
『1. OUTSIDE』と『EARTHLING』を繋ぐ秘境のミニツアー、通称“BALLROOM TOUR”。その代表作となる大傑作ライヴアルバムが登場です。このミニツアーは、まさに秘境。“OUTSIDE TOUR”は1996年7月まで行われ、その後にボウイは『EARTHLING』を製作。リリースは翌1997年2月なのですが、その前に東海岸で4都市(フィラデルフィア・ワシントンDC・ボストン・ニューヨーク)だけのミニツアーを行い、新曲を少しずつ公開し始めたのです。本作は、そのミニツアーの現場「1996年9月7日ワシントンDC公演」の極上オーディエンス録音です。まずは、このミニツアーのポジションを当時のスケジュールの中で俯瞰してみましょう。●1995年《9月25日『OUTSIDE』発売》・9月14日-10月31日:北米#1(27公演)・11月14日-12月13日:英国(16公演)●1996年・1月17日-2月20日:欧州#1(23公演)・6月4日-13日:日本(7公演)・6月18日-7月21日::欧州#2(22公演)
《8月『EARTHLING』製作》・9月6日-14日:北米#2(4公演)←★ココ★・10月19日+20日:BRIDGE BENEFIT CONCERT出演・10月24日:VH-1 FASHION AWARDS これが当時の日程。『EARTHLING』は1996年8月に製作されており、“BALLROOM TOUR”はその直後に行われた「北米#2」。本作のワシントンDC公演は、その2公演目にあたるコンサートです。この“BALLROOM TOUR”の4公演はすべてオーディエンス録音が残っていますが、本作はその中でも最高峰と目されるもの。ロウジェネ・マスターから起こされており、あまりの鮮度の良さから、ボウイ研究家をして「大元のDAT録音とほぼ同じはずだ」と言わしめたもの。もちろん、いくらマスター鮮度が良くても録音そのものが悪ければ台無しですが、本作にその心配は無用。とにかく圧倒的にオン。現場のリアルな熱狂やスネアの鳴りにこそオーディエンスらしさを感じもしますが、それ以外に客録らしさがほとんどない。極太の芯は距離をまったく感じさせず、ホール鳴りもヘッドフォンで耳を澄ませても分からないほどささやか。クラブ規模の密室感、密着感が圧倒的で、ボウイほどの超大物を目の前に感じられる希有なる名録音なのです。しかも、本作はそんな極上録音をさらに細心マスタリングでブラッシュ・アップしている。原音はクリアさやダイレクト感は驚異的でもレンジがやや狭く、平板でもありました。そこで本作では各音域の鳴りを精査し、抜けを大きく向上。その結果、1音1音に立体感まで感じられるサウンド実現したのです。そんなサウンドで描かれるショウは、まさに“OUTSIDE TOUR”と“EARTHLING TOUR”の架け橋。当店では、直後の『BRIDGE BENEFIT 1996 MASTER』もご紹介していますが、そちらはアコースティック・トリオの特別ショウだったのに対し、本作は“OUTSIDE TOUR”後半や“EARTHLING TOUR”と同じエレクトリック編成。リーブス・ガブレルス、ゲイル・アン・ドロシー、ザッカリー・アルフォード、マイク・ガーソンの5人で“OUTSIDE TOUR”を引き継ぐショウを繰り広げられる。“OUTSIDE TOUR”後期と言えば、大名盤サウンドボード『LORELEY 1996』もありますが、それとも似て非なるもの。「Strangers When We Meet」が復活しているだけでなく、『EARTHLING』セッション直後だからこその2曲を披露している。1つはTIN MACHINEの「Baby Universal」。この曲は『EARTHLING』収録のために再録音されたものの、最終的には収録されなかった。その新バージョンを想起させる生演奏が楽しめるのです。そして、もう1曲が「Little Wonder」。“BALLROOM TOUR”の初日フィラデルフィア公演でも演奏されたために初演ではありませんが、本作は2回目。あのジャングル・ビートの衝撃が広がる現場を実体験できるのです。50歳の大台を目前にして新たなサウンドへ果敢に挑戦していったボウイ。その最前線だった“BALLROOM TOUR”を極上サウンドで楽しめるライヴアルバムの大傑作です。“OUTSIDE TOUR”とも“EARTHLING TOUR”とも違うミッシング・リンクの代表作。
Capitol Ballroom, Washington, D.C. USA 7th September 1996 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND
Disc 1 (53:17)
1. Introduction 2. Look Back In Anger 3. Scary Monsters 4. The Heart's Filthy Lesson 5. Outside 6. Alladin Sane 7. The Voyeur Of Utter Destruction (As Beauty) 8. The Man Who Sold The World 9. Hallo Spaceboy 10. Breaking Glass 11. Baby Universal 12. Jump (They Say)
Disc 2 (45:32)
1. Under Pressure 2. “Heroes” 3. Band Introductions 4. Strangers When We Meet 5. Lust For Life 6. Little Wonder 7. All The Young Dudes 8. White Light, White Heat 9. Moonage Daydream
David Bowie - vocals, guitar Reeves Gabrels - guitar Mike Garson - piano + keyboards, Gail Ann Dorsey - bass, vocals Zachary Alford - drums, loops