最後のアルバムとも言われる『THREADS』も話題を呼んでいるシェリル・クロウ。そんな彼女の初来日を極上サウンドで体験できるライヴアルバムが登場です。そんな本作に収められているのは「1995年4月16日:心斎橋クラブクワトロ公演」。その一部始終を体験できる極上オーディエンス録音です。当時のクロウと言えば、『TUESDAY NIGHT MUSIC CLUB』でセンセーショナルなデビューを飾り、第37回グラミーで最優秀レコード賞・最優秀新人賞・最優秀女性ポップヴォーカル・パフォーマンス賞の3冠を総なめ。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いを駆って初来日も果たしたわけです。しかし、実際に行われた初来日は、そんなデビュー当時のイメージとはちょっと違う。まずは、そのスケジュールから始めましょう。・4月13日:新宿リキッドルーム・4月14日:新宿リキッドルーム・4月16日:心斎橋クラブクワトロ ←★本作★・4月17日:名古屋クラブクワトロ 以上、全4公演。全世界を震撼させていたクロウにしては極めて小規模。本作は、そんなクラブツアーの大阪公演で記録された超絶級オーディエンス録音なのです。実際、そのサウンドは密室感たっぷり。演奏も歌声も距離感がまったくなく、すぐ目の前でギターが鳴り、ベースもヴァイヴまで繊細にうねりまくる。オーディエンスらしさはドラムの鳴りに現れやすいものですが、本作はスネアも太く、バスドラもズンズン響く。それだけ間近だとフォルテッシモでビビッてしまいがちですが、本作は違う。ささやかなアコギのカッティングも克明なら、バンド一丸でド迫力に鳴らしても艶やか。バツグンの安定感が続くのです。そして、何よりも素晴らしいのがクロウの歌声。手を伸ばせば届きそうなほど間近に彼女の存在が感じられ、歌詞の1語どころか単語1つのイントネーションや吐息までド直近。囁けばマイクの金網をすり抜ける息づかいまで感じられ、力強く吠えてもナチュラルな地声の美しさが揺るがない。まさに同室・同席の密着サウンドなのです。それだけの録音になったのにもワケがある。実は、本作は90年代後期の大阪で名録音を連発した名手の作。この人物のオリジナル・コレクションを多数ご紹介しており、女性シンガーではセリーヌ・ディオンの『OSAKA DOME 1999』やマライア・キャリーの『OSAKA DOME 2000』等が大人気。そうした作品でも「ドームとは思えない!」と大好評だったのですが、クラブ録音はさらに凄かった。弘法筆を選ばず、名手は会場を選ばない。本作はその音の証拠でもあるのです。そんな密着サウンドで描かれるショウは、衝撃のデビュー作『TUESDAY NIGHT MUSIC CLUB』の生声バージョンとでも言えるもの。「No One Said It Would Be Easy」「We Do What We Can」以外の全曲が披露され、大ヒット真っ最中の「All I Wanna Do」はブルース・バージョンと通常バージョンの2回演奏される。もちろん、『TUESDAY NIGHT MUSIC CLUB』ナンバーだけではない。後に限定ツアー・エディションのライヴテイクで発表される「Coffee Shop」、2ndアルバムに収録されることになる「Love Is A Good Thing」「Hard To Make A Stand」、シングルのカップリングともなった「I Feel Happy」といった(当時の)未発表曲もたっぷり。さらにトリビュート盤にも提供したLED ZEPPELINの「D'yer Mak'er」、DEREK AND THE DOMINOSの「Keep On Growing」、ボビー・ミッチェルの「I'm Gonna Be A Wheel Someday」といった美味しいカバー曲も披露してくれるのです。デビューと共に世界を振り返らせた33歳のシェリル・クロウ。そんな彼女を間近に感じられるライヴアルバムの大傑作です。もはや世界中のどこで録音されたとしても傑作となるレベルの同席アルバムですが、それが初来日なのだからたまらない。まさに千載一遇の1本。
Live at Shinsaibashi Club Quattro, Osaka, Japan 16th April 1995 ULTIMATE SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (51:56)
1. Intro 2. Leaving Las Vegas 3. Love Is a Good Thing 4. Can't Cry Anymore 5. Run, Baby, Run 6. Hard to Make a Stand 7. Keep On Growing ★デレク&ザ・ドミノス・カバー 8. Solidify 9. The Na-Na Song
Disc 2 (49:18)
1. All I Wanna Do (Blues Version) 未発表オルタナティヴVer 2. Coffee Shop 3. Strong Enough 4. D'yer Mak'er ★レッド・ツェッペリン・カバー 5. What I Can Do for You 6. All I Wanna Do 7. I Shall Believe 8. I'm Gonna Be a Wheel Someday 9. Band Introductions / I Feel Happy
Sheryl Crow - vocals, guitars, keyboards Todd Wolf - Lead Guitar Roy Scott Brian - keyboards, guitars Jennifer Condos - bass Wally Ingram - drums