お待たせしました!5公演の全日程を終え、大盛況のうちに幕を閉じたエリック・クラプトンのジャパン・ツアー2019。その伝説ともなった衝撃の初日公演の極上音源をリリース致します!超速リリースで喜んでいただいた「Budokan 2019 Day 1」「Budokan 2019 Day 1: New Masters」も高音質でしたが、是非とも別格の超高音質盤をリリースしたいと考えておりました。そこで先日ネットにアップロードされた本盤のマスターですが、流石SchoepsMK4マイク録音と唸らされる最高音質。そしてさらなる高みを目指し、当店ならではのリマスター処理を施し、やり過ぎにならないギリギリまで音の抜けを良くしました。断言します。初日の音源では本盤がナンバーワンです!さて、なぜこの初日公演が衝撃をもたらしたのか、既にご存知のファンは多いと思いますが、改めて記すことに致しましょう。それはセットリストにありました。近年のクラプトンはセットリストを大いじりすることもなく、「またまたお気に入りのJ.J.ケイルの未発表ナンバーSomebody's Knockingでゆったり始めるんだろうな」との大方の予想を見事に裏切り、89年のアルバム「JOURNEYMAN」のトップを飾ったPretendingでハードにスタートしました。この日は「何かが違う」と予感させるものでした。それが実際に叶ったのが3曲目、89年以来30年間プレイしていなかった隠れた名曲(アルバム「AUGUST」のアウトテイク)Wanna Make Love to Youだったのです。オリジナル・バージョンとはイントロがアレンジされており、余程のマニアでも曲名が思い浮かばなかったほど。この曲でクラプトンが聴かせたソロは哀愁を含む歌心に満ちたものでした。苦悩の叫びを上げるように唸るスモーキーグリーンフィニッシュのニューカスタムストラト。長年のファンをも十分驚かせるに足る選曲でした。そしてクラプトンのライブステージでは前半の聴きものとして定評を得ているI Shot The Sheriff。後奏のソロ序盤では老いから来るミストーンも奏でてしまうクラプトンでしたが、そこから自らを往年のレベルへと引き上げようとする涙ぐましい苦闘ぶりを見せます。かつての自分に戻るように、一音一音確かめるように丁寧にソロを組み立てていく、アグレッシヴなクラプトンがそこにいました。老いてもなお偉大なクラプトンの姿がそこにあったのです。そして大歓声の中、ステージはアコースティックセットへ。しっとりと、素晴らしいマーティンの音色を響かせた後にステージは再びスタンディングセットへと移行します。ここでクラプトンが場内を興奮の坩堝に叩き込んだのが、日本では10年ぶりとなった「エレクトリック」Laylaでした。近年は体調も優れない中、アコースティック・セットでの「アンプラグド」Laylaばかりを演奏してきたクラプトンでしたが、エネルギーの消費量がそれとは格段に違うオリジナル・バージョンをシッティング・セット明けにぶちかましてくれたのです。この時の場内の興奮は、本盤でもリアルに捉えられています。物凄い歓声でした。実は、この意外なスポットでの意外なナンバーの登場には、後に明かされた裏話があったのです。ツアースタッフから流出した初日のセットリストシートには、何とLaylaはメイン(レギュラー)セットのフィナーレに記されていました。アコースティックセット明けのエレクトリックナンバーは、シート上ではBadgeでした。つまり久々のエレクトリックLaylaを演奏するにあたり、入れ込んで興奮したクラプトンがつい曲順を間違ってしまい、最後に演奏すべきLaylaをここでやってしまったというのが真相なのです。それでイントロの7音フレーズを3回も繰り返し、ドイルの方を向いて満面の笑みを湛えていたのは「おい、曲順間違っちゃったよ。付いてきてくれよ。」ということだったのです。何と言うハプニングでしょう!クラプトンが興奮して曲順を間違えるなんて。これがこの日のハイライトであったことは間違いありませんが、ここからもクラプトンは絶好調で突っ走りました。Crossroadsも最高、バンドメンバーのソロ回しも楽しめたLittle Queen of Spadesも最高!そしてBefore You Accuse Meは、セットリストシートにもなかった、完全なるサプライズ・プレゼント曲だったというわけです(バンドは驚いたことでしょうね)。初日が「特別」だったのは、このことも要因の一つでした。さて、アンコールは何か?とオーディエンスが期待する中、クラプトンと共に現われたのは、まさにこの2日前に武道館公演を終えたばかりの若手ギタリストのホープ、ジョン・メイヤーでした。興奮の坩堝と化す場内。当然アリーナ席は総立ち。ここで選ばれたのは、メイヤーがペンタトニックスケールで弾きやすいCocaineでした。恐らくクラプトンはメイヤーの飛入りを開演前から知っていて、メイヤーの飛入り用にこの曲を温存していたと見るべきでしょう。当然セカンド・ソロは当然メイヤーに振られ、彼は心憎いばかりのフレーズでロングソロを決めました。クラプトンのソロ以上の長さという特別待遇でした。2日目公演以降のアンコールが、従来どおりのポール・キャラックをフィーチャーしたHigh Time We Wentだったことから、やはり初日は「特別」だったのです。
Live at Budokan, Tokyo, Japan 13th April 2019 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND
Disc 1 (52:53)
1. Intro 2. Pretending 3. Key to the Highway 4. Wanna Make Love to You 5. I'm Your Hoochie Coochie Man 6. I Shot the Sheriff 7. Driftin' Blues 8. Running on Faith 9. Nobody Knows You When You're Down and Out 10. Tears in Heaven
Disc 2 (52:00)
1. Layla 2. Badge 3. Wonderful Tonight 4. Crossroads 5. Little Queen of Spades 6. Before You Accuse Me 7. Cocaine (with John Mayer)
Eric Clapton - guitar, vocals Doyle Bramhall ? - guitar, vocals Chris Stainton - piano, keyboards Paul Carrack - organ, keyboards, vocals Nathan East - bass Sonny Emory - drums Sharon White - backing vocals Katy Kissoon - backing vocal