
PINK CREAM 69のデヴィッド・リードマンを迎え、NWOBHMの40周年を記念するかのように20年ぶりの来日を果たした英雄TANK。その現場を極上サウンドでパックしたオリジナル録音が登場です。そんな本作に刻まれているのは「2019年7月15日:心斎橋SOMA」公演。その超絶級オーディエンス録音です。本作最大のポイントは凄まじいまでのハイクオリティ・サウンドと現在各所で大絶賛を巻き起こしているライヴそのものですが、まずはショウのポジション。記録の意味でも、文字どおり“20年に一度”となった来日日程から押さえておきましょう。
・7月13日:Holiday Shinjuk・7月14日:Holiday Shinjuk・7月15日:心斎橋SOMA 【本作】 以上、東京2回+大阪1回の全3公演でした。本作はその最終公演のライヴアルバムなのですが、そのクオリティたるや絶大。モノにしたのはHR/HM系を録らせたら右に出る者はない“西日本最強テーパー”氏。つねに極上録音を連発し、「サウンドボードにしか聞こえない」「現場より良い音」と絶賛が繰り返されていますが、本作はその評判をさらに押し上げる大傑作。力強い芯には距離感など微塵もなく、ディテールも楽器が目の前にあるとしか思えない鮮やかさ。客録らしさが出やすいスネアでさえゼロ距離感覚ですし、ヴォーカルに至っては「(オーディエンスと分かっていても)本当にサウンドボードじゃない?」と首を捻ってしまうほどです。さらにサウンドボード感を高めているのは観客の熱狂。現場となった“心斎橋SOMA”はキャパ350名ほどの小さなハコなのですが、それが信じられないほど厚い喝采(雄叫び)が沸き起こりつつ、それがえらく遠い。バンドとのシンクロ感は間違いなくクラブの密室感なのに、なぜ観客がこうも遠くに感じるのか。一番離れた客でさえ、すぐそこにいるハズなのに……。頭の中に「??」が渦巻く極上サウンドで描かれるショウは、むせ返るNWOBHMの体臭が燃え上がる灼熱のショウ。ざっくり言ってセットは『RE-IGNITION』のライヴ版。往年の名曲をアップデートした再録盤でしたが、その収録曲のうち「The War Drags Ever On」以外の全曲をぶちかまし、その代わり?『FILTH HOUNDS OF HADES』の「That's What Dreams Are Made Of」も披露してくれる。1曲また1曲と繰り出されるリフが“あのTANKがいる”の感慨を掻き立てやがるのです。さらにその想いを深くさせるのが、新加入のデヴィッド・リードマン。ドゥギー・ホワイトやZPサートといった前任者たちもメタル魂のあるシンガーではありましたが、彼らの声に「おぉ、TANKだ!」と思えたかというと……。それに対し、リードマンのワイルドな声質と豪放磊落な歌いっぷりは見事にドハマリ! 実際、このショウでは「Judgement Day」「War Nation」「Make A Little Time」といったドゥギー/ZP時代のナンバーも演奏しているわけですが、オリジナルよりもグッとTANKらしく聞こえる。そりゃもちろんアルジー・ワードの声が恋しい気持ちも否定できないわけですが、今のアルジーの状態を鑑みるにリードマンの起用は大正解でしょう。そして、要のミック・タッカー&クリフ・エヴァンスや元SODOMのボビー・シュトコウスキーも凄まじい。「××年ぶりの来日!」と言われるベテランは観る影もないようなヌルい演奏になることも珍しくないわけですが、彼らはまったく違った。NWOBHMから40年という時間がまるでなかったかのようにビシッとしていて、熱く熱く燃えている。まさに灼熱・苛烈のライヴアルバムなのです。素晴らしかった『RE-IGNITION』をステージの爆テンションと極上の密室サウンドで封じ込めたライヴアルバムの秘宝です。ユンケルでバイアグラをかっ喰らったような熱量、スペクタクルなんぞ知ったことかの地下室感。「これぞNWOBHM!」な匂いがムンムンの最新・実況アルバム。
Live at Soma, Osaka, Japan 15th July 2019 ULTIMATE SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (53:27)
1. Intro (Shellshock) 2. This Means War 3. Echoes of a Distant Battle 4. Judgement Day 5. Honour and Blood 6. Valley of Tears 7. W.M.L.A. 8. Make a Little Time 9. Walking Barefoot Over Glass 10. That's What Dreams Are Made Of
Disc 2 (39:26)
1. War Nation 2. Power of the Hunter 3. Drum Solo & Bass Solo 4. (He Fell in Love With a) Stormtrooper 5. Just Like Something From Hell 6. Shellshock 7. Blood, Guts & Beer
David Readman- vocals Mick Tucker - guitar Cliff Evans - guitar Randy van der Elsen - bass Bobby Schottkowski - drums