伝説の初来日から1年3ヶ月、1979年に早くも実現したVAN HALEN2度目のジャパンツアー。その現場を伝える新発掘ライヴアルバムが登場です。そんな本作が記録されたのは「1979年9月3日:京都会館」公演。そのオーディエンス録音です。1979年の再来日と言えば、2年前に衝撃を振りまいた極上サウンドボードアルバム『OSAKA 1979 2ND NIGHT(Zodiac 307)』も記憶に新しいところ。それも併せ、まずは当時のスケジュールからコレクションを整理してみましょう。・9月3日:京都会館 ←★本作★・9月5日:九電記念体育館・9月7日:名古屋市公会堂・9月8日:倉敷市民会館
・9月10日:大阪府立体育館・9月11日『OSAKA 1979 2ND NIGHT』・9月13日:日本武道館 以上、全7公演。公演数こそ初来日よりも減りましたが、代わって日本武道館公演が実現し、岡山や福岡でも実施。人気が全国区へと広がった再来日でした。そんな中で本作の京都公演は、日本上陸イの一番となる初日のコンサートでした。そんなショウを真空パックした本作は、何とも瑞々しいヴィンテージ・オーディエンス。最近になって発掘された新マスターなのですが、発掘を手掛けたのは世界の名門「Kro_co」。大元のアナログ・マスターからダビングされたDATから起こされた1stジェネの銘品なのです。実際、そのサウンドは41年の時空を一気に飛び越えてくる。実のところ、演奏にはやや距離もあるタイプだったりするのですが、その空気感は透き通って芯も真っ直ぐ届く。そして、その演奏を遙かに凌駕するのがデイヴィッド・リー・ロスのヴォーカル。現場PAの出音のせいかデイヴがグイッと前に出たバランスで、ワイルドで快活なシャウトもくっきり。それだけだと物足りなくなりそうですが、デイヴと混じり合うマイケルとエディのコーラスもバランス良くくっきりとしており、厚みのあるダイナミズムを醸してくれるのです。そのサウンドで描かれるのは、貴重な1979年のライヴ・イン・ジャパン。実のところ、セットは『OSAKA 1979 2ND NIGHT』と同一だったりするのですが、あの名盤をご存じない方(は、本稿を読んでる場合じゃありません。一刻も早く『OSAKA 1979 2ND NIGHT』をご体験ください)もいらっしゃるでしょうし、ここでは初来日と比較して整理してみましょう。炎の導火線(8曲+α)・Runnin' With The Devil/On Fire/Jamies Cryin’(★)/Feel Your Love Tonight/Ice Cream Man/Ain't Talkin' 'Bout Love/You Really Got Me/Atomic Punk 伝説の爆撃機(7曲)・Light Up The Sky(★)/Somebody Get Me A Doctor/Dance The Night Away(★)/Beautiful Girls(★)/You're No Good(★)/Outta Love Again(★)/
Bottoms Up! ※注:「★」印は初来日では聴けなかった曲。……と、このようになっています。『炎の導火線』+『伝説の爆撃機』なのは初来日と同じながらバランスは大きく変わり、(東漸の事ながら)2ndアルバムも大幅増量。このツアーだけの「You're No Good」や再結成後まで30年近く封印される「Beautiful Girls」「Outta Love Again」といったレア曲もたっぷり楽しめます。そして、そんなセット以上なのが日本公演ならではムード。二度目ということで初来日ほどの衝撃感はないかも知れませんが、それでもビシッと揃った手拍子やカタカナ声援は洋楽ブームの薫り満点ですし、喝采と沈黙の落差で緊張感を醸す雰囲気は日本ならでは。そんないつもと違うムードの中で炸裂する若き4人のパッションも凄まじい。何度も繰り返しますが、1979年再来日の代表作はあくまで『OSAKA 1979 2ND NIGHT』ではあるものの、リアルな現場感はオーディエンス録音の独壇場。本作は、そんな41年前の大気に全身を浸せるライヴアルバムなのです。二度目の再来日までは順調だったVAN HALENでしたが、快進撃はここまで。三度目は10年後のサミー・ヘイガー時代まで待たねばならず、デイヴとのショウは最後の来日となった2013年までオアズケとなってしまいました。それでも実現しただけマシというものですが、やはり「あの4人」が揃って若さに任せて苛烈なハードロックをブチかますダイナミズムが恋しい。そんな乾きを癒してくれる貴重な1作。
Live at Kyoto Kaikan, Kyoto, Japan 3rd September 1979 TRULY AMZING SOUND
Disc 1(44:38) 1. Intro 2. Light Up The Sky 3. Somebody Get Me A Doctor 4. Drum Solo 5. Runnin' With The Devil 6. Dance The Night Away 7. Beautiful Girls 8. Drum Solo/Band Improvisation 9. On Fire 10. Bass Solo 11. You're No Good 12. Jamie's Cryin' 13. Feel You Love Tonight
Disc 2(41:26) 1. Outta Love Again 2. Ice Cream Man 3. Ain't Talkin' 'Bout Love 4. Guitar Solo 5. You Really Got Me 6. Bottoms Up! 7. Atomic Punk David Lee Roth - Lead Vocals Eddie Van Halen - Guitars, Vocals Michael Anthony - Bass, Vocals Alex Van Halen - Drums