
ビル・ブルーフォードも参加した1976年の¬“A TRICK OF THE TAIL TOUR”。その現場を伝えるマイク・ミラードの秘宝マスターが新発掘。このところ毎週のように発掘されているマイク・ミラードの大元マスター。その1本1本が極上で、歴史に名高い伝説録音の数々が格段にアップグレードし、誰も聴いた事のなかった初登場録音まで次々と登場。これまでミラードに興味のなかった各バンドの限定のコレクター達にも「なんだコレは!?」と衝撃が広がっています。そして、その最新弾がGENESIS編である本作。しかも、元YES/KING CRIMSONのブルーフォード入りとなる「1976年5月1日バーバンク公演」の超極上オーディエンス録音です。その衝撃の内容の前に、まずはショウのポジション。このツアーと言えば、究極サウンドボード『DEFINITIVE TRICK』が象徴として君臨しておりますので、互いの位置関係にズームしながら当時の日程を振り返ってみましょう。
《2月『A TRICK OF THE TAIL』発売》・3月26日-4月12日(北米16公演)・4月13日『DEFINITIVE TRICK』・4月14日-30日(北米12公演)・5月1日:バーバンク公演 ←★ココ★・5月3日-7日(北米4公演)ー約1ヶ月後ー・6月9日-7月11日:欧州(29公演)
《9月-10月『WIND & WUTHERING』製作》 これが“A TRICK OF THE TAIL TOUR”の全体像。ツアーは春の「北米レッグ」と夏の「欧州レッグ」に二分でき、『DEFINITIVE TRICK』も本作も北米レッグ。あの超名盤の約2週間後にあたるコンサートでした。そんなショウを記録した本作は、まさに衝撃。前述のようにミラード・マスターはアップグレードか初登場が多いのですが、この録音はかなり特殊。結論から言いますと「ちょっとだけ出回っていた録音」なのです。従来からバーバンク公演は何種類か出回っていたのですが、それらは基本的にミラード録音ではない。しかし、そのうちいくつかの補完パートでミラード録音が使われていたのです。普通であれば、ミラード録音が大定番として他録音を駆逐するものですが、なぜか補填に使われるのみ……。恐らくは、かなり限られた仲間内に部分的なテープだけが出回ったのでしょう。あくまでも一部だから話題にならなかった……そうとでも考えないと理解できない不思議な状況だったのです。閑話休題。ややマニアックな音源事情が長くなってしまいましたが、それはあくまでも余談……と言いますか、学術的な追究話にすぎない。重要なのは、こうして目の前に登場した「音楽アルバム」そのもの。これは紛れもなくミラードによるフル録音であり、しかも絶世の超極上品なのです! とにかくオンで緻密でダイレクト感たっぷり。ミラード録音なのですから当たり前のような気もしますが、伝説名手の基準をもってしても本作の鮮やかさは群を抜いている。恐らく、その要因は会場にあるのではないでしょうか。現場となった“スターライト・ボウル”は、約5000人規模には珍しいオープン・スペースの円形劇場。音を反射する天井や壁がなく、反響ゼロのビビッドな出音をダイレクトに拾っているのです。もちろん、野外会場も万能ではない。場合によっては音が風に流されたり、距離感からスカスカになったり……。しかし、本作は名手マイク・ミラードの作であり、その心配は無用。ビシッと揺るがない安定感は絶大ですし、手応えたっぷりの中音域も高密度な重低音も絶品。特に驚くのは低音で、ベースのアタックがゴリゴリと鋭く、同時にグルーヴを生み出すヴァイヴは波形レベルの細やかさ。そこまで密着&クッキリとしていながら、ピークがビビることもない……。通常オープン・スペースは、反響ゼロで輪郭はクッキリとしてもリッチ感にはどうしてもスポイルされるもの。ミラードにとって“初GENESIS録音”だったそうですが、出音の特性も知らないままに超絶サウンドに仕上げるとは……。そんなサウンドで描かれるのは、貴重なビル・ブルーフォード入りのフルショウ。ざっくばらんに言ってセット自体は『DEFINITIVE TRICK』と同一で、あの名盤を極上サウンドで現場体験するようなライヴアルバムです。『DEFINITIVE TRICK』を体験されていない方向けに整理しますと…… ガブリエル時代(10曲)・侵入:White Mountain(★)・フォックストロット:Supper's Ready/Watcher Of The Skies(★)
・月影の騎士:The Cinema Show/Firth Of Fifth/I Know What I Like (In Your Wardrobe)・眩惑のブロードウェイ:The Lamb Lies Down On Broadway/Fly On A Windshield(★)/The Carpet Crawlers/It(★)トリック・オブ・ザ・テイル(5曲)
・Dance On A Volcano/Robbery, Assault and Battery/Entangled(★)/Squonk/Los Endos ※注:「★」印は『SECONDS OUT』でも聴けない曲。……と、このようになっています。4人時代GENESISと言えば『SECONDS OUT』が基準になると思いますが、そこでも聴けない曲が4曲もあり、特に「White Mountain」や「Entangled」は、ほぼほぼこのツアーだけの限定曲なのです。それ以上なのが、全編を貫くアンサンブル。ピーター・ガブリエルの抜けた穴を埋めて余りあるフィル・コリンズの活躍ぶりも目覚ましいですが、やはり注目したいのはビル・ブルーフォード。きっちりとショウアップするバンドだけに「挑みかかるインプロヴィゼーション」とはいかないわけですが、やや神経質でもある細やかで歌心あるフレーズは健在。YESやKING CRIMSONでお馴染みなブルフォード節で塗り替えられたGENESISソングスをたっぷりと極上体験できるのです。伝説の名手マイク・ミラードの新作にして、“ビル・ブルーフォード入りGENESIS”の最高峰体験盤。これはもう、GENESISの傑作と言うより音楽ジャンル“プログレッシヴ・ロック”の文化遺産です。このツアーには超絶サウンドボードの『DEFINITIVE TRICK』も存在するので、本作が「オフィシャル代わりの急先鋒」というわけではありません。むしろ、それ以上。「オーディエンスならではの美」の最高峰を極めている事にこそ真価があり、公式作品ばりのサウンド・クオリティでありながら超絶サウンドボードでさえ到底到達し得ない現実感と気品でGENESISを体験できる。そんな“極み”の音楽作品。
Live at Starlight Bowl, Burbank, CA, USA 1st May 1976 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1 (56:37) 1. Intro 2. Dance On A Volcano 3. The Lamb Lies Down On Broadway 4. Fly On A Windshield 5. Carpet Crawlers 6. The Cinema Show 7. Robbery, Assault and Battery ★5:52 - 6:01 同日別ソースで補填 8. White Mountain 9. Introduction Of Bill Bruford 10. Firth Of Fifth
Disc 2 (61:24) 1. Steve Hackett MC 2. Entangled 3. Squonk ★6:40 - 6:51 同日別ソースで補填 4. Supper's Ready 5. I Know What I Like 6. Los Endos 7. It 8. Watcher Of The Skies
Phil Collins - Vocal, Drums, Percussion Steve Hackett - Guitar Mike Rutherford - Bass, Guitar Tony Banks - Keyboards Bill Bruford - Drums, Percussion