名盤『SAN ANTONIO 1983』の衝撃も覚めやらぬ初期MOTLEY CRUE。その“SHOUT AT THE DEVIL TOUR 1983-1984”から、新たなる極上ライヴアルバムが登場です。そんな本作に収められているのは「1984年11月12日ミラノ公演」。IRON MAIDEN“WORLD SLAVERY TOUR”の前座として臨んだ彼ら初の欧州ツアーを記録した超絶級オーディエン……いや、ステレオ・サウンドボ……あれ?突然、取り乱してしまって申し訳ありません。実は、本当に迷っているのです。とにかく超クリア&ダイレクト感たっぷりな超絶サウンドなのは間違いなく、大観衆が広がりつつも耳障りな間近声のほとんどない臨場感もサウンドボードっぽい。しかし、ヘッドフォンで耳を澄ませると(間近ではなくても)比較的近い観客もいるようですし、スネアの音色がわずかに客録っぽい気もしてくる……。実のところ世界的にも意見が割れており、オーディエンスと断言しないまでも録音法に触れていなかったり、一部では「サウンドボード」と断言していたり。ともあれ、それほどまでにサウンドボード的な超名録音なのです。そんな超絶サウンドで描かれるのは、話題沸騰中の大名盤『SAN ANTONIO 1983』さえ凌駕しかねない初期MOTLEY CRUEのフルショウ。その理由をご説明するためにも、今一度“SHOUT AT THE DEVIL TOUR”の全体像を振り返り、ショウのポジションを確かめてみましょう。1983年・3月26日-4月3日:北米#1(6公演)・5月29日:USフェスティバル出演・9月3日-17日:北米#2(3公演)《9月26日『SHOUT AT THE DEVIL』発売》・10月31日-12月16日:北米#3(28公演)←※SAN ANTONIO 1983 1984年・1月10日-3月24日:北米#4(52公演)
・4月12日-6月15日:北米#5(38公演)・8月18日-9月7日:欧州#1(7公演)・10月15日-11月19日:欧州#2(23公演)←★本作★ これが1983年/1984年のMOTLEY CRUE。極上サウンドボード『SAN ANTONIO 1983』は『SHOUT AT THE DEVIL』発売直後でしたが、1984年になると彼らは全米を何周もし、欧州にも遠征。この「欧州#1+2」はMOTLEY CRUEにとって初めて大洋を渡った海外ツアーでもありました。本作のミラノ公演は、そんな「欧州#2」の20公演目にあたるコンサートだったのです。そして、そんな環境が本作の熱気にもアリアリと現れている。すでに全米を蹂躙した自信に漲りつつ、初めてのヨーロッパに大興奮。しかも前座公演で持ち時間が短いために、フルショウでも使い切れない若いエネルギーを濃縮してブチかましている。そのペースを考えない爆裂したテンションと、初めてMOTLEY CRUEに対面したラテン・ノリのイタリア人が相乗効果を生み出し、とんでもなく熱いライヴアルバムになっているのです。そして、その濃厚ぶりはゼットも同じ。さすがに全曲とも単独公演だった『SAN ANTONIO 1983』で聴けるわけですが、それでも“USフェスティバル”よりは長い。ここでは後者と比較しながら整理しておきましょう。華麗なる激情(4曲)・Piece Of Your Action/Live Wire
シャウト・アット・ザ・デヴィル(9曲+α)・In The Beginning(★)/Bastard/Knock ‘Em Dead, Kid/Shout At The Devil/Ten Seconds To Love(★)/Red Hot(★)/Looks That Kill/Helter Skelter ※注:「★」印は“USフェスティバル”では聴けなかった曲。 メタル色が強く、悪ガキと言うよりは邪悪だった初期MOTLEY CRUE。そんな彼らが初めて世界に羽ばたいた刹那を超極上サウンドで味わえる新発掘ライヴアルバムです。長さでこそ『SAN ANTONIO 1983』には及びませんが、濃度や勢いでは凌駕しかねない新名盤。あの極上サウンドボードにヤラれた方にも、まだ“SHOUT AT THE DEVIL TOUR”を体験されていない方にも全力でお薦めできる1枚。
Live at Teatre Tenda Di Lampguano, Milan, Italy 12th November 1984 ULTIMATE SOUND (Like SBD) (44:40)
1. In The Beginning 2. Bastard 3. Knock Em' Dead 4. Shout at the Devil 5. Ten Seconds To love 6. Piece of your Action 7. Red Hot 8. Guitar Solo 9.Looks that Kill 10. Live Wire 11. Helter Skelter Vince Neil - Vocals Mick Mars - Guitar Nikki Sixx - Bass Tommy Lee - Drums