SABBATHの'80年初来日公演は、現在でこそ全日程のオーディエンス録音が知られています。しかし以前は、ラジオ放送された11月18日・中野サンプラザ公演が圧倒的な存在で、そのエアチェック・ソースが多くの定番アイテムを生み出してきました。中でも18日のライヴを異なる3種類の音源で集大成した「DEMONIZATION」に収められたFMソースは、これまで登場してきた素材の中でも最優秀という評価が定着しています。クリアで聴き応えのあるサウンド、そして異なるミックスの質感は、ミキシング・デスク由来のサウンドボード音源にも引けを取らないと、ファンを大いに驚かせました。今回はそのFMソースに、新たな発掘マスターが登場! 本音源では従来知られていたアイテムで聴けなかったオープニングとエンディングを含み、FMソースとしては過去最長の収録時間を実現しています。ディスクを再生して最初に飛び出す「Supertzar」とオープニング・ナレーションは、今まで知られていなかった30秒間。落ち着いた口調のナレーションは非常に印象的で、ライヴのディティールを的確に伝えています(その内容からは、ライヴのラジオ放送が'81年だった事も理解できます)。演奏と直接の関係はありませんが、「こんな場面もあったのか」とマニアを驚かせるでしょう。気になる音質も、ファンから「放送マスターのベスト」とされる「DEMONIZATION」収録テイクと比較しても遜色ない明度と安定した収録状態。リマスターによってノイズは可能な限り除去されており、聴き手は安心してエンターテイメント性にあふれるライヴを聴き込めます。本作で聴ける放送ソースの特徴は、ジェフ・ニコルズのキーボードが明瞭にミックスされた楽音。サウンドボード音源やオーディエンス録音ではもうひとつ目立たなかったジェフのプレイが、ここではアイオミのギターとともに左右のチャンネルへきっちりセパレートされており、「Neon Knights」に「N.I.B.」そして「Children Of The Sea」と、ここでしか聴けないバンド・アンサンブルを楽しませます(受信状態の関係か「DEMONAZATION」のテイクと較べて定位に違いを感じます)。これこそラジオ放送ならではの面白さで、今回リリースされる「DARK KNIGHT」や、オーディエンス録音の大傑作「EVIL MAN」でも味わえない、大きな個性と言えるでしょう。特に興味深いのがオジー時代の「Sweet Leaf」や「Iron Man」。アイオミのヘヴィなギターを左チャンネルに聴きながら、右チャンネルでユニゾンする一風変わった音色のキーボードは、誰もが思わず聴き入ってしまうでしょう。もちろんギーザーのベースやヴィニーのドラムもしっかりとした存在感でプレイを聴き取る事ができ、パワフルなリズムが印象的な「Lady Evil」も魅力的なサウンドで炸裂します! ライヴのハイライトである「Black Sabbath」や、アイオミが姿を消す「Heaven And Hell」も、「DARK KNIGHT」のサウンドボード音源と比較すると、より興味深く楽しめるでしょう。放送の都合により「War Pigs」が未収録の不完全版ではあるのですが、ナレーションを含めてぴったり60分の収録時間は過去最長。「DEMONIZATION」をすでに持っているというマニアの方にこそ、ぜひ違いを確かめて頂きたい一本です! 客席録音の最高峰「EVIL MAN」や、新発掘サウンドボードの「DARK KNIGHT」に続き、新たな角度からSABBATHの'80年11月18日を味わいつくすFMソースのニュー・マスターがリリースです!
Live at Nakano Sunplaza, Tokyo, Japan 18th November 1980 STEREO SBD(NEW SOURCE)
1. Radio Intro. 2. Neon Knights 3. N.I.B. 4. Children Of The Sea 5. Sweet Leaf 6. Drum Solo 7. Sweet Leaf (Reprise) 8. Lady Evil 9. Black Sabbath 10. Heaven And Hell 11. Iron Man FM BROADCAST RECORDING
Tony Iommi - Guitars Ronnie James Dio - Vocals Geezer Butler - Bass Vinny Appice - Drums Geoff Nicholls - Keyboards