JUDAS PRIESTの音源史上でも、最高音質のひとつに数えられる超決定サウンドボードが復活です! 本作は、問題作「TURBO」に伴う……おっと、ここで読み飛ばそうとされたあなた、まだ早い! 読むだけなら損はありませんから、もう少しお付き合いを……。そう、「TURBO」はポップな問題作。しかも、そのツアーはオフィシャル盤「PRIEST...LIVE!」にもなっているのですから、アンダーグラウンドの出番ではないと思われるかも知れません。しかし、本作のクオリティは、それを押してでも聴いていただきたいほど完璧。演奏、サウンド、ミックス、すべてがプロフェッショナルで、そのまま公式リリースできる……といいますか、公式「PRIEST...LIVE!」よりも素晴らしいのです。そこまで言うのも、実は「PRIEST...LIVE!」は複数公演を組み合わせた編集盤だからです。LPや初期CDからあるメインパートは「6月15日アトランタ公演」「6月27日ダラス公演」の組み合わせの上、コンサートの全容の分からない不完全版でした。その後、リマスター・シリーズで増補版が出ましたが、これがまたくせ者。ボーナスとして追加されたのは、会場も年もまったく関係ない曲まで含まれていた。「You've Got Another Thing Comin’」で盛り上がったアンコール・ムードに突然1982年の「Screaming for Vengeance」や1984年の「Rock Hard, Ride Free」が飛び出す……。いや、超名曲が聴けるだけ嬉しいのは嬉しかったのですが、演奏したはずの「Locked In」は? 「Desert Plains」は? いくら「IN THE EAST」と被るからと言っても、そこは「Victim Of Changes」「Green Manalishi (with The Two-Pronged Crown)」でしょうに……と小言の二つ三つも言ってやりたくなる大雑把な仕事だったのです。その点、本作は紛れもない1本のライヴ、「1986年5月22日カンサス公演」が通しサウンドボードで聴けます。しかも、妙に音が整理されながら不自然な大歓声を被せられた「PRIEST...LIVE!」とはまったく違う生々しさもパックされている。毎度毎度、話題作・問題作を作り続けるJUDAS PRIESTですが、常に「でも、ライヴは凄い」と言われ続けていました。その真価は、1986年も例外ではないことがハッキリと分かるのです。本作から聞こえる「TURBO」のナンバーも、確かにポップです。しかし、JUDAS PRIESTのポップとは、ライヴの“乗せ曲”を意味します。なぜ、「Living After Midnight」や「You've Got Another Thing Comin’」がライヴのクライマックスの座を譲らないのか思い出せば、実感していただけるでしょう。それらの曲に匹敵するとは言いませんが、「Locked In」も「Private Property」も、そして「Turbo Lover」も、ライヴでこそ真価を発揮しているのです。あなたが「TURBO」「PRIEST...LIVE!」をお好きなのであれば、その本生バージョンを味わえる本作は、問答無用のお薦めです。しかし、もしそうでなかったとしても、本作を聴いてから“1986年のJUDAS PRIEST”の評価を下していただきたい。
Live at Municipal Auditorium, Kansas City, MO. USA 22nd May 1986 STEREO SBD
Disc 1 1. Out In The Cold 2. Locked In 3. Heading Out To The Highway 4. Metal Gods 5. Breaking The Law 6. Love Bites 7. Some Heads Are Gonna Roll 8. The Sentinel 9. Private Property 10. Desert Plains 11. Rock You Around The World
Disc 2 1. The Hellion / Electric Eye 2. Turbo Lover 3. Freewheel Burning 4. Victim Of Changes 5. Green Manalishi (with The Two-Pronged Crown) 6. Living After Midnight 7. You've Got Another Thing Comin' 8. Hell Bent For Leather
STEREO SOUNDBOARD RECORDING Rob Halford - Vocals Glenn Tipton - Guitars, Synthesized Guitars K.K. Downing - Guitars, Synthesized Guitars Ian Hill - Bass Dave Holland - Drums