
『HELLO, I MUST BE GOING!』も大ヒットさせ、ソロとしても押しも押されもせぬ大スターとなった1982年のフィル・コリンズ。その現場を伝える傑作ライヴアルバムが登場です。そんな本作に収められているのは「1982年12月13日シカゴ公演」。その全貌を記録した超・極上オーディエンス録音です。80年代初頭のフィルと言えば、GENESISとソロの二足の草鞋で世界一多忙とまで言われた。まずはそんな当時のスケジュールからショウのポジションを確かめてみましょう。1982年《6月4日『THREE SIDES LIVE』発売》・8月1日-9月30日:THREE SIDES LIVE TOUR(46公演)・10月2日:SIX OF THE BEST
《11月5日『HELLO, I MUST BE GOING!』発売》11月21日-12月1日:欧州(10公演)12月6日-19日:北米#1(11公演) ←★ココ★ 1983年 1月22日-2月20日:北米#2(25公演)《10月3日『GENESIS』発売》・11月6日-1984年2月29日:MAMA TOUR(71公演)
※注:「◇」印がソロ公演、「・」印がGENESIS公演。これは1982年/1983年のフィル・コリンズ。1982年と言えば、ピーター・ガブリエルとの限定GENESIS再結成“SIX OF THE BEST”が象徴的ですが、その1ヶ月後には『HELLO, I MUST BE GOING!』をリリースして初のソロツアーも始動。本作のシカゴ公演は、その前半である「北米#1」の8公演目にあたるコンサートでした。このツアーは公式映像『LIVE AT PERKINS PALACE』にも残されているわけですが、その現場だったパサデナ公演の約1週間前でもあります。そんなショウで記録された本作は、今話題となっている最新の初公開マスター。実は現在、新型コロナ・パンデミックによる外出規制を乗り越えるべく、“A COVID-19 QUARANTINE RELEASE!”と題したシカゴ公演の極上マスター公開が相次いでいる。ピーター・ガブリエルの『CHICAGO 1982』やROXY MUSICの『CHICAGO 1983』も同時リリースとなりますが、本作も同じシリーズのフィル・コリンズ編なのです。そして、そのサウンドは「ザ・極上」と言いたくなる素晴らしさ。とにかく微細部までクッキリと鮮やかで距離感がまるでない。ヴォーカルにほんのりとしたエコー感もあるのですが、これは恐らくホール鳴りではなく、わざわざかけられたエフェクトではないでしょうか。そうとしか思えないほど歌声以外の演奏音がキリッと引き締まっており、ヴォーカル自体もエフェクトっぽく自然なエコー。録音者自身が「フロアスピーカーのすぐ左脇で録音した」と言っていることからオーディエンスで間違いないものの、おおよそ客録の常識外となる名録音なのです。そのダイレクト・サウンドで描かれるのは、ヒット曲満載の豪華な初ソロツアー。前述の通り、このツアーは『LIVE AT PERKINS PALACE』でも観られたわけですが、あの公式映像は約1時間の抜粋。それに対して本作は一気貫通のフルライヴアルバムで、省略された名曲もたっぷりと楽しめる。ここでは比較しながら整理してみましょう。FACE VALUE(8曲)
・I Missed Again/The Roof Is Leaking/In the Air Tonight・LIVE AT PERKINS PALACEで聴けない曲:Thunder and Lightning/This Must Be Love/You Know What I Mean/If Leaving Me Is Easy/Hand in Hand HELLO, I MUST BE GOING!(8曲)
・I Don't Care Anymore/I Cannot Believe It's True/Thru These Walls/The West Side/You Can't Hurry Love/It Don't Matter to Me・LIVE AT PERKINS PALACEで聴けない曲:Don't Let Him Steal Your Heart Away/Like China その他(2曲)・People Get Ready(THE IMPRESSIONS)
・LIVE AT PERKINS PALACEで聴けない曲:...And So to F...(BRAND X)……と、このようになっています。『LIVE AT PERKINS PALACE』とは比較にならない大ボリュームで、2作『FACE VALUE』『HELLO, I MUST BE GOING!』から8曲ずつの大盤振る舞い。さらにTHE IMPRESSIONSのカバーやBRAND Xの「...And So to F...」まで非常に多彩。ホーンも大胆導入したアンサンブルや大量のヒット曲だけでも豪華ではありますが、それ以上のカラフルなフルショウなのです。時代の寵児へと駆け上っていった“THE HELLO, I MUST BE GOING TOUR”の現場を極上サウンドで体験できるライヴアルバムの大傑作です。本作自体が「良い音・良い曲・良い演奏」の塊のような傑作ではありますが、さらにピーター・ガブリエル編の『Amity 600』と併せると元GENESISのカリスマ2人が交錯した“1982年の12月”に想いを馳せることもできる。アンダーグラウンドだからこそ、オーディエンス録音だからこそ可能な愉しみにも溢れた姉妹作。
Live at the Auditorium Theater, Chicago, IL, USA 13th December 1982 ULTIMATE SOUND
Disc 1(57:08) 1. Intro 2. I Don't Care Anymore 3. Thunder and Lightning 4. MC 5. I Cannot Believe It's True 6. This Must Be Love 7. MC 8. Thru These Walls 9. I Missed Again 10.MC 11. You Know What I Mean 12. The Roof Is Leaking 13. Don't Let Him Steal Your Heart Away 14. The West Side
Disc 2(56:46) 1. MC 2. If Leaving Me Is Easy 3. In the Air Tonight 4. Band Intoduction 5. Like China 6. You Can't Hurry Love 7. It Don't Matter to Me 8. Hand in Hand 9. ...And So to F... 10. MC 11. People Get Ready
Phil Collins - Vocals / Drums / Piano Mo Foster - Bass / Piano Peter Robinson - Keyboards Daryl Stuermer - Guitar / Bass / Banjo Chester Thompson - Drums The Phoenix Horns Rhamlee Michael Davis - Trumpet Michael Harris - Trumpet Don Myrick - Sax Louis Satterfield - Trombone