今回「HAMMERSMITH BLIZZARD」としてリリースされる新発掘ソースは、同時期のオーディエンス・ソースの中でも高い水準で安定した録音が行われており、その明度と演奏のバランスは、これまでトレーダー間で知られていた同日の音源を上回るものでした。しかし既存のライヴ・テープも当日の重要な記録である事には違いなく、また音質的にも本編の欠落を見事に補った事からもうかがえる通り、このまま「役目は終わった」とばかりに忘れ去られてしまうには惜しいマテリアルです。そこで今回は特別企画として、HAMMERSMITH BLIZZARDの「Revelation (Mother Earth)」欠落部分の補填に使用されたもうひとつのオーディエンス録音も、全面的なリマスターを行って音盤化しスペシャルアイテムとしてのリリースを決定いたしました。オジーのソロキャリアでも初めてとなったハマースミス公演をHAMMERSMITH BLIZZARDとは異なる視点と質感から、重ねてお楽しみいただけます!優れた見通しがDAT録音のようだった「HAMMERSMITH BLIZZARD」に対し、本音源はアナログな質感が漂うモノラル録音で、見通しではプレスCDタイトルに一歩譲るものの、安定して優れた音の均整や、オジーのヴォーカルを中心としてまとまりの良いバランスでは引けを取りません。またステージにより近く感じる音像もダイレクト感に溢れています。ライヴ・テープ慣れしている人ならばむしろ本音源のほうを好みに感じても不思議は無い、優秀なソースです。オジーの歌声を先頭に押し立てて、バンドが一体で押し寄せるようなサウンドの構成は「Looking At You, Looking At Me」や「Crazy Train」で素晴らしい迫力を味わえます。「Suicide Solution」と続くギターソロ、ドラムソロは音の焦点が絞れているだけにメインとなるプレイヤーの演奏へ意識を集中でき、オジーの歌やランディのギターなどをよりしっかりと聴き込めるでしょう。ランディのギターが唸りを上げ、リーのドラムがけたたましくプレイを叩き出す「Iron Man」・「Paranoid」のSABBATHメドレーは、オリジナルSABBATHにも負けないヘヴィネスを放っているようにも思われます。「Steal Away」で聴けるバンドの一体感は、ボブがインタビューで応えていた「スムーズに動いている機械のようだった」という言葉を裏付けているように思われます。このハマースミス公演が終了した後、彼らは10月末までさらに1ヶ月以上にわたって全29公演のツアーを完遂し、1stアルバム「BLIZZARD OF OZZ」は全英チャート7位まで上昇。オジーは衝撃的なソロ・デビューを見事に飾りました。この後彼らは同じバンド編成のまま2ndアルバムとなる「DIARY OF A MADMAN」の製作に着手し、'81年3月にはレコーディングと仕上げまでスピーディに行われますが、この時点でリーとボブはバンドを解雇され、トミー・アルドリッジとルディ・サーゾを擁する新たなラインナップへと変化します。これ以降は完全なる"オジーのソロ"として全米ツアーに突入し、アメリカのロック・シーンにセンセーションを巻き起こします。本音源は初期の"バンド"としてのオジー・オズボーンを良質な形で楽しませるもので、ここに封じ込められたサウンドは「HAMMERSMITH BLIZZARD」に劣らず貴重です。
Live at Hammersmith Odeon, London, UK 20th September 1980 TRULY AMAZING SOUND
1. Carl Orff: Carmina Burana 2. I Don't Know 3. Looking At You, Looking At Me 4. Crazy Train 5. Goodbye To Romance 6. No Bone Movies 7. Mr. Crowley 8. Suicide Solution 9. Guitar Solo/Suicide Solution(Reprise) 10. Drum Solo 11. Revelation (Mother Earth)
12. Iron Man 13. Children Of The Grave 14. Steal Away (The Night) 15. Paranoid Ozzy Osbourne - Vocal Randy Rhoads - Guitar Bob Daisley - Bass Lee Kerslake - Drums Lindsey Bridgewater - Keyboards