結成30周年記念ツアーで日本を訪れた2011年のMOTLEY CRUE。その現場を伝える初登場のオリジナル録音セットが登場です。そんな本作に収められているのは2公演。「2011年9月29日+30日:Zepp大阪」公演のフル・オーディエンス録音をカップリングした豪華4枚組です。彼らの大阪公演と言えば、大阪城や神戸ワールド記念ホールなど1万人前後の大規模会場が普通ですが、この時は異例。まずはそんな当時のスケジュールから振り返り、本作の構成もチェックしてみましょう。・9月28日:Zepp名古屋・9月29日:Zepp大阪 ←★本作DISC 1-2★・9月30日:Zepp大阪 ←★本作DISC 3-4★
・10月3日-5日:Zepp東京(3公演) 以上、全6公演。東名阪のZeppだけという妙に分かりやすい日程でした。その中で大阪は2公演。本作はそのすべてを同一録音家コレクションで真空パックした4枚組なのです。しかも、その録音家というのが当店でお馴染み“西日本最強テーパー”氏。常に「まるでサウンドボード」「現場より良い音」と絶賛される名手中の名手ですが、2011年と言えば、サウンド・クオリティと評判がグイグイと上がっていった頃。もちろん、それ以前から素晴らしい録音を残しているのですが、ひと皮もふた皮も剥けたのか名作の打率が段違いに上がったのです。そして、本作もその名作に数えられるもの。芯はどこまでも極太で鳴りには距離感がなく、ディテールまでギラッギラ。ちょっとしたギターのハーモニクスもベースのうねりもサウンドボード級に鮮やかでダイレクトですし、スカスカになりやすいドラムも五臓を蹴り上げ六腑を揺するド迫力。そして、それ以上なのがヴィンス・ニールの歌声。あの独特な声がド真ん中を切り裂くように届き、歌詞の1語1語どころか言い放つ呼気の勢いまで感じられる。そんなマジカル・サウンドで貫かれた2公演は、MOTLEYヒストリーの桃源郷。『SAINTS OF LOS ANGELES』以降のショウと言うと公式作『THE END: LIVE IN LOS ANGELES』が基準。ここでは比較しながら整理してみましょう。
・華麗なる激情:Live Wire/Too Fast For Love(★)・シャウト・アット・ザ・デヴィル:Shout At The Devil/Looks That Kill/Too Young to Fall in Love(★)・シアター・オブ・ペイン:Home Sweet Home/Smokin' In The Boys Room・ガールズ、ガールズ、ガールズ:Wild Side/Girls Girls Girls
・ドクター・フィールグッド:Same Ol' Situation (S.O.S.)/Don't Go Away Mad (Just Go Away)/Dr. Feelgood/Kickstart My Hear・デケイド・オブ・デカダンス:Primal Scream・セインツ・オブ・ロスアンゼルス:Saints Of Los Angeles ※注:「★」印は『THE END: LIVE IN LOS ANGELES』でも聴けない曲。……と、このようになっています。本作の2公演は同じセットですが、「Too Fast For Love」「Too Young to Fall in Love」も披露され、初期のムードも盛り込んだ美味しいグレイテスト・ヒッツなのがよく分かります。そして、そんなセット以上に本作を特別にしているのが、実は観客の大合唱。先述のように、演奏音やヴィンスのヴォーカルは丸っきりサウンドボードっぽいギラギラなサウンドなのですが、それに付き従う大合唱が超リアルで超盛大! 狭いZeppの空間に詰め込まれた観客は「マニアしかいないのか!?」というほど熱く、盛大な唱和が嵐のように吹き荒れているのです。「Shout! Shout! Shout!」のド迫力と言ったら……。ここで注意! 絶叫まみれの録音をイメージされるかも知れませんが、そうではありません。間近な絶叫も矯正もまったく(!)ナシ。大合唱は確かに大きくぶ厚いのですが、それは遠くバンドの向こう側から迫ってくるような感じ。もちろん、常識的には客席の方がバンドよりも近いはずなのですが、(ナゼか)そうは聞こえないのです。30周年のグレイテスト・ヒッツ、狭い会場にギュウ詰めされたファンの本気度、そして超絶ダイレクトなド迫力サウンド……それらがすべて揃ったからこそ生まれ得たダイナミズムがパンパン。日本公演だからこそ、“最強”氏コレクションだからこその旨みが溢れてこぼれて吹き出す超絶なる4枚組。
Zepp Osaka, Osaka, Japan 29th & 30th September 2011 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Live at Zepp Osaka, Osaka, Japan 29th September 2011
Disc 1 (60:13) 1. Wild Side 2. Saints of Los Angeles 3. Live Wire 4. Shout at the Devil 5. Same Ol' Situation (S.O.S.) 6. Primal Scream 7. Home Sweet Home 8. Don't Go Away Mad (Just Go Away) 9. Drum Solo 10. Guitar Solo 11. Looks That Kill
Disc 2 (35:03) 1. Dr. Feelgood 2. Too Young to Fall in Love 3. Too Fast for Love 4. Girls, Girls, Girls 5. Smokin' in the Boys Room 6. Kickstart My Heart
Live at Zepp Osaka, Osaka, Japan 30th September 2011
Disc 3 (60:19) 1. Intro 2. Wild Side 3. Saints of Los Angeles 4. Live Wire 5. Shout at the Devil 6. Same Ol' Situation (S.O.S.) 7. Primal Scream 8. Home Sweet Home 9. Don't Go Away Mad (Just Go Away) 10. Drum Solo 11. Guitar Solo 12. Looks That Kill
Disc 4 (33:33) 1. Dr. Feelgood 2. Too Young to Fall in Love 3. Too Fast for Love 4. Girls, Girls, Girls 5. Smokin' in the Boys Room 6. Kickstart My Heart Vince Neil - Vocals Mick Mars - Guitar Nikki Sixx - Bass Tommy Lee - Drums