３年ぶりの来日公演まで１ヶ月を切ったTEDESCHI TRUCKS BAND。その期待がさらに膨らみ、来る日本公演を占うような最新オリジナル録音が登場です。そんな本作に収められているのは「2019年４月26日＋27日ロンドン公演」。名会場“ロンドン・パラディウム”で行われた連続２公演を丸ごと完全収録したオーディエンス・セットです。今年は３年ぶりの新作『SIGNS』の発売もあり、例年以上に活動も活発。まずは、そんな彼らのスケジュールからショウのポジションを確かめてみましょう。
・１月17日-２月２日：北米#1（13公演）《２月15日『SIGNS』発売》・２月15日-３月２日：北米#2（10公演）・４月２日-27日：欧州（17公演）←★ココ★・５月10日-25日：北米#3（11公演）・６月11日-16日：日本（５公演）・６月28日-８月22日：北米#4（26公演）
・９月27日-10月５日：ニューヨーク（６公演）・11月６日-16日：北米#5（７公演）これが現在までに公表されているスケジュール。主戦場の北米を重点的にサーキットしつつ、４月のヨーロッパ、６月の日本を差し込むスタイル。現在は「北米#3」の真っ最中で、その後に日本にやってきます。本作のロンドン公演は、その直前となる「欧州」レッグ最後の２日間。2019年の英国ギグはこの２公演だけであり、本作はその一部始終を完全収録した２枚組フル録音をセットした４枚組です。そんな本作は、クオリティも絶品な大傑作オーディエンス録音。両公演とも同じ録音家から直接譲られた本作だけのオリジナル・マスターでして、その録音家こそが当店で“英国の巨匠”でお馴染みの名手。DAT録音のリアルな空気感と現代らしいクリアさを両立する人物ですが、本作はその個性の見本となる素晴らしさ。特に初日「４月26日（ディスク１-２）」はスネアの鳴りにオーディエンスらしさは感じられるものの、その透き通った空気感は客録離れしている。真っ直ぐ手元に届く芯は力強くも瑞々しく、ほんのり僅かにまとったホール鳴りも艶を与えながらも曇りや濁りにならない。デレクのギターはピッキング・ニュアンスまで克明ですし、スーザンのヴォーカルは吐息レベルのリアリティなのです。もちろん、ポジションの違いにより両日には差があるものの、同会場・同機材・同録音家による統一感もしっかり。初日（ディスク１-２）が超クリア・タイプとするなら、２日目「４月27日（ディスク３-４）」は鳴りが厚みを醸すゴージャス・タイプであり、その根底を貫く巨匠の個性とクオリティは微塵も揺るがない。約４時間45分に及ぶ２公演にたっぷり浸りきれるのです。しかも、本作はただの２公演セットではない。TEDESCHI TRUCKS BANDはフレキシブルにセットを変える事でも知られていますが、本作は同会場の２連続公演だけあって、その変え方が凄まじい。両日とも20曲近く演奏しているのですが、ダブっている曲はなんとゼロ。ただの１曲も同じ曲がなく、まるで約５時間の１ショウのようなライヴアルバムなのです。そして、その膨大なレパートリーこそ、来る日本公演の予習にもピッタリ。ここで名曲群を整理してみましょう。
【REVELATOR（１曲＋１曲）】・初日：Midnight in Harlem・２日目：Bound For Glory【MADE UP MIND（２曲＋５曲）】・初日：Do I Look Worried、Made Up Mind・２日目：Don't Drift Away、Part Of Me、It's So Heavy、Idle Wind、The Storm【LET ME GET BY（４曲＋２曲）】
・初日：Laugh About It、Just As Strange、Right On Time、Let Me Get By・２日目：Don't Know What It Means、I Want More【SIGNS（４曲＋３曲）】・初日：I'm Gonna Be There、When Will I Begin、Hard Case、Shame・２日目：Signs, High Times、Walk Through This Life、High And Mighty
【その他カバー（８曲＋７曲）】・初日：Within You Without You（ビートルズ）、Somebody Pick Up My Pieces（ウィリー・ネルソン）、Down In The Flood（ボブ・ディラン）、Keep On Growing（デレク＆ザ・ドミノス）、Leaving Trunk（スリーピー・ジョン・エスティス）、Volunteered Slavery（ローランド・カーク）、Don't Keep Me Wondering（オールマン・ブラザーズ・バンド）、How Blue Can You Get?（ジョニー・ムーアズ・スリー・ブレイザーズ）・２日目：The Letter（ボックス・トップス）、Key To The Highway（チャーリー・セガール）、Bird On The Wire（レナード・コーエン）、
Space Captain（ジョー・コッカー）、I Pity The Fool（ボビー・ブランド）、Get What You Deserve（デレク・トラックス・バンド）、Dreams（オールマン・ブラザーズ・バンド）※注：（ ）内はカバー元のアーティスト。……と、このようになっています。デビュー作から最新作『SIGNS』まですべてのアルバムからセレクトされつつ、ロックの名曲やブルース・スタンダードといったカバーもたっぷり。現在のレパートリーをすべて出し尽くしたような全37曲を現場感いっぱいに体験できる。来月の来日公演でどの曲を演奏するかは分かりませんし、ご覧になる会場によって大幅に異なることでしょう。そんなフレキシブルさもTEDESCHI TRUCKS BANDの醍醐味ですが、本作はその幅広さを体感しつつ、一気に予習するのにも最高のセットなのです。くすぶる期待を一気に燃え上がらせる素晴らしい演奏、端正で美しいサウンド、そして膨大な名曲群。２連続だからこそのバラエティ豊かなショウを同一録音家コレクションで味わい尽くせるビッグな４枚組です。予習にも最適で、半日流し続けても最高なオリジナル録音。
Live at the Palladium, London, UK 26th & 27th April 2019 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND(from Original Masters)
Live at the Palladium, London, UK 26th April 2019
Disc 1(70:21)
1. Intro. 2. Laugh About It 3. Do I Look Worried 4. Within You Without You 6. Just As Strange 7. Somebody Pick Up My Pieces 8. Right On Time 9. Down In The Flood 10. I'm Gonna Be There 11. Drums 12. Let Me Get By 11. Keep On Growing
Disc 2(71:36)
1. When Will I Begin 2. Leaving Trunk 3. Volunteered Slavery 4. Hard Case 5. Don't Keep Me Wondering 6. Shame 7. Midnight in Harlem 8. How Blue Can You Get? 9. Made Up Mind
Live at the Palladium, London, UK 27th April 2019
Disc 3(69:50)
1. Intro. 2. Signs, High Times 3. Don't Drift Away 4. Don't Know What It Means 5. The Letter 6. Part Of Me 7. It's So Heavy 8. Key To The Highway 9. I Want More 10. Idle Wind (including Rastaman Chant)
Disc 4(73:31)
1. Walk Through This Life 2. High And Mighty 3. Bird On The Wire 4. Space Captain 5. I Pity The Fool 6. Get What You Deserve 7. Dreams 8. The Storm 9. Bound For Glory
Susan Tedeschi - Guitar, Vocals Derek Trucks - Guitar Brandon Boone - Bass Gabe Dixon - Keyboards Tyler Greenwell - Drums, Percussion JJ Johnson - Drums, Percussion Kebbi Williams - Saxophone Elizabeth Lea - Trombone Ephraim Owens - Trumpet
Mike Mattison - Vocals Mark Rivers - Vocals Alecia Chakour - Vocals
