
日本と並んでQUEENを熱狂に愛した南米。その最後の一夜を現場体験できるライヴアルバムがリリース決定です。そんな本作が記録されたのは、今を去ること35年前。「1985年1月19日リオ・デ・ジャネイロ公演」。歴史に名高い超巨大イベント“ROCK IN RIO”の現場を封じ込めたオーディエンス録音です。“ROCK IN RIO”と言えば、オフィシャル作品『LIVE IN RIO』ともなり、ブーイング事件が起きたことでも有名です。しかし、それは初日“1月12日”の話。QUEENは“ROCK IN RIO”に2公演出演しており、本作の現場は事件から1週間を空けた2公演目なのです(『LIVE IN RIO』には一部19日のテイクも使用されています)。当時はその他にも南アフリカ公演バッシングや最後の日本公演、それに“LIVE AID”などメモリアルな出来事が盛りだくさん。まずは、そんな流れを振り返り、ショウのポジションを確かめてみましょう。1984年 《2月27日『THE WORKS』発売》・8月24日-9月30日:欧州(23公演)
・10月5日-20日:南アフリカ(9公演)1985年・1月11日+18日:ROCK IN RIO(2公演)←★ココ★・4月13日-29日:オセアニア(9公演)・5月8日-15日:日本(5公演)・7月13日:LIVE AID これが1984年/1985年のQUEEN。“HOT SPACE TOUR”から2年を経てロードに戻ってきたわけですが、南アフリカ公演を行った事で世界中から大バッシング。その苦境から逃れるかのように親QUEEN地域である南米へと渡りました。この時はツアーではなく“ROCK IN RIO”2公演のみであり、本作はその最終夜にあたります。そんなショウを伝える本作は、リアルなヴィンテージ・オーディエンス。さすがの巨大会場だけあってやや距離は否めず、マスター鮮度も並。「まるでサウンドボード」「極上」と喧伝するタイプでもないのですが、その一方で聴きやすくもある。ノイズに苛まれる録音ではなく、空間を貫いてくる演奏やフレディの歌語はくっきり。25万人とも言われる大群衆を目の当たりにしたフレディの発奮ぶりはハッキリと分かり、リズムも力強く轟きつつも決して轟音にもならない。しかも、後半に向かうほど芯も逞しく、鮮やかになっていく。たしかに多少のオーディンス慣れは必要かも知れませんが、慣れている方なら問題なく浸りきれるサウンドなのです。その上で、本作のポイントになるのはリアルな現場の息吹。『LIVE IN RIO』他のプロショットをご覧になった方は盛大な喝采が渦巻くオーディエンス・ノイズをご記憶かと思いますが、あれは明らかにフェイク。他バンドの“ROCK IN RIO”映像にも言えることですが、ロック未開だった南米仕事のせいかワンパターンの大歓声をリピートで被せており、演奏中と曲間の区別もなく鳴り続ける口笛には臨場感皆無。まさに「ノイズ」でした。それに対し、本作は正真正銘の本生100%。演奏中はしっかりと聞き込み、曲間になると間欠泉のように歓喜が吹き出すのです。もちろん、手拍子もビートにシンクロしていますし、ヒット曲の数々では広大な唱和も沸き起こる。そして、それがまた巧い。『LIVE IN RIO』でも「Love Of My Life」の大合唱が感動的でしたが、現場のただ中に立つとその感動がまたひとしお。さらに言えば、他の曲でも頻繁に大合唱が起こる。「Somebody To Love」でも「Crazy Little Thing Called Love」でも「Bohemian Rhapsody」でも。そして、「I Want To Break Free」。『LIVE IN RIO』でも2公演目のテイクが使われていましたが、これが非常に素晴らしい。この曲は軍事独裁政権に苦しんできたブラジル人にとって開放と自由を象徴する歌だったそうですが、それが痛いほどに伝わる。『LIVE IN RIO』ではサビだけミックスされていました(それだけでも感動的でした)が、現場は決してそれどころではなかった。ひたすらずっとフレディに付き従って歌う声の高揚感と言ったら……本作からは観客の姿は見えませんが、大粒の涙を流しながら歌っているに違いありません。その歓喜は最後の最後まで続く。「God Save The Queen」の後で会場BGMとしてフェスのテーマソングが流れるのですが、興奮した観客たちも一斉に歌い出す。そして、感極まった1人の観客が“ROCK IN RIO!!”と絶叫! QUEENの大熱演をフルで味わった後だからこそ、彼らと一緒に体験したからこそ、その気持ちがよく分かるのです。QUEENにとっても、南米にとっても特別だった「1985年1月19日」。後年、シングル『A Winter's Tale』に「Rock in Rio Blues」を収録したことでも想いの深さは窺い知れますが、本作はその一夜を現場で体験できるライヴアルバムです。日本にさえ並ぶと言われた親QUEEN国でありながら、日本ほど機会に恵まれなかったブラジル。その乾きが歓喜となってすべてを洗い流す感動的で爽やかでさえあるフルショウ。
Barra da Tijuca, Rio de Janeiro, Brazil 19th January 1985 TRULY AMAZING SOUND 35th Anniversary
Disc 1(53:56) 1. Machines 2. Tear It Up 3. Tie Your Mother Down 4. Under Pressure 5. Somebody To Love 6. Killer Queen 7. Seven Seas Of Rhye 8. Keep Yourself Alive 9. Liar 10. Rock In Rio Blues 11. It's A Hard Life 12. Dragon Attack 13. Now I'm Here 14. Is This The World We Created?
15. Love Of My Life
Disc 2(58:21) 1. Guitar Solo 2. Brighton Rock 3. Another One Bites The Dust 4. Mustapha 5. Hammer To Fall 6. Crazy Little Thing Called Love 7. Bohemian Rhapsody 8. Radio Ga Ga 9. I Want To Break Free 10. Jailhouse Rock 11. We Will Rock You 12. We Are The Champions
13. God Save The Queen 14. Rock In Rio Theme Song