マイルス、1975年全米ツアーにおける7月1日ニューヨークのエイブリー・フィシャー・ホールでのライブを、ベスト・クオリティー、オーディエンス・レコーディングで収録したタイトルが2CDにて。1975年2月の伝説の来日公演後であり、一時引退する2ヶ月前となる7月1日ニューヨーク、エイヴリー・フィッシャー・ホールでのアーリー・ショーとレイト・ショーを、いずれもテーパー所有のオープン・リール・マスターから、ハイクオリティー・オーディエンス・レコーディングにて2ショー共にコンプリート収録。まず特筆すべきは、70年代半ばのオーディエンス録音としては驚異的な音質で、しかも音の悪さでは定評の当ホールで、これだけバランスも良くヒス・ノイズなども無いのも奇跡的。そして聞きどころも多数で、まず当時の新曲が2曲披露されており、そのうち両方のショーのラスト・ナンバーとしてプレイされている、ピート・コージー作の“Mother Dearest Mother“は、マイルスはすでに不在の中、マイケル・ヘンダーソンがテーマを弾き、その後コージーやエムトゥーメがライブの締めとしてフリー&ノイジーなサウンドでエンドというナンバーで、スタジオ・アウトテイク以外、ライブ音源としてはここだけの収録。さらにもうひとつの新曲“Untitled Latin“も、スタジオ・ヴァージョンは確認されているものの、ライブ音源はほとんど未確認。しかも“Maiysha“や“Calypso Frelimo“の流れを汲むシンプルなナンバーながら、引退直前のマイルスが今後はラテン的な方向に向っていたことをほのめかすような展開を披露。他にもソニー・フォーチュンが抜けてサム・モリソンが加わった短期間のメンバー編成によるライブであったり、9月の引退ライブ直前でもある貴重な2ステージを、最高のクオリティーでここに。
(Disc One : Early Show) 1. Tune Up 2. Turnaroundphrase 3. Tune In 5 4. Maiysha 5. Mother Dearest Mother (Disc Two : Late Show) 1. Right Off 2. Mtume 3. Untitled Latin 4. Ife 5. Mother Dearest Mother
[Recorded at Avery Fisher Hall , NYC, USA July 1st 1975] Miles Davis(tp,org) Sam Morrison(ss,as,fl) Pete Cosey(elg,synth,per,ds) Reggie Lucas(elg) Michael Henderson(elb) Al Foster(ds) Mtume(per)