
『STAGE』を生んだ“ISOLAR II 1978 TOUR”の北米レッグ。その現場を伝える極上マスターが新発掘。そんな本作に収められているのは「1978年4月2日フレズノ公演」。その極上オーディエンス録音です。人気の高いベルリン時代だけに当店でも数多くのライヴアルバムでアーカイヴしてきましたが、本作はまったくの初登場。既発のアップグレードでもなければ、別録音ですらない。昨年末、ネット上に突如としてこれまでまったく知られてこなかったフレズノ公演の録音が登場。今この瞬間も世界中のコレクターを震撼させている新録音なのです。その気になるクオリティの前に、まずはショウのポジション。恒例のツアー日程から確かめてみましょう。・3月29日-5月9日:北米(31公演)←★ココ★・5月14日-7月1日:欧州(34公演)《9月『STAGE』発売/『LODGER』制作開始》・11月11日-12月2日:オセアニア(9公演)・12月6日-12日:日本(5公演) これが“ISOLAR II WORLD TOUR”の全体像。このツアーと言えば、何はさておき伝統のオフィシャル盤『STAGE』が浮かぶわけですが、本作のフレズノ公演も同じ「北米」レッグ。その3公演目にあたるコンサートでした。『STAGE』は4月末から5月頭にかけての4公演から製作されていますので、本作はその約1ヶ月前ということになります。そんなショウを記録した新録音は、厳密に言うと部分的に公開されていました。実のところ、それは映像作。70年代フレズノのヴィンテージ映像をシリーズでご紹介しておりますが、そのボウイ編『FRESNO 1978: THE VIDEO』で使用されていた音声なのです。このフレズノ映像シリーズは極上サウンドでも知られているものの、ほとんどのケースでは録音自体は知られており、次々と登場するバンド群がすべて極上。「あの極上録音たちは同じテーパーの物だったのか!」と驚かれているのです。しかし、ボウイ編はちょっと話が違った。これまで1978年フレズノ公演からは一切の録音が発掘されておらず、映像に被せられたサウンドに海外コレクターの間では「この録音は一体何だ!?」という騒ぎが起きた。その評判に応えたのかどうかは分かりませんが、衝撃映像から遅れること数ヶ月で今度はナゾ録音の全長版が公開された……それが本作なのです。 実際、そのサウンドは映像を遙かに超える衝撃。映像編『FRESNO 1978: THE VIDEO』を体験された方なら極上ぶりをご存じと思いますが、あのサウンドがほぼフルショウの約102分に渡って延々と続くのです。何と言っても素晴らしいのは、クッキリとした芯と艶やかで美しい鳴り。スネアの音色にオーディエンスらしさが刻まれているためにサウンドボードと間違えこそしませんが、クリアに透き通った空気感はディテールが一切隠されず、真っ直ぐに届く鮮やかさはまるでレーザー光線のよう。ギターはちょっとしたカッティングのニュアンスも克明で、キーボードもいくら厚く重なっても綺麗にセパレート。さらに驚くのはベース。音量自体はささやかなのですが、よく聴くとアタック音のビンビンとした感触も克明で、それが連なってうねるラインもくっきりとした輪郭で描かれています。もちろん、主役のボウイの歌声に至っては歌詞の1語どころか1音節のニュアンスまではっきりと分かる。一説によると大元マスターからダイレクトにDATにダビングされたとも言われている(同シリーズの他アーティスト作品の話であり、シリーズ全部かどうかは不明です)のですが、その説が真実としか思えない美の録音なのです。さらに歓声バランスまで素晴らしいから凄い。演奏中に静まり返っているだけでも有り難いのですが、曲間で沸く喝采も1粒1粒がきめ細やかで広い。間近な嬌声がまったくなく、鮮やかな演奏と盛り上がる会場スペクタクルの両者を理想的に味わえるのです。また、本作はそんな新発掘マスターを細心マスタリングで磨き込んだ最高峰盤でもある。もちろん、無闇矢鱈の音圧稼ぎで元々の美音を汚すマネはしておりません。むしろ、逆。実はネットの原音はクリアではあるものの、低音にやや突き上げ感のあり、その結果ピークにわずかなビビリと言いますか、濁りも感じられたのです。本作では濁り感を解消し、実際にビビッてしまったピークも目立たないようにトリートメント。全体のバランスとしても中高音との均整を取りながら整えました。それによりアンサンブル全体の艶やかさが増すだけでなく、トータルでも艶やかさが全編で味わえるようになったのです。そんな美の音で描かれるのは、これまで誰も聴いた事がなかった“ISOLAR II 1978 TOUR”の熱演。実のところ、このショウは本作が初なのでフル収録とは断言できない(「Rebel Rebel」が欠けている!?)のですが、それでも1時間42分17秒にわたって楽しめる。本作は『STAGE』と同じ北米レッグでもありますので、比較しつつセットを整理してみましょう。
グラム時代(8曲)・ジギー・スターダスト:Five Years/Soul Love/Star/Hang On to Yourself/Ziggy Stardust/Suffragette City/Rock 'n' Roll Suicide(★)・アラジン・セイン:The Jean Genie アメリカ時代(4曲)・ヤング・アメリカンズ:Fame
・ステイション・トゥ・ステイション:Station to Station/Stay/TVC 15 ベルリン時代(10曲)・ロウ:Warszawa/What in the World/Be My Wife/Speed Of Life/Breaking Glass/Art Decade・英雄夢語り:"Heroes"/Blackout/Sense of Doubt/Beauty and the Beast
※注:「★」印はオフィシャル盤『STAGE』で聴けない曲。……と、このようになっています。おおよそは『SATGE(の2CD盤)』に準じておりますが、まったく同じでもない。オリジナルLPにはなかった「Be My Wife」「The Jean Genie」「Suffragette City」「Stay」が聴けるだけでなく、2017年の最長盤でも聴けない「Rock 'n' Roll Suicide」も披露してくれるのです。これまでも数多くの傑作録音で“ISOLAR II 1978 TOUR”をアーカイヴしてきましたが、本作は初登場にして最高峰レースの最有力候補に躍り出てしまった。まさかこんな美録音が今まで知られてこなかったとは……。1本のライヴアルバムとしても極上で、オーディエンス録音の奥深さまで思い知らされる大傑作。
Selland Arena, Fresno, CA, USA 2nd April 1978 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1 (51:38) 1. Intro. 2. Warszawa 3. "Heroes" 4. What in the World 5. Be My Wife 6. The Jean Genie 7. Blackout 8. Sense of Doubt 9. Speed Of Life 10. Breaking Glass 11. Beauty and the Beast 12. Fame
Disc 2 (50:39) 1. Intro. 2. Five Years 3. Soul Love 4. Star 5. Hang On to Yourself 6. Ziggy Stardust 7. Suffragette City 8. Rock 'n' Roll Suicide 9. Art Decade 10. Station to Station 11. Stay 12. TVC15