ランディ・ローズを得て独り立ちを成し遂げたオジー・オズボーンと、今まさに『NO SLEEP 'TIL HAMMERSMITH』を世に送り出そうとしていたMOTORHEAD。両雄が激突したフルショウを体験できる新発掘ライヴセットが登場です。そんな本作が記録されたのは「1981年4月26日ベツレヘム公演」。その一部始終を真空パックしたオーディエンス録音セットです。当時のオジーは”BLIZZARD OF OZZ TOUR”で全米制覇に乗り出したばかりでしたが、そのツアーには様々なバンドがサポートに付きました。今週永久保存された新名盤『SOUTH FALLSBURG 1981』のサウス・フォールズバーグ公演ではDEF LEPPARDがサポートに付いており、彼らの同日録音『SOUTH FALLSBURG 1981』も同時リリースとなります。それに対し、本作のベツレヘム公演ではMOTORHEADとTHE GOOD RATSの2組がサポート。本作はその合計3組を完全収録しているのです。ここで、本作の内容を簡単に整理しておきましょう。
・DISC 1:THE GOOD RATS・DISC 2:MOTORHEAD・DISC 3:OZZY OSBOURNE ……と、このようになっています。それぞれのバンドが貴重な新発掘マスターなのですが、本作はまとめて「1981年の一夜」をフル体験できてしまうわけです。
【ランディのギターがダイレクトに味わえる新発掘マスター】
しかも、そのクオリティもハンパではない。実は、3本とも今話題のルートから発掘された。それは「luvsufo」コレクション&発掘の名門「Krw_co」トランスファー。そう、今週同時リリースとなるオジーやDEF LEPPARDの姉妹作『SOUTH FALLSBURG 1981』と同じルートなのです。実際本作のサウンドは絶品。あくまでもヴィンテージ・オーディエンスの範疇ではありますが、何よりも素晴らしいのは力強い芯。とにかく骨太で肉厚な芯がグイグイと攻め立ててくる。しかも、あまりにもパワフルなために爆音になりそう……と思わせつつ、そうはならない。極太な芯に引っぱられるようにディテールまでクッキリと手元まで届くのです。特に素晴らしいのがギター。華麗に舞うメロディも、荒れ狂うリフ・ワークも1音残さず機微まで絶品。ポジションのせいか、録音者の意図によるものか、とにかくランディが鮮やかに味わえるギター録音です(発掘マスターの原音では大幅に狂っていたピッチも正確に整えています)。そんなギターやオンな個性は『SOUTH FALLSBURG 1981』にも通じるものですが、同時に聴いてしまうとオジーのヴォーカルに(わずかに)距離が感じられなくもない。ド密着な『SOUTH FALLSBURG 1981』がプレス化され、本作はShadesレーベルからのご紹介となった所以です。とは言え、本作にも『SOUTH FALLSBURG 1981』を超えるポイントがある。それは「No Bone Movies」。曲自体は『TRIBUTE』でも聴けるために「激レア!」と喧伝するものではありませんが、『SOUTH FALLSBURG 1981』では演奏していなかった曲。もちろん、ランディの生演奏は1テイクでも貴重ですし、それを目の前に迫るパワフル・サウンドで楽しめるのです。
【ブルース・キューリックも参加したTHE GOOD RATSと黄金時代のMOTORHEAD】
実は、このサウンドが殊更嬉しくなるのがMOTORHEAD。とにかくパワフルで「押し」の音像がノイズ寸止めのバンド・サウンドにメチャクチャ似合う。アニマル・テイラーのドラミングは1打1打まで超克明に暴れ回り、ノイジーなエディ・クラークのギターもレミーの咆哮もド迫力。そして何より、ベース。リズム・ギター的なカッティングがゴリッゴリのバッキバキ。この低音の鮮やかさに関しては『SOUTH FALLSBURG 1981』をも凌駕しており、それがMOTORHEADで映えまくるのです(2曲目の「Stay Clean」から次曲「Over The Top」の途中までナゼカ少し軽くなりますが)。本作のメイン・アクトはオジーなのですが、ベスト・アクトは(サウンドが後押しする)MOTORHEADかもしれません。しかも、MOTORHEAD編はセットも美味しい。『NO SLEEP 'TIL HAMMERSMITH』リリースの約2ヶ月前となるショウなのですが、あの歴史的名盤と同じテンションでありつつ、内容は異なる。『NO SLEEP 'TIL HAMMERSMITH』では聴けない「Over The Top」「Leaving Here」「Jailbait」「Bite The Bullet」「The Chase Is Better Than The Catch」もブチかましてくれるのです。話は前後してしまいましたが、貴重度で群を抜くのは一番手のTHE GOOD RATSでしょう。1969年にデビューしたNYの老舗ハードロック・バンドですが、1981年と言えば6thアルバム『GREAT AMERICAN MUSIC』時代。アルバムにも参加していたブルース・キューリックがツアーにも同行しており、「KISS以前のブルース」に本生100%サウンドで対面できる。もちろん、前ツアーから生まれた『LIVE AT LAST』ともセットが異なり、「Beethoven」「Icy Cold」「New York Survivor」「Mr. Mechanic」といったナンバーも楽しめます。ランディ時代のオジー、黄金トリオのMOTORHEAD、ブルースもいたTHE GOOD RATS。とにかく聴けるだけでもありがたいレベルの貴重なライヴをパワフルなマスターサウンドで完全体験できてしまう3枚組です。ヘヴィメタルの爆発前夜でありながら、黄金期以上に芳醇だった「1981年」。その旨みを同一録音家の現場サウンドで味わえる豪華セット。
Stabler Arena, Bethlehem, PA, USA 26th April 1981 TRULY AMAZING SOUND *Pitch Adjusted
Disc 1(37:08) THE GOOD RATS 1. Intro 2. Beethoven 3. Icy Cold 4. Reason To Kill 5. New York Survivor 6. Mr. Mechanic 7. Victory In Space 8. Klash-Ka-Bob incl. Bass & Drum Solo
Peppi Marchello - Lead Vocals Bruce Kulick - Guitar ★ Mickey Marchello - Guitar, Vocals Joe Franco - Drums Schuyler “Shady” Deale - Bass
Disc 2(43:33) MOTORHEAD 1. Intro 2. Ace Of Spades 3. Stay Clean 4. Over The Top 5. The Hammer 6. Leaving Here 7. Jailbait 8. Capricorn 9. Bite The Bullet 10. The Chase Is Better Than The Catch 11. Overkill
Lemmy Kilmister - vocals, bass Fast Eddie Clarke - guitar, vocals Phil "Philthy Animal" Taylor - drums
Disc 3(70:52) OZZY OSBOURNE 1. Carmina Burana 2. I Don't Know 3. Crazy Train 4. Believer 5. Mr. Crowley 6. Flying High Again 7. Revelation (Mother Earth) 8. Steal Away (the Night) 9. Drum Solo 10. No Bone Movies 11. Suicide Solution 12. Guitar Solo 13. Iron Man
14. Children Of The Grave 15. Paranoid
Ozzy Osbourne - vocals Randy Rhoads - guitar Rudy Sarzo - bass Tommy Aldridge - drums Lindsey Bridgwater - keyboards