“究極のメタルバンド”とも言えるデイヴ・ムステイン在籍時の極初期METALLICA。そのデモ・コレクションをパーフェクトにする1枚が嬉しいリリース決定です! 初期METALLICAのデモを整理すると、大きく以下の3つに分けられます。【ガレージ・デモ】ガレージで録った練習や作曲リハなど(82年3?4月)
【スタジオ・デモ】「NO LIFE 'TIL LEATHER(82年7月)」と「MEGAFORCE DEMO(83年3月)」【ライヴ・デモ】「LIVE METAL UP YOUR ASS(82年11月)」のみ 本作はデモと言っても、見逃されがちな【ライヴ・デモ】。ライヴと言っても客の隠し録りブートではありません。かの「NO LIFE 'TIL LEATHER」と同じように、アートワーク付きのカセットでファンクラブ・リリースされ、名著「ヘヴィ・メタル革命」にも登場するアマチュア時代の公式アイテムです。「NO LIFE 'TIL MEGAFORCE」&「McGOVNEY'S GARAGE 1982」に本作を加えることで、初めてコンプリートとなるのです!!ムステイン時代のライヴとなると、livemetallica.comでフリーダウンロードできるサウンドボード音源(本作と同じオールド・ウォルドーフでのライヴですが、日付は約1ヶ月違いの10月18日)が有名ですが、“METALLICA初のライヴ・アルバム”は本作だったわけです。単に貴重なコレクションというだけでなく、収められた音楽も非常に素晴らしい。ライン録音ではないと思われますが、いわゆる「オーディエンス録音」と聞いてイメージする音ともちょっと違い、全員の楽音をしっかりと捉えたダイレクトサウンド。バンド自身がデモ用に録ったというのも納得のライヴ・アルバムです。前半はチリチリとしたノイズが気になりますが、徐々に落ち着いていき、後半は熱いメタルに没頭できます。ちなみに冒頭が欠けている「Hit The Lights」を別日で補完したブートも存在しますが、本作は“オリジナルに忠実”をモットーにしました。当時のMETALLICAは、すでに「NO LIFE 'TIL LEATHER」をリリースしており、初期衝動に突き動かされながらもセミプロとしての貫禄が身についたライヴは迫力満点。特に、この日が4回目となる「Whiplash」の格好良さと言ったら! ロン・マクガヴァニーは「毎回、あの曲をやる度にゾクゾクした」と語っていましたが、まさに究極のスラッシュメタル! この曲が書かれた日付は分かりませんが、サウンドボードで録られた「10月18日」時点では演奏されたことがなく、ここで聴けるのが現存する最も初期の「Whiplash」なのです。それも、歓声にまったく邪魔されないサウンドで聴けるとは……。本作が録音された「1982年11月29日」は、ロン・マクガヴァニーが脱退する直前にあたり、翌12月にクリフ・バートンが加入するというタイミングでした。しかも、この日の前座を務めたのはカーク・ハメット率いるEXODUS。マクガヴァニーは、当日を振り返ってこう語っています。「今でもよく覚えているよ。この日は酷い土砂降りだったんだけど、(ライヴの後)雨の中、全身デニムで固めたクリフが立っていたんだ。それで、俺はクリフに『家まで車に乗せて行ってやろうか?』と声をかけたんだよ。なんだか気の毒に思えたからね。たぶん、あれが前触れだったのだろう……。翌日(11月30日)、俺たちは『マブハイ・ガーデン』でプレイしたんだが、それがまさに決定打、METALLICAとの最後のコンサートになったんだ」歴史的な名曲が日増しに書かれていき、まだ無名の英雄たちが交錯する日々。まさに、1日1日で運命が変わっていく転機の連続だったのです。あの時代に何が起き、どんな音楽が響いていたのか。そんな極初期に鳴っていた“生のMETALLICA”を伝えてくれる貴重な1本。貴方も「1982年の体験者」になってみませんか?
(55:06) 1. Hit The Lights 2. The Mechanics 3. Phantom Lord 4. Jump In The Fire 5. Motorbreath 6. No Remorse 7. Seek & Destroy 8. Whiplash 9. Am I Evil ? 10. Metal Militia James Hetfield - Vocals, Rhythm Guitar Dave Mustaine - Lead Guitar Ron McGovney - Bass Lars Ulrich - Drums