解散寸前にまで追い込まれつつ、現編成となって甦った『ST. ANGER』時代のMETALLICA。その復活ツアー最終日を極上体験できる驚異のオリジナル録音が登場です。その最終日とは「2004年11月28日サンノゼ公演」。その超絶級オーディエンス録音です。2004年と言えば、あのlivemetallica.com立ち上げとなった革命の年。各公演の公式サウンドボードが購入できるようになったわけですが、それにも関わらず本作は世界中のマニアのド肝を抜いた超絶DATマスター。つまり、公式サウンドボードを差し置いてしまうくらいの超・極上のライヴアルバムなのです。その気になるクオリティの前に、まずはショウのポジション。ロバート・トゥルージロを迎えて世界の再征服に乗り出したツアー全体像から振り返ってみましょう。2003年《6月5日『ST. ANGER』発売》・7月4日-8月10日:北米#1(20公演)“MADLY IN ANGER WITH THE WORLD TOUR”・11月6日-14日:日本(6公演)・12月3日-20日:欧州#1(13公演)
・12月31日:ラスヴェガス公演 2004年・1月16日-2月1日:オセアニア(10公演)・3月2日-5月15日:北米#2(34公演)・5月26日-7月4日:欧州#2(22公演)・8月16日-11月28日:北米#3(49公演)←★ココ★ これが2003年/2004年のMETALLICA。「北米#1」はLIMP BIZKITやLINKIN PARKとのフェス形式“SUMMER SANITARIUM TOUR”で、残りが“MADLY IN ANGER WITH THE WORLD TOUR”。そのキックオフ地は日本であり、本作は約1年後となるツアー千秋楽でした。そんなショウで記録された本作は、驚異の極上サウンド。前述のように正真正銘の公式サウンドボードもあるため、普通なら軽々に「まるでサウンドボード」とは言えないわけですが、本作は違う。公式サウンドボードがあろうがなかろうが、関係ない。問答無用にサウンドボード級……いえ「公式サウンドボード超え」。ダイレクト感は完全にサウンドボード級ですし、芯だけがムキ出しで貧弱だったlivemetallica.comサウンドボードよりも遙かにリッチでゴージャス。もちろん、ヘッドフォンで耳を澄ませれば会場鳴りも吸い込んでいるわけですが、それが距離感にならないどころか、ダイナミズムを一層強化し、アンサンブルの一体感も醸している。しかも、その鳴りの中にあっても極太の芯はド直球で脳みそに突撃し、ディテールもエッジもギラッギラなのです。軽々と「livemetallica.com超え」したサウンドで描かれるのは、最終日だからこその豪快なフルショウ。“MADLY IN ANGER WITH THE WORLD TOUR”は、長らく続いた「悪夢のグルーヴ時代」に終止符を打ち、激しく日替わりするセットが絶賛を呼びました。本作は、その最後の1回。ここでセットも整理しておきましょう。クリフ時代(7曲)・キル・エム・オール:The Four Horsemen/Seek & Destroy・ライド・ザ・ライトニング:For Whom The Bell Tolls・メタル・マスター:Disposable Heroes/Welcome Home (Sanitarium)/Battery/Master Of Puppets ジェイソン時代以降(11曲)
・メタル・ジャスティス:Blackened/One・ブラックアルバム:The Unforgiven/The God That Failed/Sad But True/Wherever I May Roam/Nothing Else Matters/Enter Sandman・リロード:Fuel・S&M:No Leaf Clover・セイント・アンガー:Frantic ……と、このようになっています。レアな「No Leaf Clover」を披露しつつ、全体バランスとしては『LOAD』以降が少ない「脱グルーヴ路線」を堅持している。ただし、ツアー初期ほどスラッシュ祭りともなっておらず、この日の主軸は『BLACK ALBUM』であり、次いで『MASTER OF PUPPETS』ナンバーがフィーチュアされる美味しいセット。久々の「The God That Failed」や貴重な「Disposable Heroes」も披露してくれるのです。そして、そんなセットを紡ぐパフォーマンスが素晴らしい。千秋楽というのはツアー疲れが出るか、開放感たっぷりの熱演になるか両極端ですが、本作は後者。明日の調子を心配せずに済む思い切りの良さが全開で、やたらとダイナミック。ピリピリとした緊張感や正確無比な構築感は望めないものの、リフ1つ、ドラム一打の全力感や「せーの!」で加速する爽快感が凄い。しかも、そのダイナミズムが『BLACK ALBUM』ナンバー多めのセットによく似合う。まるで1993年/1994年辺りにタイムスリップしたようなグロリアスなヘヴィ・ショウなのです。映画『メタリカ:真実の瞬間(SOME KIND OF MONSTER)』のせいか、ややリハビリ期のイメージもある『ST. ANGER』時代。確かにツアー初期にはライヴにもそうしたカラーもありましたが、本作は違う。丸1年に及ぶ入念なツアーで本領発揮・完全復活を果たしたMETALLICAのフルショウ。その一部始終を公式サウンドボードさえ問題外にする超絶サウンドでたっぷり楽しめるライヴアルバムの大傑作です。超絶級オーディエンス録音。芯だけがムキ出しで貧弱なlivemetallica.comの公式サウンドボードより遙かに優れている驚異の名録音!! これは凄いです。
Live at HP Pavilion, San Jose, CA, USA 28th November 2004 ULTIMATE SOUND
Disc 1(77:20) Live at hp Pavillion, San Jose, CA, USA 28th November 2004 1. The Ecstasy Of Gold 2. Blackened 3. Fuel 4. For Whom The Bell Tolls 5. No Leaf Clover 6. Frantic 7. Kirk Doodle #1 8. The Unforgiven 9. Disposable Heroes 10. The God That Failed 11. Junglessence (incl. Orion)
12. Welcome Home (Sanitarium) 13. Sad But True
Disc 2(75:18) 1. Battery 2. Wherever I May Roam 3. Melbourne (Kirk Doodle #2) 4. Nothing Else Matters 5. Master Of Puppets 6. Full Metal Jacket Intro. 7. On 8. Enter Sandman 9. The Four Horsemen 10. Seek & Destroy 11. Message from the band
James Hetfield - Guitars, Vocals Lars Ulrich - Drums Kirk Hammett - Guitars Robert Trujillo - Bass