
英雄RUSHが人気の絶頂を迎えた“MOVING PICTURES TOUR”。そのフルショウを伝えてきた大名盤がリリース決定です。そんな本作に収められているのは「1981年3月25日トロント公演」。その絶品オーディエンス録音です。今週は伝統の名録音がアップグレードした超名盤『ANAHEIM 1981 MIKE MILLARD 1ST GEN』『LONG BEACH 1981』が2作同時リリースとなりますが、本作もまた“MOVING PICTURES TOUR”屈指の名録音なのです。何はさておき、まずはショウのポジション。『MOVING PICTURES』旋風が吹き荒れた1981年のツアー・スケジュールからショウのポジションを確かめてみましょう。《2月12日『MOVING PICTURES』発売》・2月20日-4月26日:北米#1(42公演)←★ココ★・5月6日-7月5日:北米#2(37公演) 《10月29日『EXIT... STAGE LEFT』発売》・10月29日-11月29日:欧州(20公演)・12月1日-22日:北米#3(15公演) これが1981年のRUSH。今週同時に永久保存された『ANAHEIM 1981 MIKE MILLARD 1ST GEN』『LONG BEACH 1981』はどちらも「北米#2」のライヴアルバムでしたが、本作はグッと初期。「北米#1」の19公演目で、故郷トロントでの3夜連続公演の最終日。このツアーからは伝統の公式ライヴアルバム『EXIT... STAGE LEFT(の一部)』としても残されていますが、その現場は“3月27日モントリオール公演”。本作は、その“1つ前”のコンサートなのです。そんなショウで記録された本作は、フルショウ収録の長さと絶品のサウンドを兼ね備えているのがポイント。そもそも1981年の完全録音自体が貴重で、しかもサウンドまで素晴らしいとなると数えるほどしかない。当店では上記の2作の他に『DEFINITIVE CHICAGO 1981(Cygnus 014/015)』もプレス化しておりますが、本作はそれらに並ぶ四天王の一角と言ってもいい名録音なのです。実際、本作を再生すると流れ出すのは極めて端正なサウンド。芯のダイレクト感では上記3作に一歩及びませんが、だからと言って遠いわけでは(決して!)ない。ホール鳴りもヴォーカルの音色や伸びくらいにしか感じられず、ドラムの1打1打は力強く、ギター・ワークも細部まで鮮明。客録では弱みになりがちな低音もクッキリとしており、ベースのアタック音もブリブリ・ゴリゴリとカッコイイのです。オーディエンス離れしたサウンドの中で最も客録らしさを感じさせるのは、観客の息吹。念のために申しますと、本作は別に間近の絶叫が轟くわけではなく、むしろ標準よりもオーディエンス・ノイズが小さいくらい。しかし、その小さい大歓声が鳴り止まない。普通、喝采は曲間だけ特出するものですが、本作は骨太・肉厚な演奏音の向こう側に(微かながら)喝采がなり続け、凄絶な盛り上がりなのはハッキリと分かるのです。それもそのはず。本作の現場は『MOVING PICTURES』がマルチ・プラチナムに輝く大ヒットの真っ直中であり、その震源地である故郷トロント。RUSHの40年は常に成功と共にありましたが、その絶頂中の絶頂である場所と時間を真空パックしているのです。そんな現場で綴られるのは、絶頂なればこそのフルショウ。ここで、その内容も整理しておきましょう。70年代・FLY BY NIGHT;Beneath, Between & Behind・2112:2112 (Overture/The Temples Of Syrinx)(★)・A FAREWELL TO KINGS:Xanadu/Closer To The Heart
・HEMISPHERES:Hemispheres (Prelude)(★)/(Broon's Bane &) The Trees/La Villa Strangiato・70年代メドレー(★):Working Man/Hemispheres (Armageddon)/By-Tor And The Snow Dog/In The End/In The Mood/2112 (Grand Finale) PERMANENT WAVES
・Freewill/The Spirit Of Radio/Natural Science(★)MOVING PICTURES ・Limelight(★)/The Camera Eye(★)/YYZ/Red Barchetta/Tom Sawyer/Vital Signs(★)※注:「★」印は公式『EXIT... STAGE LEFT(アルバム版)』で聴けない曲。……と、このようになっています。先述したように、本作は『EXIT... STAGE LEFT』の1つ前にあたるわけですが、伝統の公式盤では聴けない名曲もたっぷりと披露される。「EXIT... STAGE LEFTの完全版」にもっとも近いライヴアルバムでもあるのです。フルショウの後、ボーナス収録されたトロント公演を宣伝するFM音源で幕を閉じる本作。“MOVING PICTURES TOUR”屈指の名録音というだけでなく、頂点中の頂点である故郷のフルショウを現場体験でき、「EXIT... STAGE LEFTの全景」まで想起させてくれる。いかなる視点でも必聴の1本なのです。
Live at Maple Leaf Gardens, Toronto, Ontario, Canada 25th March 1981 TRULY AMAZING SOUND
Disc 1 (66:54) 01. 2112 (Overture / The Temples Of Syrinx) 02. Freewill 03. Limelight 04. Hemispheres (Prelude) 05. Beneath, Between & Behind 06. The Camera Eye 07. YYZ / Drum Solo / YYZ 08. Broon's Bane 09. The Trees 10. Xanadu 11. The Spirit Of Radio
Disc 2 (62:01) 01. Red Barchetta 02. Closer To The Heart 03. Tom Sawyer 04. Vital Signs 05. Natural Science 06. Medley: Working Man / Hemispheres (Armageddon) / By-Tor And The Snow Dog / In The End / In The Mood / 2112 (Grand Finale) 07. La Villa Strangiato
Bonus Track 08. CHUM FM Special Of The Week