『BROTHERHOOD』をリリースし、成功の階段を駆け上がっていた1986年のNEW ORDER。その極上サウンドボード・アルバムがリリース決定です。そんな本作に収められているのは「1986年11月4日ハリウッド公演」。“BROTHERHOOD TOUR”と言えば、二度目の来日公演も実現し、公式作『BRIXTON ACADEMY APRIL 1987』『BBC RADIO 1 LIVE IN CONCERT』でもお馴染み。まずは、その位置関係を知る意味でも当時のツアー・スケジュールを振り返ってみましょう。
●1986年・9月10日-13日:英国#1(4公演) 《9月29日『BROTHERHOOD』発売》・10月2日-13日:英国#2(5公演)・10月29日-12月15日:北米#1(30公演)←★ココ★
●1987年・1月27日-30日:日本(4公演)・2月2日-21日:オセアニア(14公演)・4月2日+4日:英国#3(2公演) ←※公式ビデオ・5月14日-6月30日:欧州#1(9公演)←※公式BBC・8月13日-10月19日:北米#2(23公演)・12月6日-10日:欧州#2(3公演)
これが“BROTHERHOOD TOUR”の全景。『BRIXTON ACADEMY APRIL 1987』や『BBC RADIO 1 LIVE IN CONCERT』はツアー後半となる1987年の母国イギリスのショウでしたが、本作のハリウッド公演はその反対。ツアー前半に行われた「北米#1」の4公演目にあたるコンサートでした。オフィシャル盤『BBC RADIO 1 LIVE IN CONCERT』は、その名の通りBBC放送を元にしたライヴアルバムでしたが、本作はその米国版とも言えるもの。このショウはFMラジオで放送されたこともあって“BROTHERHOOD TOUR”の大定番として君臨しており、密着感も綺麗にセパレートしたステレオ感も絶大。マスター鮮度も絶品で、ダビング痕やテープヨレもなく、当時の放送電波がそのまま時空を飛び越えてきたかのよう。それこそ、上記のオフィシャル作品にも引けを取らないクオリティなのです。サウンドは公式級ではあっても、中身はオフィシャル作品とはまるで違うから美味しい。本作は約1時間の放送枠に沿って編集されているためにショウの完全版ではないのですが、そのセレクションがあまりにも絶妙なのです。実際、公式作『BRIXTON ACADEMY APRIL 1987』『BBC RADIO 1 LIVE IN CONCERT』と比べてみると被っているのは4曲だけ。他はすべて公式2作を併せても聴けないものばかりなのです。その代わり「The Perfect Kiss」「Bizarre Love Triangle」といったド定番が抜けているとも言えるわけですが、「Leave Me Alone」「Every Little Counts」「Way Of Life」といった貴重曲をステレオ・サウンドボードで聴ける醍醐味は何物にも代えられない。まさに『BRIXTON ACADEMY APRIL 1987』『BBC RADIO 1 LIVE IN CONCERT』のサブ・テキスト……いえ、三部作を成す“準オフィシャル作品”とも言うべきライヴアルバムなのです。オフィシャル作品とはまったく違う表情の“BROTHERHOOD TOUR”を聴かせてくれる極上のステレオサウンドボード・アルバムです。本作だけでも素晴らしい音楽作品であり、公式作品と併せることでさらに魅力が増すライヴアルバムの大傑作。
Live at the Palace, Hollywood, Los Angeles, CA, USA 4th November 1986 STEREO SBD (57:09)
01. Shellshock 02. Everything's Gone Green 03. Ceremony 04. Every Little Counts 05. Leave Me Alone 06. Thieves Like Us 07. Way Of Life 08. Face Up 09. Temptation 10. Confusion 11. Blue Monday
STEREO SOUNDBOARD RECORDING