嘗て中山康樹氏がその著書「マイルスを聴け!」において音質、演奏内容ともにベタ褒めした晩年マイルス非公式の名作中の名作が20年以上の月日を経て遂にその全曲を記録した完全版がピッチも補正された決定版として登場しました。まずはこのライブ音源の過去のリリースですが、最初にドイツのREGENCYレーベルから「シング・イン・シンゲン」というタイトルでリリースされその後、「イン・ザ・タイム・オブ・ダークネス」がリリースされました。更にそれをクレードアップした「イン・ザ・ナイト・オブ・シンゲン」がリリースされこれで打ち止めとなっていました。あれから一体何年経ったことでしょうか?今回、海外マニアによって新発掘されたソースB、ソースCと3本の異なる放送音源より初めて完全版2枚組として陽の目を見ることが出来ました。今回のCD化に際し使用された3つの放送音源(ソースA、B, C)を曲目ごとに整理してみます。
source A Disc 1 1.Perfect Way(5.38) 2.Star People(9:05) 3.Hannibal(11:01) 4.The Senate / Me And You(11:46) 5.Jilli(6:34) Disc 2 1.Human Nature(14:03) 2.Time After Time(9:35) 3.In The Night(4:12) 4.Wrinkle(6:59) 6:57 > source B 5.Tutu(10:43) 10:37 > source C
更に補正されたテープ・スピード(ピッチ)に関しても専門色が濃くなりますがそのデータを開示してみます。 Disc 1 Tracks 01-02: -30cts Track 03: -35cts Tracks 04-05: -40cts Disc 2 Tracks 01-02: -40cts Track 03: -35cts Tracks 04-05: -30cts
このようなマニアの努力の賜物として本完全版が誕生しました。中山氏がその著書の中で「まるでオフィシャル、いやそれをも超える音質に驚く」と書いておりますが、正に本音源のおいても、そこ言葉をそのままご理解頂いて構いません。晩年マイルスのピークと言われた1990年のヨーロッパ・ツアーから過去をすべてを塗り尽くしてしまう衝撃の完全版。
ライブ・アット・ホーエントヴィール、シンゲン、ドイツ 07/14/1990 マイルス・デイビス(tpt) ケニー・ギャレット(as, fl) フォーリー(g) ケイ・アカギ(keyb) リチャード・パターソン(b) リッキー・ウェルマン(dr) アーリン・デイビス(dr)