ロニー・ジェイムズ・ディオの原点とも言うべきバンド、“ELF”。その貴重なサウンドボード・アルバムです。本作に収められているのは2つのサウンドボード音源。1つめはバンド初期のスタジオ・セッションで、もう1つは1972年1月-2月あたりに行われたコートランドでのライヴ。どちらもオフィシャル級のステレオ・サウンドボードでたっぷりと楽しめます。実のところ、ロニーの没後にオフィシャルでも『AND BEFORE ELF... THERE WERE ELVES』がリリースされましたが、そちらはスタジオ・セッション4曲、ライヴ8曲の抜粋。しかも、曲順も大幅に変更され、「なんでこんなことするかな……」というものでした。それに対し、本作はスタジオ6曲+ライヴ19曲の長尺で貴重な記録をたっぷりと楽しめるのです。その中身は、貴重なロニー初期の歩み。この当時のELFはすでにデビュー作『ELF』と同じ4人編成で、『銀嶺の覇者』にも参加することになるゲイリー・ドレスコル(ドラム)、ミッキー・リー・ソウル(キーボード)に加え、ギターはデヴィッド・フェインステイン。ベースはロニーが兼任しており、まだ20代だった若々しい歌声に加え、十分に巧いベースの腕前までも楽しめます。スタジオ篇もオフィシャル未収録の「Rosemarie」「Saturday Night」が聴けるのですが、特に聞きものなのはライヴ。オフィシャルよりも11曲多いわけですが、そこに収録された曲が面白い。まだオリジナルが足りなかったのか、有名曲のカバーが大量に演奏されるのです。そのラインナップがもの凄く、JETHRO TULLの「Crosseyed Mary」「Aqualung」、FACESの「Stay With Me」、HUMBLE PIEの「Four Day Creep」。さらには、THE WHOの「Won't Get Fooled Again」「Baba O'Riley」をメドレーカバーしたかと思えば、LED ZEPPELINの「Black Dog」「You Shook Me」まで。まるでお好みテープかのようにブリティッシュ・ロックの名曲群が次から次へと飛び出すのです。極めつけは、ラストに控えるBLACK SABBATHの「War Pigs」! まさか、この10年後には本当にBLACK SABBATHのフロントで同じ曲を歌うことになろうとは、夢にも思っていなかったことでしょう。これらのセレクションがロニーのものかどうかは分かりませんが、アメリカン人ロニー・ジェイムズ・ディオには英国ロックの魂が宿っていたことがハッキリと分かる。RAINBOW以降、あまりカバーをしなかっただけに、ロニーの歌の巧さがことさら際立つライヴです。オフィシャルを遙かに超える大量のスタジオ録音&ライヴ。超貴重な初期ELFのサウンドボードというだけでなく、英国ロックの有名曲をたっぷり歌うロニーも楽しめる大傑作です。
Studio recordings & Live at The Bank, Cortland, USA Late January & Early February 1972 STEREO SBD
Disc 1(57:29) 1. Wake Up Sunshine 2. Smile For Me Lady 3. Rosemarie 4. You Felt The Same Way 5. Driftin' 6. Saturday Night 7. Crosseyed Mary (Jethro Tull cover) 8. Stay With Me (Faces cover) 9. Little Queenie/Johnny B. Goode/Whole Lotta Shakin' Goin' On
10. Did You Ever 11. Cold Ramona 12. Black Dog (Led Zeppelin cover) 13. Four Day Creep (Humble Pie cover)
Disc 2(62:54) 1. Give Me A Chance 2. Rumble (Instrumental) 3. Aqualung (Jethro Tull cover) 4. Drown Me In The River 5. Simple Man 6. Won't Get Fooled Again/Baba O'Riley Medley (The Who cover) 7. Pisces Apple Lady 8. Dirty Dollar Bill 9. Buckingham Blues 10. So Long
11. You Shook Me (Led Zeppelin cover)/Rocks Boogie 12. War Pigs (Black Sabbath cover) Disc 1: Track 1 to 6 : Studio recordings, date unknown Disc 1: Track 7 to Disc 2 : Live at The Bank, Cortland, USA, late January & early February 1972 STEREO SOUNDBOARD RECORDING
Ronnie James Dio - Vocals & Bass Gary Driscoll - Drums Dave "Rock" Feinstein - Guitar Mickey Lee Soule - Keyboards