かの大名盤『LIVE ALIVE』を生んだ“SOUL TO SOUL TOUR”。その現場を絶品サウンドで体験できるライヴアルバムが登場です。そんな本作が記録されたのは「1985年10月11日バークレー公演」。その極上オーディエンス録音です。本作最大のポイントは素晴らしすぎるサウンド・クオリティとリアルな体験感にあるわけですが、まずはショウのポジション。当時のツアー日程から確かめてみましょう。●1985年・6月7日-30日:北米#1(12公演)・7月5日-15日:欧州#1(9公演)←※LIVE ALIVE・7月23日-9月29日:北米#2a(29公演)《9月30日『SOUL TO SOUL』発売》
・9月30日-12月31日:北米#2b(47公演)←★ココ★●1986年・1月23日-3月2日:北米#3(24公演)・3月6日-29日:オセアニア(17公演)・4月13日-5月3日:北米#4(12公演)・6月20日-8月29日:北米#5(34公演)←※LIVE ALIVE・9月12日-10月2日:欧州#2(16公演)
《11月15日『LIVE ALIVE』発売》 これが“SOUL TO SOUL TOUR”の全体像。ツアーはアルバム発売の約4ヶ月前から始まっており、約200公演の巨大スケールで世界を席巻。これは次の“LIVE ALIVE TOUR”にも匹敵するもので、まさに一大全盛期にあった事がよく分かります。そんな中で本作のバークレー公演が行われたのは最大レッグの「北米#2」。『SOUL TO SOUL』発売から8公演目となるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、まさに極上のオーディエンス録音。サウンドボードに比べると音色にオーディエンスらしさがありますが、それはあくまで音色レベルであって距離感ではない。特に凄いのはギター。距離感ゼロの密着感で耳元に流れ込み、鋭いリフも艶やかなロングトーンも芯も極太ならディテールも微細部まで超クッキリ。あまりに極太なギターに比べるとヴォーカルやリズム隊は少々下がりますが、それも座席で言うなら2列くらいの差でしょうか。音楽的に言えばギターが前に出すぎている気もしますが、その主がSRVとなれば話は別。全盛の生ギターワークを全身で浴びられるライヴアルバムなのです。そんなサウンドで描かれるのは『LIVE ALIVE』とは似て非なるショウ。ここで、伝統の公式盤と比較しながらセットを整理してみましょう。
●TEXAS FLOOD(3曲)・Mary Had A Little Lamb・LIVE ALIVEで聴けない曲:Testify/Lenny●COULDN'T STAND THE WEATHER(5曲)・Voodoo Chile (Slight Return)/Cold Shot・LIVE ALIVEで聴けない曲:Scuttle Buttin’/Tin Pan Alley/Couldn't Stand the Weather
●SOUL TO SOUL(7曲)・Say What!/Ain't Gone 'n' Give Up on Love/Look at Little Sister/Change It/Life Without You・LIVE ALIVEで聴けない曲:Lookin' Out the Window/Gone Home ……と、このようになっています。初期3枚を濃縮するスタイルは『LIVE ALIVE』と共通するものの、本作はさらに大ボリューム。オープニングからして『LIVE ALIVE』では聴けない「Scuttle Buttin’」ですし、その後も「Lookin' Out the Window」「Tin Pan Alley」「Couldn't Stand the Weather」といったレパートリーがたっぷり。特に終盤は「Testify」「Lenny」「Gone Home」の3連発でグイグイと盛り上げていきます。そんな名曲群が全盛の勢いたっぷりな演奏で楽しめるだけでも名盤確実ですが、さらに観客も熱い。ギターがとにかく極太なので邪魔にはなりませんが、曲間の盛大な喝采だけに留まらず、加熱していくインタープレイにどよめきと熱い声援が送られる。それがまたステージにフィードバックされ、演奏を更に加熱させていく。SRVの全盛期には数々のサウンドボードも残されているわけですが、この相互作用のリアリティは、オーディエンス録音だけのもの。それを極上レベルのクオリティで味わえるわけです。伝統の公式ライヴ盤にも匹敵する名演を繰り出しつつ、編集作だった『LIVE ALIVE』では味わえない一気貫通の体験感で貫かれた大傑作です。ロック史の奇跡でもあった“SOUL TO SOUL TOUR”の現場。極上サウンド簿本作でご体験ください。
Live at Greek Theatre, Berkeley, CA, USA 11th October 1985 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1(57:56)
1. Scuttle Buttin' 2. Say What! 3. Ain't Gone 'n' Give Up on Love 4. Lookin' Out the Window 5. Look at Little Sister 6. Mary Had a Little Lamb 7. Tin Pan Alley 8. Voodoo Chile (Slight Return) 9. Change It
Disc 2(45:38)
1. Cold Shot 2. Couldn't Stand the Weather 3. Life Without You 4. Testify 5. Band Introductions 6. Lenny 7. Gone Home
Stevie Ray Vaughan - guitar, vocals Chris Layton - drums Tommy Shannon - bass Reese Wynans - keyboards