ヘヴィメタル史上最強のバンド「デイヴ・ムステイン入りのMETALLICA」。そのスタジオ・アルバムが究極形に進化して登場です!そんな本作は、ムステイン時代のMETALLICAが残したスタジオ録音を総ざらいしたもの。大ヒットした名盤『NO LIFE 'TIL MEGAFORCE』がアップグレードした決定盤です。あの名作をご存じない方のためにイチからご説明しますと、本作に収録されているのはムステインが在籍していた初期METALLICAのスタジオ録音を4種収録。その構成は…… 『NO LIFE 'TIL LEATHER』のオリジナル・マスター(7曲)『MEGAFORCE DEMO』のアップグレード・マスター(2曲)『NO LIFE 'TIL LEATHER』の公式再発版(7曲)
最初期「Hit The Lights」の公式再発版(1曲)……の全17曲です。初期METALLICAのデモは他にもありますが、ほとんどが“ガレージ録音”。それとは一線を画す“スタジオ録音”はこれで全部。もちろん、本作はそのすべてを最高峰バージョンで集成した1枚です。それでは、それぞれ個別にご紹介していきましょう。
【“NO LIFE 'TIL LEATHER”のオリジナル・マスター(7曲)】まず最初に登場するのは「世界一有名なデモ」と言われた『NO LIFE 'TIL LEATHER』。しかも、当時METALLICAの名を世界中に広めたバージョン(以後、本稿では「正規版」とします)ではなく、その編集前のオリジナル・バージョンです。当時のベーシストだったロン・マクガヴァニーが秘蔵していたテープからデジタル化されており、正規版ではカットされたカウントや会話声も収録され、曲順も録音順そのまま。伝説のセッションが丸ごと甦るのです。そして、それ以上なのがサウンド。実のところ、この伝説セッションは2台のレコーダーで同時に録音されており、大元マスターの1本はラーズ・ウルリッヒ、もう1本はマクガヴァニーの手に残りました。そのうち、正規版となって世界中に広まったのはラーズ系マスター。それも「4thジェネ・コピー」と言われています。それに対して本作の元になっているのは先述の通りマクガヴァニー系マスター。編集作業などを経ていない「1st-2ndジェネ」とされ、正規版よりグッと若いのです。しかも、本作はオリジナル・マスターの最高峰版でもある。前回盤『NO LIFE 'TIL MEGAFORCE』では原音版とデジタル・リマスター版を収録していましたが、本作は海外マニアからも大絶賛されたデジタル・リマスター版を収録。あくまでも歪みや劣化が起きないギリギリの線でド迫力に迫るパワフル・バージョンです。そして、その内容はまさに「真のデビュー作」。そもそも『NO LIFE 'TIL LEATHER』は一般的に「デモ」と思われていますが、本来はデビューEPとなるべく作られたもの。パンクレーベル「HIGH VELOCITY」のオーナー(ケニー・ケイン)が出資して制作されたのですが、出来上がった録音を聴いたケニーは、METALLICAがパンクバンドではないと気づいた(アホみたいな話ですが、それほど当時のMETALLICAが前例のない革新的なサウンドだったわけです)。そして、デビュー話は立ち消え、結果デモとして広まることになった。つまり、このセッションはレコードデビューのつもりで作っていますから、当然、全曲アレンジも完成されており、すでにライヴを重ねているだけに普通のスタジオ・アルバムよりもこなれているほど。しかも演奏には「これで世界に打って出てやる!!」という若い気合いがギュウづめなのですから、もはや「デモ」などという言葉で語られるレベルではないのです。
【“MEGAFORCE DEMO”のアップグレード・マスター(2曲)】続くのは、本作最大のポイントでもある『MEGAFORCE DEMO』のアップグレード版。ムステイン&クリフ・バージョンが共演した唯一無二のスタジオ録音「Whiplash」「No Remorse」です。クリフが加入した新編成をレーベル各社にお披露目するため、ベイエリアの地元ラジオ局「KUSF」で録音されたもの。こちらもガレージの手作り録音ではなく、れっきとしたプロ収録です。これもテイクも前回盤に収録されましたが、その後になって新マスターが発掘されたのです。そのサウンドたるや、まるで別物。今までの『MEGAFORCE DEMO』はノイズまみれがデフォで、それをいかに綺麗にマスタリングするかが優劣を決めていました。ところが、今回の新マスターはそのノイズが「ない」。さすがに『NO LIFE 'TIL LEATHER』ほどの艶は望めないかもしれませんが、今まで宿命だったチリチリ感もゴワゴワ感もない滑らかサウンドで、天才ムステイン&バージョンの超貴重共演が甦るのです!また、『NO LIFE 'TIL LEATHER』にこの2曲が加わったことで(ベースソロ以外の)『KILL ‘EM ALL』全曲が揃う。つまり、本作こそが真のオリジネイター:デイヴ・ムステイン版の『KILL ‘EM ALL』そのものなのです。
