テッド・マッケンナの急逝という衝撃を乗り越え、2ndアルバムを完成させたMICHEAL SCHENKER FEST(以後、MSF)。そんな彼らの最新・極上ライヴアルバムが登場です。そんな本作に収録されているのは「2019年5月9日オールバニー公演」。その超・極上オーディエンス録音です。昨年、MSFは北米進出を果たしたわけですが、今年は再び北米ツアーからスタート。まずは、待ち遠しい新作『REVELATION』とも合わせ、彼らの近況をスケジュールで確認。ショウのポジションを確かめておきましょう。
・4月15日-5月18日:北米(23公演)←★ココ★・7月5日:スペイン(グラハム抜き)・7月11日:ドイツ・7月12日:フランス(ドゥギー抜き)《8月23日『REVELATION』発売》これが現在までに公表されている2019年の日程。つい先日「北米」ツアーを終えたMSFは、7月に夏の欧州フェスでも3公演出演。その直後に『REVELATION』が発売される予定です。そんな中で本作のオールバニー公演は春の「北米」ツアー16公演目にあたるコンサートでした。そのショウを記録した本作は「超」の付く極上のオーディエンス録音。最大のポイントとにかくオンで間近な芯! ショウはマイケルの挨拶と彼が歌う「Holiday」から始まります(いつも思いますが、この開演はあまり効果的とは思えませんが……)が、ここからもう、めっちゃくちゃ近い。……と言いますか、ほぼほぼゼロ距離。ヘッドフォンで耳を澄ませてもホール鳴りが感じられず、PAの出力音そのまんまじゃなかろうかと思うほどの密着感が凄まじい。特にギターとヴォーカルが凄い。4人の歌声は耳元級ですし、マイケルのVサウンドもギター弦が目に浮かぶほどド直近で細やか。さらに加えて、テッドの後を継いだボードー・ショホフのドラムも素晴らしい。軽やかなタムのステレオ感も凄ければ、スネアの弾力感もリアルで皮に弾かれるスティックが目に浮かぶほどに超詳細。何も知らずに「FM音源です」と言われたら、1ミリも疑う事はなかった……そんな超極上サウンドなのです。そんなサウンドで描かれるのは、再びマイケル・シェンカーを黄金期に引き上げたMSFの最新ショウ。セットは昨年の来日公演に酷似しつつ、先日新クリップも公開された「The Girl With The Stars In Her Eyes」も追加。残念ながら2ndアルバム『REVELATION』の新曲はないものの、さらに大ボリュームに進化しています。それ以上にフレッシュなのは、ショウ全体の構成。シンガー4人それぞれのセクションが設けられ、それをインストで繋ぐスタイルは不動なものの、順番が大きく変わっている。これまでは「ドゥギー→ロビン→グラハム→バーデン→4人全員」という流れでしたが、本作では逆に「バーデン→グラハム→ロビン→ドゥギー→4人全員」になっています。昨年の来日から時間が経ってもいますので、ここでショウの構成を整理しておきましょう。
【ゲイリー・セクション(ディスク1)】・蠍団:Holiday(マイケルVo)・UFO:Doctor Doctor・MSG:Are You Ready To Rock、Attack Of The Mad Axeman、Rock My Nights Away、Armed And Ready・MSF:Messin' Around・インスト:Into The Arena、Coast To Coast
【グラハム・セクション(ディスク2)】・MSG:Dancer、Searching For A Reason、Desert Song、Assault Attack・MSF:Night Moods・インストCaptain Nemo【ロビン・セクション(ディスク2)】・MSG:Bad Boys、Save Yourself、Anytime、Love Is Not A Game
・MSF:Heart And Soul【ドゥギー・セクション(ディスク3)】・TOR:Vigilante Man、Lord Of The Lost And Lonely、Before The Devil Knows You're Dead、Live And Let Live・MSF:The Girl With The Stars In Her Eyes(新ネタ)、Take Me To The Church
【全員セクション(ディスク3)】・MSF:Warrior・UFO:Rock Bottom、Shoot Shoot、Natural Thing、Lights Out ……と、このようになっています。ショウ後半のハイライトにドゥギーが来るのは疑問でもありますが、逆に初期MSGの必殺曲を固めた序盤のスタート・ダッシュが圧倒的。何より、大筋で時系列な構成が“マイケル・シェンカー・ヒストリー”なムードを醸しているのです。初期MSGの解体から35年。再び黄金期と呼ぶに相応しい時代を迎えたマイケル・シェンカーのMSF。その最新ショウを超極上サウンドでフル体験できる特濃3枚組です。8月にリリースされる2ndアルバム『REVELATION』も、その後に実現してくれるであろう来日公演も待ち遠しくなる1本。ぜひ、たっぷりとお楽しみください。
Hart Theatre, The Egg Center for the Performing Arts, Albany, NY, USA 9th May 2019 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND
Disc 1(43:59)
1. Intro 2. Holiday 3. Doctor Doctor 4. Into the Arena 5. Are You Ready to Rock 6. Attack of the Mad Axeman 7. Rock My Nights Away 8. Messin' Around 9. Armed and Ready 10. Coast to Coast
Disc 2(54:36)
1. Dancer 2. Searching for a Reason 3. Desert Song 4. Night Moods 5. Assault Attack 6. Captain Nemo 7. Bad Boys 8. Save Yourself 9. Anytime 10 Heart and Soul 11 Love Is Not a Game
Disc 3 (70:06)
1. Vigilante Man 2. Lord of the Lost and Lonely 3. The Girl with the Stars in Her Eyes 4. Before the Devil Knows You're Dead 5. Take Me to the Church 6. Live and Let Live 7. Warrior 8. Rock Bottom 9. Shoot Shoot 10. Natural Thing 11. Lights Out
Michael Schenker - Guitars Gary Barden - Vocals Graham Bonnet - Vocals Robin McAuley - Vocals Doogie White - Vocals Bodo Schopf - Drums Steve Mann - Guitar, Keyboards Chris Glen - Bass