故コージー・パウエルやメル・ギャレイを迎え、パワフルに甦った1983年の白蛇。その日本公演を伝える衝撃のオリジナル録音が新発掘です。その衝撃マスターに記録されていたのは「1983年2月8日:北海道厚生年金会館」公演。その全貌を捉えた極上オーディエンス録音です。初来日から大人気のWHITESNAKEでしたが、さらにコージーを迎えた事で日本人気は最初の絶頂。当店でも、数々の傑作でその模様をアーカイヴして参りました。まずは、当時の日程を振り返り、そのコレクションを整理してみましょう。・2月7日:北海道厚生年金会館・2月8日:北海道厚生年金会館 ←★本作★
・2月10日:福島文化センター・2月12日『MILITARY GARRISON(宇都宮)』・2月14日『ULTIMATE SIN(大阪)』・2月15日『ULTIMATE SIN(大阪)』・2月16日:京都会館・2月18日:大阪厚生年金会館・2月21日『MILITARY GARRISON(名古屋)』・2月22日『DEFINITIVE BUDOKAN 1983』
・2月23日『PYTHON MAGNUM(武道館)』※注:各日とも代表作のみ。 以上、全11公演。白蛇は現在までに15回来日しているわけですが、その平均は7.4公演。11公演というのは1997年のサヨナラ・ツアーに次ぐ歴代2位の公演数であり、もちろんブルースロック時代では最多。大舞台の日本武道館も設定され、いかに当時の人気が高かったのかがよく分かります。そんな日本ツアーは北海道からスタート。本作はその2公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、まさに衝撃のオーディエンス録音。まず何よりフルショウ収録。実のところ、このショウは以前から記録が出回っていましたが、CD1枚に収めるためか「Love Hunter」や各メンバーのソロタイムが大幅に抜け落ちた不完全版。それに対し、本作は開演前から「We Wish You Well」までフルショウを楽しめるのです。そして、それ以上に素晴らしいのがサウンド。録音家自身から直接譲られたというマスター・カセットからCD化されており、とにかく猛烈に端正!サウンドボード的なド密着感ではないのですが、その鳴りがしっとりとまろやかでありつつ、不思議とディテールを隠さない。その要はぶっとい芯。楽器1つひとつの芯がホール鳴りを強引に掻き分けるように手元に届き、固まりにならず分離感まで鮮やか。このツアーというと日本武道館の流出サウンドボードが有名ですが、本作はリズム・ギターが消えてしまうような不思議ミックスでもなく、アンサンブルの隅々まで克明。むしろ、鳴りがサウンドの厚みとなってダイナミズムを増強するタイプの希有な名録音なのです。そんなサウンドで描かれるのは、ジョン・ロードをして「今まででNo.1のジャパン・ツアー」と言わしめたフルショウ。このツアーは固定セットだけに今さらではありますが、良い機会でもありますので整理しておきましょう。LOVEHUNTER(2曲)・Walking In The Shadow Of The Blues/Love Hunter READY AN' WILLING(2曲)・Ready An' Willing/Fool For Your Loving
COME AN' GET IT(2曲)・Don't Break My Heart Again/Wine, Women An' Song SAINTS & SINNERS(3曲)・Rough An' Ready/Here I Go Again/Crying In The Rain その他(3曲+α)・Soldier Of Fortune/全員のソロタイム/(Ain't No Love) In The Heart Of The City/Thank You
……と、このようになっています。『LOVEHUNTER』から『SAINTS & SINNERS』までクラシック・スネイクの名盤たちからバランス良くセレクトされ、合間合間にはメンバー全員のソロ(アカペラの「Soldier Of Fortune」はカヴァデールのソロと言っても良いでしょう)を盛り込む。もちろん、コージーのソロもあるわけですが、ここでは「火星」ではなく「633爆撃隊」付きの「序曲1812年」。MSG時代と並び、コージー史上もっともゴージャスで長尺なバージョンのソロを極上サウンドで現場体験できるわけです。そんなショウは日本各地で味わえたわけですが、ここ北海道でも格別の熱演が凄い。その要はやはりコージー。1984年はジョン・サイクスとの化学変化でヘヴィ・メタリックですらありましたが、1983年はパワフルではあってもあくまでもハードロック。もちろんイアン・ペイスのようなしなやかさとはまるで違うものの、ド迫力に攻め立てつつもグルーヴィなのです。これにはコリン・ホジキンソンの存在も大きいのでしょう。コージーの言う事を聞かなかったと言われていますが、そんな彼だからこそグルーヴが損なわれない。同じくジャズロック上がりとは言っても、器用な上に空気を読む性格のニール・マーレイだとメタリック風にも付き合ってしまったのとは好対照です。そして、本作のサウンドは、そんな1983年の旨みが最大限に味わえる。実のところ、ベースだけはやや丸くもあるのですが、そもそもホジキンソンは(サウンドによっては)アタック音が鋭すぎるベーシストでもある。ところが本作は鳴りによってドラムとの一体感がパワーに転化し、ゴリゴリとした感触の芯にあるグルーヴ間は浮かび上がる。こうなるとコージーも俄然活きる。バシャバシャ・ドカンドカンと大暴れがとんでもないド迫力で轟き、それでいながらビビりもせず、ギターやオルガン、そして雄々しきカヴァデールの歌声がクッキリと分け入ってくる。迫力やグルーヴを存分に味わえながら1人ひとりが紡ぐ旋律やビートに注目してもハッキリと分かる。まるで“1983年の白蛇”を味わうための専用サウンドのような名録音なのです。バーニー・マースデン時代の繊細な情感とも、ジョン・サイクス時代の攻撃的な金属感とも違うWHITESNAKE。押しの強いパワーとグルーヴに特化したブルースロックを全身で味わえるライヴアルバムです。単に初登場の物珍しさだけでなく、コレクションを埋めていくピースでもない。オーディエンスだからこそ描き出せる“1983年の真価”をたっぷりと吸い込んだ芳醇で力強い英国ブルースロックの1つの極み。
Live at Hokkaido Koseinenkin Kaikan, Sapporo, Japan 8th February 1983 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (54:33) 1. Intro. 2. Walking In The Shadow Of The Blues 3. Rough An' Ready 4. Ready An' Willing 5. Don't Break My Heart Again 6. Here I Go Again 7. Love Hunter 8. Micky Moody Solo 9. Colin Hodgkinson Solo 10. Micky Moody Solo (reprise)
11. Love Hunter(reprise) 12. Crying In The Rain incl. Mel Galley Solo 13. Soldier Of Fortune
Disc 2 (39:35) 1. Jon Lord Solo 2. Cozy Powell Solo feat. 633 Squadron & 1812 Overture 3. (Ain't No Love) In The Heart Of The City 4. Fool For Your Loving 5. Thank You 6. Wine, Women An' Song 7. We Wish You Well
David Coverdale - Vocals Mel Galley - Guitar, Vocals Micky Moody - Guitar, Vocals Jon Lord - Keyboards Colin Hodgkinson - Bass Cozy Powell - Drums