テリー・ボジオが加入してからのトリオ編成のU.K.における、最も有名でファンには定番の1979年パリ音源のアップグレード版を約90分収録。近年、突如出現した衝撃のマスター・クオリティ・ヴァージョンで、「Parisian Rendezvous」を始めとする、過去の全ての既発盤を不要にする大変優れた内容です。まず、テープジェネレーションが若いのは間違いなく、音の鮮度がより鮮明かつクリアーで、音質の差は歴然としており、静かな部分でのヒスノイズがこれまでのものと比較にならない程少ないことが判ります。決定的なのはDanger Moneyのイントロがフェイドインでなくカットインでスタートしていること、次にこれまでディスク2の冒頭に収録されてきた「Improvisation」(Bass Solo)はカットインでスタートしますが、今回のヴァージョンでは元テープのA面のラストに収録されていたと思われるベースソロの冒頭4秒間がカットインの前に収録されていること、更にはラストのCeasar's Palace Blues終演後の歓声が既発より10秒長く収録されており、既発未収のウェットンのフランス語の挨拶が聞ける等、各所でマスターならではのアドバンテージを確認することができます。本テイクの登場により、この歴史的音源であるパリ公演のNothing To Lose~Bass Soloの曲間が、初めてディスク・デバイド無しに聴けるようになりました。あまりの超高音質に、これまで、誰もがこのパリ公演をサウンドボード音源と疑わなかったと思いますが、近年、録音者らしきテーパーがネット上で「これは私が録音したオーディエンス録音である」と発言、世のコレクターを大いに驚かせました。確かに楽音そのものはライン録音でなければあり得ないサウンドですが、曲間のジョンのMC等はなるほど、マイク録音のように聞こえます。(試しにRendez-vous 6:02の前のMCを再生してみて下さい。あと、ドラムソロ後のボジオの紹介など)ということは、これはこれはPAの前に固定したステレオマイクで録音したものなのでしょうか?(現在も本音源を公開したネット上における詳細説明では「Lineage: Soundboard」と記されていますが・・・)更に驚きは、この音源がこれまで2月20日のパリ・パビリオン公演と信じられてきましたが、テーパーの「これは3月13日のLe Stadium公演である。なぜなら私がそこにいたから」というに発言に続いて、チケット写真がネットにアップされたことで、結果、今回のアッパー版登場に続いて、音源ソースから日付・会場名に至るまで、その歴史が改ざんされることになりました(ジャケットにはチケットの写真も掲載しています)。更に、時を同じくして、これまで出回っていなかった、この日の正真正銘のオーディエンステイク別ソースまでが発表され、コレクターを大いに驚かせました。当日のPAが余程良かったのか、今回のプレス盤程ではないにせよ、こちらも十分な高音質で収録されています。(これまでの音源とは全く違う歓声が聞こえますし、なにより音像そのものが全く違うので間違いなく別モノ・史上完全初登場音源です。)こちらはライン録音より6分短い84分の収録ですが、ありがたいことにベースソロ冒頭がノンカットで収録されていたので、史上初めてこの日のインプロパートを冒頭より完全に聴くことができます。今回処理としては、アッパー版ソースの初登場冒頭4秒を活かし、そこに新オーディエンステイクを自然にインサートし28秒付近で自然に元ソースに戻すという編集を行い、結果、最良のサウンドでの最長版を実現しています。この部分の処理は非常に上手く行われており、指摘されなければ、普通に聴いている感じでは判らないと思います。(その位、今回の初登場オーディエンス・ソースも非常にハイグレードなのです。)メインで使用されているアップグレード版の音の鮮度・安定感は最後まで非常に良好です。本盤と比較することで、既発盤はダビングテープをイコライズして音を持ちあげたテイクであることが判断でき、実際、静かな部分や曲間のヒスノイズ等が変調しかなり酷い事になってしまっており、そういった部分からも本盤の音と鮮度の優位性を確認することができます。いずれにせよ、定番の1979年のパリ公演の決定版音源が遂に登場したのはコレクターにとっては久々の朗報であり、この時期のUKの演奏力の高さと魅力を、最高レベルのサウンドで楽しめる、ファンにとっては最高の一枚と言えるでしょう。決定版テイクの登場に相応しく、ボーナストラックも充実しており、まずはおなじみNothing To LoseとIn The Dead Of Nightのシングル・ヴァージョンに加え、Night After Night のシングル・ヴァージョン、そのB面に収録されていた未発表曲When Will You Realize?、次にレア・ライブ・テイクより、1979年5月29日の東京公演よりDanger MoneyとThe Only Thing She Needsを超高音質オーディエンステイクで収録。こちらもマスターテープから再録、「Danger Unit」(Sirene)のボーナスでは速いピッチで収録されていましたが、今回は正しいピッチで収録。ラストには12月9日ハンブルグ公演よりレア曲Waiting For Youまで収録しています。1
Live at Le Stadium, Paris, France 13th March 1979 TRULY PERFECT SOUND(Upgrade)
Disc 1 1. Danger Money 2. The Only Thing She Needs 3. Rendez-vous 6:02 4. By The Light Of Day 5. Presto Vivace 6. Drums Solo 7. In The Dead Of Night 8. Nothing To Lose 9. Bass Solo 10. Thirty Years 11. Carrying No Cross
Disc 2 1. Alaska 2. Time To Kill 3. Violin Solo 4. Time To Kill(reprise) 5. Ceasar's Palace Blues Bonus Tracks 6. Nothing To Lose (Single Version) 7. In The Dead Of Night (Single Version) 8. Night After Night (Single Version) 9. When Will You Realize? (Unreleased Track)
Live at Nakano Sunplaza, Tokyo, Japan 29th May 1979 10. Danger Money 11. The Only Thing She Needs Live at Audimax, Hamburg, Germany 9th December 1979 12. Waiting For You
John Wetton - Bass, Vocal Eddie Jobson - Keyboards, Electric Violin Terry Bozzio - Drums & Percussion