永遠の友ランディ・ローズと世界を巡った“BLIZZARD OF OZZ TOUR”。その現場を伝えるマスターが衝撃の新発掘。そんな本作に永久保存されているのは「1981年6月27日ロングビーチ」公演。その絶品オーディエンス録音です。このショウは以前から録音が知られてきましたが、本作はそのコピーでもリマスター再発でもありません。最近になって発掘された新マスター。約58分間の従来マスターから大幅に増量された64分の全長版なのです。もちろん、長さ以上にポイントなのがクオリティなのですが、まずはショウのポジション。当時の日程から確かめておきましょう。1980年《9月12日『BLIZZARD OF OZZ』発売》
・9月3日-11月8日:英国(37公演)1981年《ボブ/リー→ルディ/トミーに交代》・4月22日-7月29日:北米#1a(61公演) ←★ココ★・8月1日:HM HOLOCAUST出演・8月2日-9月13日:北米#1b(33公演)《11月7日『DIARY OF A MADMAN』発売》・11月1日-12月2日:欧州(11公演)
《リンゼイ・ブリッジウォーター→ドン・エイリーに交代》・12月30日+31日:北米#2a(2公演)1982年・1月1日-3月18日:北米#2b(44公演)《3月19日ランディ・ローズ死去》 これがランディと共に歩んだオジーのソロ初期。その中でもメインのツアーだったのが「北米#1a」で、他レッグとは比べものにならない公演数が行われました。本作のロングビーチ公演は、その42公演目のコンサートでした。前述の通り、そんなショウの記録は従来から知られてきましたが、本作はその最高峰を更新するもの。長さだけでも画期的ですが、サウンドも最高峰を更新。すっきりとした見晴らしは格段に素晴らしく、輪郭鮮やかな演奏が真っ直ぐ手元まで届く。1981年夏の全米ツアーと言えば、名作『PALLADIUM 1981 1ST SHOW』や『NASSAU COLISEUM 1981』等、歴史的な名録音も多数ある。そのため「ツアーNo.1」と軽々に断言できないものの、まったく劣っていないのは断言できる。見事なヴィンテージ・サウンドなのです。しかも、本作では新発掘マスターをさらにブラッシュアップ。もちろん、原音のナチュラルな鳴りを台無しにするような無粋なマネは一切しておりません。そうした“真実”は最大限に保持しつつ、「聴きやすさ」「音楽作品としての完成度」を追究している。例えば、ピッチ。原音では全体的におおよそ半音70%ほどズレており、しかもところどころ変化もしていました。本作は、そうした不安定感を払拭。マスターが居合わせた“現場の音”を可能な限り正確に復刻しているのです。そんなサウンドで描かれるのは、これまでの名作にも増して熱いフルショウ。当店ではこれまでランディ時代の名作ライヴアルバムを数多くご紹介してきましたが、本作はその中でも特級の歴史的な一作。その要因の1つは会場“ロングビーチ・アリーナ”にあります。アメリカにはさまざまな象徴的な名会場がありますが、この会場もその1つ。東海岸の“マディソン・スクウェア・ガーデン”や“ザ・スペクトラム”と同じように、ここで演奏することは「西海岸での成功」を意味する伝統の大会場なのです。もちろん、オジーはBLACK SABBATH時代から“ロングビーチ・アリーナ”で幾度も層を行ってきたわけですが、本作は意味あいが違う。後期のように、春に始まった「北米#1」は当初3,000人規模の会場だったのですが、ここで10,000人規模の会場へとステップ・アップ。「独り立ち」が成功したマイルストーン公演になったのです。実のところ、ジェイク加入以後も“ロングビーチ・アリーナ”公演は行われ、数日間の連続公演が当たり前になっていきました。しかし、ランディとは後にも先にもこの1日だけなのです。しかも、内容が熱い。後年の“成功者”としてのショウではなく、今まさに成功への階段を駆け上っていく破竹の勢いが感じられる。ライヴ全体にバンドの熱量が充満し、観客の興奮は会場に満ち満ちているのです。実際、本作に封じ込められたオジーは冒頭から爆テンション! 間髪入れずスタートする「I Don't Know」からサウンドの素晴らしさを実感する。会場の大きさにも関わらず、はっきり感じる演奏の芯と分厚いサウンドはライン音源にも負けない鮮やかさ。ツアー開始から2ヶ月を経てバンドの演奏も一体化し、トミー・アルドリッジとルディ・サーゾのリズムセクションもえらくパワフル。ランディの劇的なプレイと美旋律が交錯する「Mr. Crowley」は言うまでもなく、ヘヴィな「Believer」と「Suicide Solution」等々など……とにかく聴き応えの連続です。そしてライヴ最大のヤマ場はBLACK SABBATHナンバー「Iron Man」「Children Of The Grave」メドレーでしょう。「次に演るのはブラック・サバスの曲だ」とコールした瞬間に上がる歓声に応え、オジーが会場のファンを称えるシーンのダイナミズム。そしてオジーが観客と繰り広げる「ワン!ツー! スリー!!」のコール・アンド・レスポンスは、アリーナを揺るがすほどのド迫力! この日バンドが魅せる演奏とその爆発力は、明らかに『TRIBUTE』のクリーヴランド公演を凌ぐ。歓声が鳴り止まない「Paranoid」演奏後のクロージング。これこそ、オジーが“ロングビーチ・アリーナ”に立ち、ソロとしての成功を収めた瞬間。恐らくは、オジー自身噛みしめていたであろう刹那なのです。2020年は、このショウから40年の月日が経ちました。これほどの膨大な時間が経ってもなお、新鮮な輝きを失わない音楽を奏でていたオジーとランディ。そんな事実をフレッシュなリアル・サウンドで思い知らせてくれる新発掘ライヴアルバムです。まさに永遠に輝きを失わない音楽、それが生まれていた現場。
Live at Long Beach Arena, Long Beach, CA, USA 27th June 1981 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) (63:58)
1. Carmina Burana 2. I Don't Know 3. Crazy Train 4. Believer 5. Mr. Crowley 6. Flying High Again 7. Revelation (Mother Earth) 8. Steal Away (The Night) 9. Drum Solo 10. Suicide Solution 11. Guitar Solo 12. Iron Man 13. Children of the Grave 14. Paranoid
Ozzy Osbourne - vocals Randy Rhoads - guitar Rudy Sarzo - bass Tommy Aldridge - drums Lindsey Bridgwater - keyboards