
アルバム「Born In The USA」の社会現象とも呼べる大ヒットはスプリングスティーン初の来日公演を実現させました。1985年の4月に行われたその来日公演は東京と大阪を中心 に行われましたが、その間を縫って一日だけ、4月19日に京都で行われた公演を収録。今までこの公演は不完全録音な「Come Out Tonight」というアイテムがリリースされたのみで、LPのアイテムを含めても日本公演中もっとも不遇な扱いの日でありました。しかし!遂に京都公演の完全収録かつ最高音質を誇るアイテムが登場します。今年に入って登場したロージェネレーション・マスターを使用したオーディエンス録音の音質は非常に素晴らしいものです。クリアネスとオンな音像を兼ね備え、しかもこの時に日本でも頂点に達したスプリングスティーンの人気のフィーバーぶりをリアルに捉えた録音と言えるでしょう。しかも京都公演がこの時の他の公演と違う点は、観客動員数10,000人を切る大きさの体育館で行われたことです。東京ドームがまだ作られていなかった1985年、東京公演は代々木オリンピックプール、そして大阪城ホールという当時のレベルで大会場を使用しましたが、京都府立体育館は8,000人程度、アメリカからするとホール・レベルの会場という異例の規模だったのです。その程よい大きさの会場がこの素晴らしい高音質録音に貢献し たことも間違いないと思われます。しかも「Born In The USA」ツアーは人気の爆発に伴い、小さくてアリーナ、通常はスタジアムが当たり前、ヨーロッパに至ってはフェス用の野外広場でスプリングスティーン単独のコンサートが行われるほど大規模なものでした。ところが東洋の地でひょっこりと実現した、久々のホール・クラス・ギグにはブルースやE・ストリート・バンドのメンバーも大喜びで、これは日本公演の中に盛り込まれた「ボーナス」という風にメンバーが受け止めていたそうです。観客だけでなく、演奏する側にとっても程よい大きさの会場でのショウはこのツアーらしいアッパーな雰囲気の中でも、さすがに和やかな雰囲気が伝わってきます。この日に限らず、日本公演は会場の終演時間を厳格に守らなければいけないという規約によってスプリングスティーン通常のステージよりも数曲削ったセットリストで行われたのですが、 その程よい演奏時間と会場の大きさというのもマッチしていたのではないでしょうか。とにかくスプリングスティーンとE・ストリート・バンドはいつもの大会場ライブから離れ、とてもリラックスしながらゴキゲンなロックンロール・ショウを繰り広げています。英語があまり通じない地ということを意識し、長い語りが入る曲などを省いた一方で、いつも地名を組み込むCadillac Ranchではスプリングスティーンがちゃんと「Kyoto night」と歌っている点は聞き逃せません。あの栄光のBorn In The USAから始まるオープニングは正に1980年代半ばの洋楽シーンを象徴する光景と言っても過言ではありません。そのパワフルなステージが日本だけギグ・レベルの会場で行われた伝説の一日、今まで満足出来るアイテムのなかった京都公演が遂に登場します。時にマラソン・ショウとも言われた このツアーですが、ちょうど二枚のディスクに収まる長さで聴き疲れすることもなく、速めだったピッチも完璧にアジャストした、あの懐かしのスプリングス ティーン初来日のレアな一日を是非ご堪能ください!
Live at Kyoto Furitsu Taiikukan, Kyoto, Japan 19th April 1985 TRULY AMAZING SOUND
Disc 1 1. Born In The USA 2. Badlands 3. Out In The Street 4. Johnny 99 5. Atlantic City 6. The River 7. Working In The Highway 8. Prove It All Night 9. Glory Days 10. The Promised Land 11. My Hometown 12. Thunder Road
Disc 2 1. Cover Me 2. Dancing In The Dark 3. Hungry Heart 4. Cadillac Ranch 5. I'm On Fire 6. No Surrender 7. Bobby Jean 8. Rosalita (Come Out Tonight) 9. Born To Run 10. Ramrod 11. Twist And Shout / Do You Love Me
Bruce Springsteen - Vocals, Guitar, Harmonica Roy Bittan - Piano, Keyboards Clarence Clemons - Tenor & Baritone Saxophones, Backing Vocals, Percussion Danny Federici - Organ, Accordion, Keyboards Garry Tallent - Bass, Percussion
Max Weinberg - Drums Nils Lofgren - Guitar, Backing Vocals Patti Scialfa - Backing Vocals, Percussion