
イギリス在住の重鎮テーパーからのオリジナルマスターの提供はもう一つありました!アルバム「PILGRIM」リリースと同時に開始された1998年ワールド・ツアー終盤のヨーロッパ・ツアーから、10月26日のバルセロナ公演を非常に良好なステレオ・オーディエンス録音で完全収録したDATマスターです。この音源は今まで日本ではリリースされたことのなかったものである上に、音質が極上、という驚愕のマスターでした。アーティストのブートレッグ評価サイトGeetarzでは、6ポイント満点中5ポイントという高評価を得ている音源です。それほど素晴らしい音質で価値あるパフォーマンスが収録されているのですが、この時期の録音に多用されていたDATデッキには、テープとの相性から特有の微かなアナログ的ノイズが発生しており、本盤のマスターにもそれが(ごくわずかな箇所ではありますが)見られたからなのです。しかしそれは決して致命的な欠点というわけではありません。この深みと広がりのあるド迫力サウンドを聴いていただければマスターの素晴らしさは一聴瞭然です。1998年ツアーからはサウンドボードソースを含め、名音源が数々リリースされていますが、本盤の価値はこの極上音質に加え、メインセットにおけるクオリティの高いパフォーマンスとトピックとなったアンコールゆえにクラプトンファンの皆さんにはしっかり評価していただけるものと考えます。さて、ここでこの年のツアー日程をおさらいしておきましょう。
・1998年3月10日<アルバム「PILGRIM」全世界一斉リリース>・1998年3月30日~4月26日:アメリカン・ツアー・ファースト・レッグ・1998年5月11日~6月6日:アメリカン・ツアー・セカンド・レッグ・1998年9月5日~9月18日:短期アメリカ&カナダ・ツアー
・1998年10月13日~12月11日:イギリス、北欧を含むヨーロッパ・ツアー ←【ここ】
日本には前年に来ていましたので、アジア圏は回りませんでしたが、気合の入ったアルバム同様、ほぼワールド・ツアークラスの規模で実施されたツアーでした。なぜ気合が入ったのかと言いますと、当該アルバムはクラプトンが1991年に不慮の事故で亡くなった幼い息子さんとの思い出に捧げ、自分の人生を見詰め直した過程で作り上げたものだったからです。大半が自作曲で埋められたこのアルバムはクラプトンからの内省的メッセージに富んだものであったため、そのツアーでもアルバムの楽曲をフィーチャーすることで、クラプトンは世界中のファンにライブステージでそのメッセージを届けようと考えていました。オープニングから6曲連続でアルバムからのナンバーをプレイしていることでそれは証明されていると言えるでしょう。この6曲でのクラプトンはエンジン全開、スタジオバージョン以上に情熱的でエモーショナルなプレイを披露しています。このパートでアルバム収録曲をオリジナルバージョン以上に表現するため、このツアーではクラプトンはサイドギタリストにアンディ・フェアウェザー・ロウとアラン・ダービー(元エイジア)を起用し、トリプルギター体制を築きました(プラス、ダブルキーボードによる音の厚みは群を抜いています)。そこで一つの区切りをつけた後は自らをクールダウンするかのように、しっとりとプレイするアコースティックセットに移ります。エレクトリックセットに戻っての一発目はOld Love。ここでクラプトンは二人のキーボーディストの長尺ソロを挟みながらエモーションの極みと言えるプレイを披露します。録音者はここでテープをチェンジしたようで、10:59時点にはカット部分があったのですが、当店のエンジニアが拍合わせのクロスフェード処理により見事に自然な繋がりにしています(その他全編に亘り、賑やかで浮ついた感じにならず、ズシンと腰が座り安定したサウンドになるようエンジニアはいろいろとマスタリングを施しました)。あとは王道のヒット曲、代表曲を畳み掛けてCocaineで大団円へ。ここまででも名演と言えるクオリティを提示したステージでしたが、この日のアンコールにはこの日だけの特別なトピックがありました。女性ブルース・スライドギタリストの第一人者ボニー・レイットが飛入り参加したのです。しかも選ばれた曲は何とRollin' and Tumblin' !。クラプトン自身は92年の「アンプラグド」でプレイしたナンバーですが、エレクトリックでプレイしたのは、クリーム以来でしょう(30年ぶり)。もちろんレイットのスライドソロがフィーチャーされ、そこにクラプトンが絡みます。楽しいセッションが展開されているのが手に取るように分かります。これまでリリースされて来なかった日の極上音源。しかもこの演奏はマジで凄いです!おまけにクラプトンのキャリアにおいて共演数の少ないボニー・レイットの飛入り。さすが痒い所に手が届く重鎮テーパーのマスター、と唸る内容とクオリティ。それに加え、当店のマスタリングの妙をも感じていただける注目のタイトルです。
Live at Palau Sant Jordi, Barcelona, Spain 26th October 1998 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (63:31)
1. Intro 2. My Father's Eyes 3. Pilgrim 4. One Chance 5. River of Tears 6. Going Down Slow 7. She's Gone 8. Nobody Knows You When You're Down And Out 9. Tears in Heaven 10. Layla 11. Change The World
Disc 2 (54:51)
1. Old Love 2. Crossroads 3. Have You Ever Loved A Woman 4. I Shot The Sheriff 5. Wonderful Tonight 6. Cocaine 7. Rollin' and Tumblin' (with Bonnie Raitt)★
Eric Clapton - guitar / vocals Andy Fairweather Low - guitar / vocals Nathan East - bass / vocals Alan Darby - guitar / vocals Tim Carmon - keyboards / vocals Kenneth Crouch - keyboards Steve Gadd - drums Katie Kissoon - backing vocals
Chyna - backing vocals Charlean Hines - backing vocals Bonnie Raitt - guitar / vocals (guest)