【“NO LIFE 'TIL LEATHER”の公式再発版(7曲)】後半に登場するのは、再び『NO LIFE 'TIL LEATHER』。その別バージョンです。冒頭に収録したのはマクガヴァニー系マスターでしたが、こちらはラーズ系マスターから生まれた正規版。ただし、1982年当時のものではなく、2015年の“レコードストア・デイ”のためにオフィシャルが正式再発したバージョンなのです。当時のアナウンスによると“レコードストア・デイ”では記念品となるカセット版で再発され、その後にCD盤が一般発売するという計画だったのですが、その後にCD盤リリースの話は立ち消え(一説によるとムステインが難色を示したとも言われています)。結果、カセット版だけが日の目を見たのです。ところが、このカセット版も難問でした。そもそも記念品としてあっと言う間に完売。さらには入手しても再生しない(というか開封しない)マニアが大多数。世界中のファンが聴きたくても聴けなかったのです。もちろん、ここに収録されているのは 、その「2015年再発カセット版」。カウントなどが削除された正規版ではあるものの、そのサウンドは過去最高峰。『NO LIFE 'TIL LEATHER』と言えば、1982年のオリジナル・リリース版は入手困難でしたし、もし入手できても再生を繰り返したワカメなものも多かった。そんな中で、本作はラーズ本人が所有する大物マスターが使用されており、さらに公式似デジタル・マスタリングも施されている。冒頭の「オリジナル・マスター」とは違いながらも、公式作品然とした究極バージョンなのです。
【最初期「Hit The Lights」の公式再発版(1曲)】最後に収録されているのは、コンピレーション盤『METAL MASSACRE』の初回プレスに提供された「Hit The Lights」。ジェイムズ・ヘットフィールドがLEATHER CHARM時代に書いた曲で、まだバンドが完成していない時点であり、正真正銘「METALLICA最古の録音」です。ジェイムズが出来に不満だったため、セカンドプレス以降(90年代の復刻CDでも)では、ムステインがすべてのソロを執る別テイクに差し替えられましたが、これは黒人ギタリスト・ロイド・グラントのソロが聴ける幻のオフィシャル・テイク。METAL BLADEレーベル20周年ボックスで初のCD化が実現しましたが、残念ながら現在では廃盤となって久しく入手困難。しかし、正規のデジタル化テイクが消えてゆくのは忍びがたく、ここに復活させました。オリジナルのLP版『METAL MASSACRE』よりもダイナミックなマスタリングで、最古の記録を楽しめます。以上、全17テイクに及ぶデイヴ・ムステイン時代の究極スタジオ・アルバムです。本作はMETALLICAのスタート地点というだけでなく、MEGADETHの原点……いえ、音楽ジャンル“スラッシュ・メタル”のデビュー・アルバムと言っても良い。ヘヴィメタル史の最強バンドであった「ムステイン入りMETALLICA」の至宝。
ULTIMATE & UPGRADE EDITION!!! (72:30)
NO LIFE 'TIL LEATHER: THE ORIGINAL MASTER 1. Motorbreath 2. The Mechanix 3. Jump In The Fire 4. Seek & Destroy 5. Phantom Lord 6. Metal Militia 7. Hit The Lights James Hetfield - Rythm Guitar, Vocals Dave Mustaine - Lead Guitar Ronald McGovney - Bass Lars Ulrich - Drums
MEGAFORCE DEMO ★★HUGE UPGRADE!!! 8. Whiplash 9. No Remorse James Hetfield - Rythm Guitar, Vocals Dave Mustaine - Lead Guitar Cliff Burton - Bass Lars Ulrich - Drums
NO LIFE 'TIL LEATHER: 2015 RECORD STORE DAY VERSION 10. Hit The Lights 11. The Mechanix 12. Motorbreath 13. Seek & Destroy 14. Metal Militia 15. Jump In The Fire 16. Phantom Lord James Hetfield - Rythm Guitar, Vocals Dave Mustaine - Lead Guitar Ronald McGovney - Bass Lars Ulrich - Drums
METAL MASSACRE 17. Hit The Lights James Hetfield - Rythm Guitar, Bass, Vocals Dave Mustaine - Lead Guitar Lloyd Grant - Guitar Lars Ulrich - Drums