非業の天才、ランディ・ローズ。彼の最期のツアーを実体験するのに最高のライヴアルバムがリリース決定です。そんな本作に収められているのは「1982年1月24日シカゴ公演」。ランディが亡くなる約2ヶ月前に記録された極上オーディエンス録音で、あの『TRIBUTE』のジャケット写真が撮影されたライヴでもありました。まずは、当時の歩みからショウのポジションを確かめておきましょう。1980年《9月12日『BLIZZARD OF OZZ』発売》・9月3日-11月8日:英国(37公演)1981年《ボブ/リー→ルディ/トミーに交代》・4月22日-7月29日:北米#1a(61公演)・8月1日:HM HOLOCAUST出演
・8月2日-9月13日:北米#1b(33公演)《11月7日『DIARY OF A MADMAN』発売》・11月1日-12月2日:欧州(11公演)《リンゼイ・ブリッジウォーター→ドン・エイリーに交代》・12月30日+31日:北米#2a(2公演)1982年・1月1日-3月18日:北米#2b(44公演) ←★ココ★
《3月19日ランディ・ローズ死去》 これがランディ時代のオジー・オズボーン。本作のシカゴ公演は最終レッグ「北米#2b」16公演目にあたるコンサートでした。そのショウで記録された本作は、ランディの晩年を代表する名録音として知られてきたもの。なぜ代表してきたかと言えば、もちろん理由はサウンド。何と言っても素晴らしいのはダイレクト感。リアルな熱狂も吸い込んでいるのでサウンドボードと間違えるような事はありませんが、距離を感じない図太い芯の密着感とエッジの鋭さはFM放送にも匹敵する。オーディエンス録音というとスネアの鳴りにスカスカ感が生まれやすいものですが、それも手応えたっぷり。ホール鳴りもありはしますが、それも距離や濁りではなく厚みのダイナミズムを生み出すタイプなのです。ここからは単なる推測なのですが、もしかしたらこの録音は2020年に勇名を馳せた名手コレクションなのかも知れません。その名手とは“HOT OFF THE HEADS PRODUCTION”。コロナ禍で外出制限にある世界中のコレクターに向け、極上録音を大量に放出した録音家。その傑作群は2020年前半期の話題を独占しましたが、ブリティッシュHR/HM系なら、特にJUDAS PRIEST&IRON MAIDENの大名盤『DEFINITIVE CHICAGO 1982』が強烈でした。そして、この人物が主に録音していたのは1982年から1985年であり、主戦場はシカゴ……まさに本作のサウンド特性・会場・年代にピッタリ。あくまで確証はない推測でしかありませんが、あの極上コレクションの1つだとしても違和感がまったくない。本作は、それほどの名録音でもあるのです。そして、そんなダイレクト・サウンドで描かれるのは『TRIBUTE』とはひと味違う1982年ならではのショウ。ここで掲載しておきましょう。・サバスナンバー:Iron Man/Children Of The Grave/Paranoid・BLIZZARD OF OZZ:Mr. Crowley/Crazy Train/Revelation (Mother Earth)/Steal Away(The Night)/Suicide Solution/Goodbye To Romance/I Don't Know/No Bone Movies
・DIARY OF A MADMAN:Over The Mountain(★)/Believer/Flying High Again ※注:「★」印は『TRIBUTE』で聴けない曲。……と、このようになっています。「Diary Of A Madman」が開演を告げる中で『TRIBUTE』では聴けない「Over The Mountain」でショウはスタート。その後も「Mr. Crowley」→「Crazy Train」→「Revelation (Mother Earth)」と『TRIBUTE』とはまったく違う流れでショウが進んでいく。本作はあくまで現場感が美味しい。ランディの美旋律が舞い踊り、オジーが吠える空間に身を置き、ナチュラルな現場感に浸りつつ、その1つひとつが鮮やか。あの『TRIBUTE』のジャケットの現場を極上体験できるライヴアルバムなのです。ランディ最晩年を代表する名録音。
Live at Rosemont Horizon, Chicago, USA 24th January 1982 TRULY AMAZING SOUND
1. Diary Of A Madman 2. Over The Mountain 3. Mr. Crowley 4. Crazy Train 5. Revelation 6. Steal Away(The Night) 7. Suicide Solution 8. Guitar Solo 9. Drum Solo 10. Goodbye To Romance 11. I Don't Know 12. No Bone Movies 13. Believer 14. Flying High Again 15. Iron Man
16. Children Of The Grave 17. Paranoid Ozzy Osbourne - vocals Randy Rhoads - guitar Rudy Sarzo - bass Tommy Aldridge - drums Don Airey - keyboards