5月1日のシカゴ公演から21日のフェニックス公演まで、合計14公演が組まれた話題の再編USツアーより、終盤の5月20日のロス・アンゼルス公演が極上レベルの高音質オーディエンス録音で完全収録。ディスク2後半には当日の37分の貴重なサウンドチェックも追加収録された、大変、魅力的な内容を持った一枚です。音像は安定しており、やや音のエッジがマイルドですが、音に十分なダイレクト感があり、楽音に対して歓声も小さく聴きやすい、最新ツアーを代表する優れた内容をもったお薦めタイトルです。(アナログテープ録音のような、一昔前の優良オーディエンス録音、と言った印象のサウンドで、好感がもてる録音です。)17日のポートランド公演では風邪で、高域が相当苦しそうだったウェットンのボーカルもベストではないものの相当回復しており、ストレス無く、コンサートの全編を聴き切ることができます。アンサンブルの出来は上々で、ツアー当初よりは格段に向上しており、その分、力任せにやっているような、荒々しい魅力が後退したようにも聞こえますが、ファンは何はともあれ、短期間でのバンド演奏の向上ぶりに、嬉しく聴き入ってしまうことでしょう。ボジオも楽曲の大まかな構成は理解したようで、安心してバンド演奏を楽しむことができます。この日は中盤ではいつもより若干長い14分もの強烈なドラムソロを披露、聴 き手を圧倒します。ソロ以降のDanger Money、Presto Vivace/In The Dead Of Night、 Caesar's Palace Blues はどれも圧巻の一言。アンコールではウェットンのクリムゾンの思い出MCに続いて、前数回の公演は演らなかったFallen Angel が感動の復活。今回のLA版録音の特徴である、ややアナログ風のクラシカルな音像と曲の雰囲気がベストマッチしており、実に味わい深い必聴のテイクになっ ています。ラストはThe Only Thing She Needsで最高にグルーブの効いた、まとまりのあるシャープな演奏を聴くことができます。音がやや軽めに録音されているので、まるで79年のライブを聴 いているような錯覚を覚えるのも、これまた一興!収録時間103分。現時点、北米ツアー中、最高の演奏クオリティで楽しめる一枚です。さて、ここからが、ファンの皆様の期待する公演前に収録された37分のサウンドチェック!これが本編以上に素晴らしいサウンドで収録されており、冒頭の3 人の演奏する迫力満点のCarrying No Crossの中間奏に、誰しもが度肝を抜かれることでしょう!!メンバー全員が楽曲をテーマにしながらも、好き勝手に弾き、叩きまくっており、これを聴くと、本編ライブの演奏がやや上品に聴こえるほど。10分近いベースとドラムの生々しいサウンドチェック音もファンならば一瞬たりとも聴き逃せないでしょう!色々な高度な奏法でベースをチェックするウェットン、それに合わせるボジオの色彩感豊かなドラムプレイも最高の一言で、サウンドチェックですら、本編以上の魅力で聴き手をここまで楽しませてくれるとは、流石UK!と思ってしまうほどです。(名バンドはサウンドチェックですら、ここまで魅力的に聴かせて しまうという好サンプルです!)Caesar's Palace Bluesでは勿論、バイオリンも登場、ここで聴けるウェットンとボジオのプレイは圧巻で、最高のラフミックスを聴いているようです。面白いのは Night After Nightで、既にライブで何回も演奏しているのに、イントロ部分や、実際、いつまでたっても甘い感じのAlaska~Night After Nightの繋ぎの部分をリピートして3人で練習します。ここではボーカルも入り、非常に面白いテイクになっています。続いては、エンディングのキメの演奏を執拗に繰り返す様子も収録されています。エディがリハーサルを聴いている観客に向け楽しいMCを聴かせます。ラストはバイオリンのサウンドチェックの様子を収録。2012年UKの再編ライブの最良の録音版と肩を並べる絶品の内容をもったリハーサルテイク。ファンは絶対必聴の最強・最高の37分間。本 編・リハと合わせて2時間20分、たっぷりと楽しめる2枚組です。
Live at El Rey Theatre, Los Angeles, CA. USA 20th May 2012 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND
Disc 1
1. Alaska 2. Night After Night 3. Thirty Years 4. MC 5. Rendezvous 6:02 6. Carrying No Cross 7. Keyboard Solo 8. Violin Solo 9. Drum Solo 10. Danger Money
Disc 2
1. Presto Vivace 2. In The Dead Of Night 3. Caesar's Palace Blues 4. MC 5. Fallen Angel 6. The Only Thing She Needs Soundcheck El Rey Theatre, Los Angeles, California, USA 20th May 2012
7. Carrying No Cross 8. Soundcheck 1 9. Caesar's Palace Blues 10. Soundcheck 2 11. Night After Night 12. Night After Night Ending Lockdown 13. Eddie Speaks 14. Violin Feedback Test
John Wetton - Bass, Lead Vocals Eddie Jobson - Violin, Keyboards, Backing Vocals Terry Bozzio - Drums, Percussion