましょう。
●1985年《6月21日『THEATRE OF PAIN』》・7月7日-15日:初来日(7公演)・7月31日-12月21日:北米(92公演)●1986年・1月22日-2月3日:欧州#1(10公演)・2月6日-15日:英国(9公演)←★ココ★・2月19日-3月3日:欧州#2(10公演)《11月『GIRLS, GIRLS, GIRLS』製作開始》
これが1985年/1986年のMOTLEY CRUE。ツアーは伝説の初来日からスタートし、全127公演で地球を席巻しました。本作はその終盤の「英国」レッグ。彼らは1984年に初渡英を果たしていましたが、その際はMONSTERS OF ROCKを含むお披露目的な2公演だけ。それに対し、“THEATRE OF PAIN TOUR”では全9公演の大規模ツアーが実現。あのCHEAP TRICKを前座に従えただけでも驚きですが、現在に至るまで超えるもののないMOTLEY CRUE史上最大の英国ツアー。本作のシェフィールド公演は、そんな「英国」の7公演目にあたるコンサートでした。そんなショウを記録した本作は、まさに奇跡の名録音。モノにしたのは、かの名匠“Crazy S.”氏。80年代を通して名盤・名録音を多数残した人物ですが、彼が本当に神懸かっていた最盛期は1986年にトドメを刺す。この時期は機材やテクニックだけでは説明の付かない異様な録音が多く、アクセプトの『WAR COMMANDER』やトィステッド・シスターの『COME OUT AND PLAY IN NOTTINGHAM 』、オジー・オズボーンの『MONSTERS OF ROCK』、マリリオンの『WELCOME TO THE GARDEN PARTY: MILTON KEYNES 1986』、クイーンの『DEFINITIVE KNEBWORTH 1986』、アイアン・メイデンの『CAUGHT SOMEWHERE IN LEICESTER 』等々、屋内・屋外問わず幾多の歴史的名録音が残されました。本作もまた、そんな超名録音の1つ。『WELCOME TO THE THEATRE OF PAIN』として紹介されるやあまりの高音質に世界中のマニアが騒然。MOTLEY CRUEオーディエンスの基準そのものをグイッと引き上げてしまいました。“Crazy S.”氏のオリジナル・カセットから最新機材で改めてデジタル化し直したもの。至高の録音の最高峰を更新してしまった超極上盤なのです。実際、そのサウンドは圧倒的。既発盤も世界を驚かせる超クリアサウンドでしたが、本作はさらに鮮やか。会場音響よりも芯がグイグイと迫り、まるで録音ポジションそのものが3・4列ほど前になったようなダイレクト感に生まれ変わっている。名録音なのは分かっていましたが、まさか大元カセットにはここまでの音が記録されていたとは……。改めて奇跡の凄味を突きつけられるアップグレードぶりなのです。その更新サウンドで描かれるのは、HRの本場イギリス侵攻に燃えるMOTLEY CRUEの熱演。セットは2大名盤『SHOUT AT THE DEVIL』『THEATRE OF PAIN』を濃縮還元した特濃モノ。「Live Wire」やエルヴィスのカバー「Jailhouse Rock」も演奏されはしますが、残りは2枚から綺麗に6曲ずつセレクトされている。「Red Hot」「Louder Than Hell」も『LIVE: ENTERTAINMENT OR DEATH』でも聴けないわけですが、さらに「Use It Or Lose It」「Fight For Your Rights」「Keep Your Eye On The Money」に至っては、このツアーでしか演奏していない。カセット録音の宿命であるテープ・チェンジもドラムソロの合間なので違和感なく、貴重ナンバーも含めたフルステージをサウンドボード裸足な奇跡クオリティで一気体験できるのです。ただでさえ公式に全盛期のフルライヴ盤を残していないMOTLEY CRUE。しかも、本作は世界制覇に燃えるロックが渦巻く灼熱盤です。
Live at City Hall, Sheffield, UK 13th February 1986 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND(from Original Masters) (78:23)
1. In The Beginning 2. Looks That Kill 3. Use It Or Lose It 4. Shout At The Devil 5. Ten Seconds Till Love 6. Fight For Your Rights 7. Home Sweet Home 8. Red Hot 9. Guitar Solo 10. Keep Your Eye On The Money 11. Louder Than Hell 12. Drum Solo
13. Too Young To Fall In Love 14. Live Wire 15. Smokin' In The Boys Room 16. Helter Skelter 17. Jailhouse Rock
Vince Neil - Vocals Mick Mars - Guitar Nikki Sixx - Bass Tommy Lee - Drums