
1987年初頭のロイヤル・アルバート・ホール連続公演を経てスタートした「オーガスト・ヨーロッパツアー」から、11公演目となった1月18日のフランス、パリ公演を良好なステレオ・オーディエンス録音で完全収録したものです。前年に意欲作「AUGUST」をリリースし、バックバンドをブラックメンに一新して行なわれたツアーで、これまで11年に亘って使い続けてきた「ブラッキー」ストラトを引退させ、新たにフェンダーから提供を受けたシングネイチャーモデルのプロトタイプを使い始めたツアーでもありました(このツアーではフェラーリレッド・フィニッシュのカスタムストラトを使用)。ブラッキーのような枯れたヴィンテージサウンドではなく、ギンギンにエッジの立ったトーンで弾き捲り、クラプトンが新境地を示したツアーでしたが、ここに当時大ヒットアルバム「BROTHERS IN ARMS」で世界のロック界の頂点を極めていたバンド、ダイアー・ストレイツのリーダー兼ギタリスト、マーク・ノップラーが友情参加したことで非常に注目されました。ノップラーはステージ全編に亘って参加しており、各曲で繊細なオブリガートを入れ、ソロでもフィーチャーされるなど、クラプトンの楽曲を心憎いばかりに彩っています。二人の付き合いはこの後も長きに亘って続いていきますが、そのプレイ嗜好の合致を二人が確信したツアーであったと位置づけられます。セットリストも85年時からはガラリと変化し、定番曲Crossroadsから怒涛の迫力でスタートするステージは新鮮です。当時の新作「オーガスト」からは4曲のナンバーがセットイン、そのブラックコンテンポラリー色を残したまま従来の代表曲も演奏されます。このステージの印象は、一言で言えば「シャープネス」。これほどキレのあるクラプトンのプレイはそれまで聴いたことがなかったくらいです。特に「Tearing Us Apart」での弾き捲り具合は凄いです。それを目の当たりにしたオーディエンスの盛り上がりもピークに達しています。また、「Badge」では、歌入り前のイントロでかなり長いソロを弾き切っており、こんなパターンは同曲のライブでは非常に珍しいことです。そしてノップラーの友情に応え、彼の大ヒット曲Money For Nothingでフィーチャーしてやるクラプトンらしさも見せています。メンバー全員にソロが回されるアンコールも聴きものです。やはりセカンドギタリストから刺激を受けた時のクラプトンはより輝いて見える印象です。パリのオーディエンスも大盛り上がり。そんなステージを克明に捉えた本盤でクラプトンの凄さを実感してみてはいかがでしょうか
Live at Le Zenith, Paris, France 18th January 1987 PERFECT SOUND
Disc 1(59:40)
1. Crossroads 2. White Room 3. I Shot The Sheriff 4. Hung Up On Your Love 5. Wonderful Tonight 6. Miss You 7. Same Old Blues 8. Tearing Us Apart 9. Holy Mother
Disc 2(48:07)
1. Badge 2. Let It Rain 3. Cocaine 4. Layla 5. Money For Nothing 6. Sunshine Of Your Love 7. Further On Up The Road
Eric Clapton - guitar / vocals Mark Knopfler - guitar Greg Phillinganes - keyboards Nathan East - bass Steve Ferrone - drums