黄金時代に匹敵する最強トリオにたどり着き、最高傑作とも言われる公式作『EVERYTHING LOUDER THAN EVERYONE ELSE』まで生み出した1998年のMOTORHEAD。そんな彼らの強力サウンドボード・アルバムが登場です。そんな本作に刻まれているのは「1998年7月18日サマーセット公演」。当時のMOTORHEADは最終トリオの2作目『SNAKE BITE LOVE』を引っさげて世界を蹂躙。そのパフォーマンスは超傑作『EVERYTHING LOUDER』を記録させるほどに高まっていました。まずは、“第2の絶頂期”とも言うべきツアー・スケジュールからショウのポジションを確かめてみましょう。
・2月26日+3月1日:北米#1(2公演)《3月10日『SNAKE BITE LOVE』発売》・4月3日:ユニバーサルシティ公演・4月30日-6月30日:欧州#1(26公演)←※公式盤・7月3日-8月2日:北米#2(OZZFEST:20公演)←★ココ★・8月12日-23日:欧州#2(4公演)
・10月4日-11月29日:欧州#3(32公演) これがMOTORHEADの1998年。『SNAKE BITE LOVE』リリース後に欧州をサーキットした彼らは渡米。旧友オジー・オズボーンが主催するフェス・ツアー“OZZFEST”に参加しました。本作のサマーセット公演は、その11公演目にあたるコンサートでした。そんなショウを記録した本作は、まさに傑作サウンドボード。「オフィシャル級」と呼ぶには、やや埃っぽくミックスもラフ……と言いたいところですが、それは普通基準の話。本作の主役はMOTORHEADですから当然普通ではなく、埃っぽいのは美点であり、ラフなのは賛辞。むしろ彼らの公式ライヴ作と同レベル以上に素晴らしいダイレクト・サウンドボードです。とは言え、超名盤とされる『EVERYTHING LOUDER』と比べると、あれほどのド迫力音圧ではありませんが、その分ナチュラルで聴きやすい。この感覚はむしろ『NO SLEEP 'TIL HAMMERSMITH』に近いと言えるかも知れない。いずれにせよ、歴史的な大名盤たちを比較に持ち出したくなる傑作なのです。そのサウンドで描かれるのは濃厚な『EVERYTHING LOUDER』をさらに圧縮したような特濃のショウ。ここで、本作のセットを整理してみましょう。●黄金トリオ時代(5曲)・OVERKILL:Stay Clean/No Class/Overkill・ACE OF SPADES:Ace of Spades
・IRON FIST:Iron Fist ●その他(3曲)・NO REMORSE:Killed By Death・SACRIFICE:Over Your Shoulder/Sacrifice ……と、このようになっています。MOTORHEADは2ndステージのトリとして参加していたのですが、その持ち時間は30分強と非常に短いセットでした。しかしその分、濃密。なぜか『SNAKE BITE LOVE』からのナンバーはなく、黄金時代の大代表曲群が軸となり、そこにMOTORHEAD史上“最重・最激”と言われる『SACRIFICE』の必殺2曲を加えている。そして、そのセットを綴る演奏が過激! あの『EVERYTHING LOUDER』から約2ヶ月後というトリオ・ポテンシャルでありながら、疲れる間もなく終わるショート・セット。冒頭から最後まで、一瞬の緩みもなく一気にヘヴィにファストに駆け抜ける!! これが悪かろうハズがないのです。大量に公式ライヴ作を残したMOTORHEADにあって、『EVERYTHING LOUDER THAN EVERYONE ELSE』は『NO SLEEP 'TIL HAMMERSMITH』と人気/評価を二分する超名盤。フィル・キャンベル/ミッキー・ディーとのトリオはレミーの死まで不動でしたが、3人のポテンシャルが絶頂を迎えたのは1998年だったのです。そんな最強トリオの頂点パワーをショート・セットに濃縮して叩きつける大傑作サウンドボード。
Float-Rite Park Amphitheatre, Somerset, WI, USA 18th July 1998 SBD (31:09)
1. Intro 2. Iron Fist 3. Stay Clean 4. Over Your Shoulder 5. No Class 6. Sacrifice 7. Killed By Death 8. Ace Of Spades 9. Overkill
Lemmy Kilmister - bass, vocal Phil Campbell - guitar Mikkey Dee - drums
SOUNDBOARD RECORDING